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すらいむ
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admiration - すらいむの小説 - pixiv
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9,064文字
admiration
こんにちは。すらいむです。

小説は初投稿で処女作です。

拙い文章ですが、あたたかく読んでいただけると幸いです。

この作品は、ルリさんの奇病カルテから引用させていただきました。

ほんのりというかガッツリ腐です。苦手な方は読むのをご遠慮ください。

歌い手のしゃけみーさん、スタンガンさんのお名前をお借りした二次創作になります。

ご本人にご迷惑をおかけしないよう、よろしくお願いします。

4/26
1つの章が抜けていたので追加しました。
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96852612
2018年4月26日 03:14

いつしか耳の辺りに蕾のような物ができていた。きっと、「もう何も聞きたくない」と、強く強く、願ってしまったからだろう。

できればもう一度、愛する君の声を―。


st.side

「しゃけみーさ、段々投稿のペースが落ちて来てるよねぇ?」


偶然、自分の恋人のリスナー、いわゆるイクラと思われる人たちの会話を朝の満員電車の中で耳にしてしまい、思わず耳を澄ましてしまった。
結構マメに録音してると思っていただけに、なぜか気になってしまった。投稿ペース落ちてるって……体調崩してんのかな?インフルとか?
なんて、頭の中でグルグル考えながら緑アイコンのメッセージアプリを開いた。


『ひゅ』


何となくしゃけみーが気になってしまって、でも何を送ればいいのか分からなくなってしまってしばらく考えた結果、思いついたのがひゅ、だった。


「え、すたんちゃんどしたんw」


数分もしないうちにしゃけみーから返信が来た。


『いや、そろそろ新曲コラボしたいなと思って』


「あーね。いいよ何する?今流行りの死にたくねえアレ?🤘🏻🤘🏻」


『あー!今流行りの死にたくねえアレね!良いんじゃない?』


何気ないやりとりに少しだけ口角が上がる。いつも通りだし、変な所なんてないよなぁ、とさっき電車で聞こえた(聞いた)会話は所詮噂なんだって、ちょっとだけ安心した。



数日前に新作のMIXも無事終わったところで、今日はしゃけみーとご飯を食べに行く日。
待ち合わせは18時半なのに、30分くらい早く着いてしまった。ぶっちゃけ楽しみでしょうがなかった。相方だけど恋人だしね!!と、1人で納得したところでしゃけみーが来た


『おー!久しぶり!え、ちょっと太った?w』


「おひさー!え、マジで?ww」


実際会ったけど変わった事なんてなくて、いつも通り(かっこいい)。それよりも、しゃけみーと話すのはやっぱり楽しい。余計な気を使わなくても良いって楽で良い!


お店に無事着いたところで、俺はしゃけみーに聞きたかったことをぽつりとこぼした。


『ねー、しゃけみーさ』


「うん?」


『最近投稿ペース落ちてるって噂になってたけどどしたん?』


「そんな噂たってるの?wあ、そういえばモン○ン楽しすぎてTwitterも録音もしてなかったな……」


『モン○ンかよ!体調不良とかだと思って心配して損したわww』


「ちょっとひどくない?!ww今呟いておこ…えーと、すたんちゃんと、ご飯なう、ハンター業してたら1週間経ってたよ、なんか死んでる噂たってたらしいけど生きてます!っと……」


『俺も投稿しとこ。しゃけみーとご飯なう、鮭なのにモンスターに食べられてなかったみたい!っと…』


投稿したとたん、いいねやRT、仲良しですね!、しゃけみーさん食べられてなくてよかった!などのリプライが飛んできた。


『鮭ウケてるw』


「扱いの雑さがひどい。泣いちゃうよ僕。」


嘘泣きを始めたしゃけみーを放置して、続々と運ばれ始めた料理たちを食べ始めた。



sh.side

すたんちゃんはどこか鋭い。僕だってそんなに鈍い訳ではない…はずだし、隠しきれている、と思っているつもりなんだけれど。すたんちゃんには全てお見通しみたいだ。


そう、最近何をやっても上手く行かなくて。
すたんちゃんからメッセージが来たときはドキッとしたし、バレた?と内心ヒヤヒヤした。


久しぶりのコラボはポンポン話が進んで、あっという間に録音、MIXが終わった。相方であり恋人であるすたんちゃんとやることはなんでもうまく行く。いつもの自分の不調が嘘かのように。


『しゃけみー!』


そんな事をグルグルと考え込んでいたみたいで、甘い甘い酒によって頬を染めたすたんちゃんが僕を呼んでいた。


「なんだいスタンガン」


咄嗟に反応したけど、訝しげにこちらを見るすたんちゃんに心臓が飛び出しそうなほどドキドキしていた


『ぼーっとしてたみたいだけど大丈夫?体調悪いなら帰る?』


首を傾げ、先ほどと違って心配した表情でこちらを見ている。カワイイ。
……じゃなくて、僕の心見えてるんじゃないのすたんちゃん………。
でも、すたんちゃんに心配はかけたくない。恋人だからなおさら。


