渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

昔なくて今ある物/昔あって今ないもの

2022年12月15日 | open

ビリヤード界で、昔は無くて
今ある物。

第1位。積層タップ。横綱格。


現在、プレーヤーの99%以上
が積層タップを使っていると
の調査データがある。
これは2,420円+送料813円、
合計3,233円である。タップ

1個が。
ちなみに私は牛革1枚物の1個
120円のタップを使用している。

第2位 ハイテクシャフト

この個体は52,000円+送料。

最近はハイテクシャフトに
代わってカーボンシャフト
が多く使われるようになった。

これはシャフトだけで75,790円。

第3位 グローブ

猫も杓子もグローブを着ける
ようになった。
まるでグローブ着けたらビリ
ヤードが巧くなるかのように。
メーカー専属のポチプロから
大衆洗脳作戦は始まった。
背景は推して知るべし。

第4位 超高額チョーク

このチョークは2,420円+送料。
私は1個88円のチョークを使っ
ている。問題ない。世界大会
でもその88円チョークで通用
する。


第5位 ウエア(上)

ゴルフウェアの転用物がポケット・
ビリヤードのみ世界大会で使用
されるようになった。
いわゆるスポーツウェアだ。
ゴルフに準じて「紳士淑女の
スポーツ」としているので、
襟付きが必須だ。
世界大会チーム戦などでは、国
毎のユニフォームにもなっている。

第6位 アームカバー

半袖ウェアの下に着けるアスリート
用のアームカバー。
冷えるならば長袖着ればいいのに、
なのだが、半袖が固定版という
固着概念のアスリートウェアの
ため、半そでの下にアンダー
シャツのような妙なコスチューム
がビリヤードのポケットのみで
発生した。野球のように最初から
これならば別に違和感はないが、
非常に珍妙である。
カッコイイとは一つも思えない。

ポケットビリヤードにおける
上記道具やギアの変化がここ
10年程で定着した。
このうち、1位~4位までは、
完全にゴルフ界を猿真似した
完全商業主義=利潤追求第一
主義のポケット・ビリヤード
界での台頭が背景にある。
異常に法外な儲け主義の商品を
売りさばいて設ける。
それのお先棒担ぎの役目をプロ
が受け持つ。玉撞きの事を知ら
ない底の浅い玉入れ屋のプロが。
企業が利益を正当に上げる事は
悪ではない。
むしろ法的にも利益を上げる
目的を掲げないと法人登記さえ
できない。
だが、今世紀初頭以降のポケット・
ビリヤード(ポケットのみ)界
では、関連企業が誇大広告と虚構
宣伝構築によって商品を広めて
利益を上げようとしている点が
極めて不当だ。
それはゴルフ界と釣り業界の
嘘まみれのうたい文句「今度の
製品は従来よりも飛躍的に~」
という手法をそのまま模倣して
展開されている。
虚像を真実と大衆をして欺罔せ
めて利益を上げようとしてい
のである。
そのため、毎年新製品を出す。
1年前の商品はもう時代遅れ、
として。
しかも、ボッタクリの法外な
暴利の価格設定で販売する。
タップの原価、カーボンシャフト
の原価を知ると、いかにトンデモ
の商品戦略であるかが分かる。
とにかく、ユーザーになるプレー

ヤー層から搾り取れるだけ搾り
取ろうとする戦略が現在のポケ
ット・ビリヤードの企業体質だ。

今後、儲け主義のエコノミック
アニマルが発売してきそうな
物を予言しよう。

ビリヤード専用パンツ

伸縮性のある素材でジャージの
ような物。
色は現在のルールでは「黒」と
定められているので黒になる
だろう。
現行ルールでは「黒のスラック
ス」と定められているが、それ
も上をルール改訂したように
ドレスコードを変えて来るだろ
う。

ビリヤード専用シューズ

現行公式試合では黒の革靴指定
となっている。
スニーカー型でも黒革でなけれ
ばならない。
だが、これもゴルフや他のスポ
ーツのように変化するだろう。
そして、それのためにメーカー
はロビー活動をするし、虎視眈々
と周辺ギアでの売り上げアップ
を狙う広報活動を計画している
事だろう。

いつの間にか、ポケット・ビリ
ヤードの世界は歪んだ商業主義
で大衆を騙して金儲けする世界
に転落してしまった。
チョークなどは88円のチョーク
で十分にプレーできる。
タップも1個120円のタップで
十二分どころかそれ以上にプレー
できる。
シャフトもノーマルソリッドの
良質物は激減したとはいえ、
ハイテクシャフトさえもポイ
捨てして新製品のカーボンに
と大衆は飛びつく。企業とそれ
の尖兵たる紐付きポチプロの
宣伝に騙されて。
グローブにしてもそうだ。
グローブなどは30年以上前から
存在した。
現在ではグローブなしではまる
でビリヤードができないかのよう
な風潮が意図的に作り上げられて
大衆は扇動されてそれに乗る。
メーカーの思うつぼだ。
良い物ならば、トッププロは全員
30年前から使っていた。
プロを使った集団催眠、集団洗脳
のような販売戦略で企業は大衆を
誘導している。まるで霊感商法の
ように。

私が最も嫌う社会現象だ。
なので、私は積層タップもハイテク
シャフトもカーボンも、そして高額
チョークもグローブも使わないので
ある。
本物の物の良さとは何であるかを
知っているから。
特にとりわけグローブなどは大嫌い
であるし、グローブを最近着け始
めたりしている
選手も嫌いなので
ある。(嫌いと
いうか軽佻浮薄の
徒は眼中なし)

特に企業の広告塔となっているだけ
のプロなどは、選手として以前に
社会人として全く魅力ない。
社会性意識の未成熟度と共に行動
が無思慮だからだ。
そうした中でも、これを使ってくれ
との企業からのアプローチをはね
のけても自分の確固たる信念と
選択で
旧来からの良い物を使う、
良い
スタイルを踏襲する、己の
主体性をまず第一に置く、という
事を
実行しているプロは骨がある
感心するし、掛け値なく敬意を
抱く。

これは年が若いとかベテランとか
の年齢など関係なく。
エフレン・レイエスとマイク・
シーゲルはグローブなど着けない。
これは昔の人だからではない。
物の何たるかを知悉しているから
だ。
そして、アイデンティティが

確立しているからである。
インディペンデントとしての

主体性。それを持っているから
だ。

目を覚ますどころか、目に鱗、
しかも前が見えないスモーク
バイザーのような鱗を着けて
しまっている大衆たち。
そして、その方向に煽る紐付き
プロたち。
クリーンでクリアな世界では
なくなってしまったのがポケット・
ビリヤードの世界だ。

ポケットだけが異様な状態に
変質している。
フォーマルウェアを着て競技を
するのは、ポケット以外の全
ビリヤード種目では今も常識
である。スヌーカーやキャロム
の世界では今もそれ。
ポケットでは、USオープンの
優勝者が土足で台の上に乗って
叫び散らすような礼儀作法無視
をやっている野蛮な世界になって
しまった。
そして、日本でも洋行帰りを自慢
するレッスンプロの自称コーチ
が、着帽のままビリヤードをプレー
しようとしていたりする。
はっきし言って、どたわけで
しかない。

スヌーカーは英国式伝統=礼儀
作法を守る人間のみがプレーし
ている。ウェアも今でもフォー
マルウェアのドレスコードが
厳格に敷かれている。
新しい物が何でも良い物と思い

込むのは誤りだ。
失われた大切なものを取り戻す
事は容易にはできない。



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