横浜市立中学の7割、全員給食「自校」方式は実施困難
横浜市の山中竹春市長が2021年8月の市長選で公約として掲げた「中学給食の全員実施」をめぐり、市が市立中学145校での実施方法を検討したところ、校内で調理する「自校方式」は約7割の中学で実施困難であることが21日、わかった。近隣の小学校から運ぶ「親子方式」も約8割の中学で実施困難だった。
敷地の余裕がないことが理由という。一方で、複数校分を調理する「給食センター方式」では400億円以上の整備費や土地取得代に加え、年間約50億円の運営費がかかると試算している。
市の厳しい財政事情から、現行の家庭弁当と業者が弁当を配達するデリバリー型給食のミックス方式の継続以外に選択肢はないとみられ、市長の公約の整合性が問われることになりそうだ。
市は1960~70年代に人口が急増した際、中学の教室などを拡張したが、給食室は整備しなかった。共働きの増加など家庭環境の変化から中学給食の全員実施を探ったが、過去に何度も断念。代替策として2016年度からデリバリー弁当「ハマ弁」を始め、現在はデリバリー弁当を学校給食法に基づく給食と位置づけている。今年4月の利用率は29.6%(速報)だった。