「いんや、大丈夫だよ。すたんちゃんそんなに飲んで大丈夫?」


『だーいじょーぶー!』


更に頬を赤く染めたすたんちゃんが隣に来て、ぴったりとくっついてきた。ああああああ可愛い!!保ってくれ僕の理性!!!と心の中で叫びつつ、店員さんにお冷を頼んだ。


「すたんちゃん、すたんちゃん」


僕に寄りかかるすたんちゃんに声を掛けた……が、


『…………………(スヤァ)』


気持ちよさそうに眠ってしまっていた。僕はすたんちゃんの居場所になれてるのかなぁ…


「すたんちゃん起きて~!……………起きないと、キスするよ?」


身体を揺さぶられても起きる気配がなかったのに、「キス」という単語でガバっと起き上がったすたんちゃんは、お酒で染めた頬を更に赤くした。


『………そういう不意打ちはズルい。』


正直グッと来たのでそのまま押し倒したくなるのをこらえつつ、お冷を飲ませた。



――――――――――――――――――――――――



st.side

久しぶりに会った恋人の様子はいつも通りだった。ただ、変なところ?というのは結構な頻度でぼーっと何かを考え込む様子が見られたところ。


いつも俺の話にはこちらを見つめながら聞いてくれるのに、今回は上の空で俺が呼んでもきいていないことがあった。


俺って、信用無いのかな…、ちょっと自信無くなるなぁ…。
いつもより目が合う回数も少なかったような………??


だめだ、モヤモヤしてくる。こんな時は何か作ろう。しゃけみーってなんでも美味しそうに食べてくれるからついつい作りすぎちゃうんだよなぁ。


口いっぱいに俺が作ったご飯を詰め込むしゃけみーの子供のような笑顔を思い出し、笑みがこぼれた。


俺の精神安定剤はしゃけみーなんだから、早く元気になってもらわなくちゃな!


昨日も会ったはずの恋人が急に恋しくなってしまって、緑のメッセージアプリを開いた。


『しゃけみー、震える』


「は?震える?なになに、風邪?」


『風邪じゃねえよ!昨日今日で風邪引かねえよ!!』


「何言ってんの!俺らすーぐ風邪引くじゃんwww」


そう、俺もしゃけみーもすぐに風邪を引くことでゆうめ……、有名(なはず)。
……そうじゃないんだって、なんでこんな時は鈍いのやら……


「あ、もしかして会いたくなっちゃった〜?全くすたんちゃんは素直じゃないなぁ~(ニヤニヤ)」


訂正。ストレートで来た。こっちが照れるからやめてほしい…!もう開き直っちゃおう…


『そうだよ。恋人に会いたいって言って何が悪いの?』


「あー、すたんちゃんズルいわ。ちょっと待って」


なにやらストップがかかり、先程中断していた調理を再開した。
間もなく、しゃけみーから電話がかかってきた。


『もしもーし』


「もしもし。すたんちゃんあのさ。」


『んー?』


「14日、うちくる?」


『はぇ?!?!』


びっくりし過ぎて声が裏返ってしまった。呼吸を落ち着けてもう一度スマホから聞こえる声に耳を傾けた。


「声どしたんwwはぁ…、おもろ。で、仕事とか大丈夫なら14日にうちくる?」


『14日ね、確認してみるからちょい待ち!…あー、その日は仕事の飲み会が……。』


せっかく。せっかく誘われたのに…!!
この時ばかりは仕事を恨んだ。めっちゃ恨んだ。
ちなみに今日は9日である。


「……そか、じゃあ仕方ないね。…また今度ね!」


しゃけみーがちょっとしょぼんとした声を出したところで、丁度良くチン、と電子レンジが鳴った。


「すたんちゃん何作っとん?」


『今はポテトサラダかな~』


「お〜、いいね~!食べたすぎるww」


『しゃけみー今仕事?』


「そうやねん……ちょっとした残業」


『社畜は大変だねwww』


「いやいやー、すたんちゃんだって変わらないでしょ!」


『あ、バレた?ww』


「バレバレやでー!」


電話の向こうで、ちょっとドヤ顔したしゃけみーの顔が浮かぶ。他愛ない会話の中で何だかんだ好きなんだよなぁ、と実感する。


この後もぐだぐたと話が続き、なぜか来週会うことになった。いや、楽しみだけど急すぎないか……⁉



sh.side

14日断られたのはちょっと悲しかったが、その次の日に会うことが(やや強引に)決まった。


いいでしょ!普段会えないしお互い社畜なんだから!


約束が決まった瞬間頭が冴えて、今までぐだぐだと引っ張ってきた残業が嘘のように終わった。


すたんちゃん効果すごすぎないか?え?盲目?知らないなぁ。


会社を出たところで、同僚の人が飲み会に誘ってきた。
断っても良かったのだが、せっかくだし、と了承し、近くの居酒屋に入った。


幸い、僕は酒に弱い訳ではないため、酒によって[歌い手として活動している]ことがバレる事はない。弱かったら口堅くてもボロ出しちゃいそうだしね。


酔った同僚が僕に絡んで来るのを若干避けつつ、唐揚げをつまんでいた。


同僚というのは男女でいるものであるが、あいにく今日隣にいるのは女性の同僚である。もちろん他の男性の同僚もいるのだが、なぜか僕の隣に女性の同僚がいる。


僕には恋人がいる、ということを周りにはやんわり伝えているはずなのだが、この女性には伝わっていない、あるいは信じていないようだ。


〚ねぇー、恋人がいるって本当なのぉ〜?〛


若干香水がきつい。この際だからはっきり言っちゃったほうが良いのかなぁ。よし、そうしよう。


「本当だよ。ほら離れて。」


〚えぇ~~ひどぉーい!〛


何がひどいのか分からないが、とりあえず離れてほしかった。こんなとこすたんちゃんに見られたくない。


と、思った時に限って、会う確率が高いのはどうして神様



st.side

「すたん、ちゃん……?」


自分の目に映ったのは恋人と、恋人にひっついた女。
あーあ、所詮しゃけみーだって女の方がいいんじゃないか。
…俺だけ浮かれてたの?しゃけみーにとって俺ってなんなの……?
あの電話で、お誘いで舞い上がってた俺は何だったんだ……?


突然、何故だか全てがどうでも良くなってしまって、サーッと冷めた感じが身体中に伝わりリアルではあるけれど、すごくリアルだった。


『あー、ごめんなんか俺、邪魔しちゃった?』


「ちが、すたんちゃん、話聞いて」


『なに?俺じゃなくてその人が良くなったって事?…そんなの、聞きたくないよ…』


「違うってば…!」


〚なぁにぃ~?あなたこの人の何なのぉ~?〛


耳障りな声が聴こえた。
ああ、もう終わりなのかもしれない。
しゃけみーにとって俺は必要無いのかもしれない。


『もういいよ、何も、…何も聴きたくない!』


『……しゃけみー、別れよ』


そう彼に告げた瞬間、耳に違和感が走ったのが分かった。
けれど、俺はもうこの場から逃げ出したかった。


「すたんちゃ…、みみ…」


しゃけみーが言い終わらないうちに俺は走り出し、気がついたら目の前には見慣れた自室が広がっていた。


『…あれ、俺…』


…そうだ、しゃけみーに別れを告げて、耳に違和感が…。
…耳に違和感?


気になって鏡を見ると、何やら小さい花の蕾が生えている?ついている?のが見えた。
こんなの知らない。朝まで無かったはず…。


インターネットで検索してみると、自分の症状に当てはまる疾患があった。


「聴椿病(チョウチンビョウ)」


宿主の血を吸って椿が咲く。
手遅れになると耳が、聴こえなくなってしまうらしい。


突然怖くなってしまい、その日を境に部屋に閉じこもるようになった。
こんな耳で外なんていけなくて、仕事も休む事になった。


まぁ…いいか。こんな価値のない自分なんていなくなっても。



――――――――――――――――――――――――



sh.side

すたんちゃんから一方的に別れを告げられて、もう1週間が経ってしまった。当然、あの日の約束も果たせていない。


僕が本当に好きなのは、すたんちゃんだ。
それは本当に揺るがない。


…だけど、だけど。


あれからすたんちゃんから連絡は来ないし、僕から連絡しても返信どころか既読もつかない。


誤解を解きたい気持と、会うのに気まずい気持ちが半々で、1週間もズルズルと引き伸ばしてしまった。


あの日、すたんちゃんが走り去る前にチラリと見えた耳には、何か花の蕾のようなものがついているのが見えた。


この1週間、僕だって何もしていなかった訳ではない。
耳に突然現れた蕾の正体を、自分なりに調べていた。


「聴椿病(チョウチンビョウ)」
というものらしい。
治療法は、愛する人に声を褒めてもらうこと。


正直、僕には自信がなかった。
あんな姿を見られて、あんな別れ方をしてしまったんだから。


でも、すたんちゃんが死ぬのはもっと、もっと嫌だ。
一刻も早くすたんちゃんの元へ行かなければ。


早く、早く。


走っている足がなぜかとても重い。電車に乗ってから発車するまでの時間が、1秒がまるで1時間かのような錯覚に陥る。


その間、ずっと頭の中にはすたんちゃんの澄んだ歌声、笑顔、独特な笑い方が浮かんでは消え、浮かんでは消えていった。


好きなんだよ、すたんちゃん。
ねぇ。お願いだから、また一緒に歌おう。


発車してから、すたんちゃんの家までは気が気でなかった。
とにかく早く着いてほしかった。


[ピンポーン]


インターホンを押し、すたんちゃんのお母様が出た。
とりあえず居間に通され話を聞いたが、あの日以来ずっと部屋にこもっているらしい。


お母様に許可をいただき、すたんちゃんの部屋の前まで案内された。
しかし、今日1日、部屋から出てくることは無かった。


――――――――――――――――――――――――

st.side

[コンコン]

「すたんちゃん。話したい。」


最近、うちにしゃけみーが通うようになった。
もちろん、俺は会うことも話すこともない。
なんで今更?とすら思った。


『うるさいな…聴きたくないってば…』


呟く声は彼に届かない。そして「聴きたくない」と呟く度に花が咲く速度が早まっていっている気がしたし、今日はとうとう蕾が開き始めた。
正直、どうでも良いとすら、死んでもいいや、とすら思う事もあった。


でも、内心は毎日来てくれるしゃけみーに期待している自分がいた。
…本当は、俺よりも女をとった、なんで誤解なのは分かっている。
俺自身がしゃけみーと付き合う上で、男同士なのに、とか、自分は彼に釣り合っていないんじゃないかって、自分に自信が無いから突き放す事を言ってしまった。
そして、これで良かったんだ、しゃけみーには俺より釣り合う人がいる、って自分に言い聞かせていた。


嫉妬で別れるって言うなんて最低じゃん、俺。


知ってるんだよ。そういうやつなんだよ自分はさ。
お願いだからどうか俺を見ないで。







……どうか俺を捨てないで。



明日また来ても、たぶん会わないだろう。
許してほしい。……今はまだ、勇気が出ないから。



――――――――――――――――――――――――

sh.side


あれからすたんちゃんの家に毎日通っている。
だけど、彼は一切出てこない。今日でまた、1週間が経った。
良いんだ、出てきたくないならそれでも。



僕はそれでも、すたんちゃんが。



スタンガンが好きだから。


今日はそれだけを伝えて、帰ろうと思った。

すたんちゃんの部屋の前から数歩歩いたところで、部屋の中からバタバタと足音が聴こえた。


もしかしたら、と思い、僕はまた部屋の前に戻った。
すたんちゃんが部屋の中から出てくる様子はなかったけれど、僕が戻ってくると小さく、遠慮気味にドアをノックする音が聴こえた。


「…すたんがん、聞こえる?」


[…コツ]


「あのさ、…あの日のアレ、誤解だから」


『……しってる』


すたんちゃんから、返事が小さいけれど確かに聴こえた。


『…あの時、俺が1番じゃないような気がして』


「僕はいつだってすたんがんが1番だよ」


『…ほんとは、それも知ってる』


「別れたくないよ」


『…俺も、別れたくない』


「すたんがん」


『…なに、しゃけみー』


「愛してる」


『………っ、おれも』


すたんちゃんの声が震えている。
今まで一人で孤独だったのだろうか。
こんな時に支えられないなんて、そしてその原因を作ったのが自分だなんて、本当に僕はバカだ。


「…会いたい」


『…っ、おれも』


静かにドアが開いて、すたんがんが現れた。
やっと会えたすたんちゃんはとても痩せていて、本当に申し訳なくなった。


「痩せたね」


『ハハ…何も食べたくなくて』


「ごめんね」


『俺こそ…ごめん』


やっと本音を伝えられた。
ホッと息をついた瞬間、すたんちゃんが抱きしめてきた。


『……しゃけみーだ。…本物だ。』


「僕だよ。偽物の僕はどこにもいないよ?」


『…ん。』


安心したように静かに涙を流すすたんちゃんが愛しくて、思わずキスをしてしまった。


『しゃけみ……ん…っ……』


すたんちゃんが甘い声で煽る。たぶん、本人にはそのつもりは微塵もないだろうけど。


僕の理性が保たないかもしれない。とりあえず落ち着こうと、すたんちゃんの髪を撫でていると、不意に耳に触れた。


「…耳が」


『あぁ…これ…』


「『聴椿病』」


『俺、死ぬのかなあ』


不安そうにすたんちゃんがポツリと零した。


「死なせない。」


『どうやって……』


「あのさ、スタンガン」


『………うん?』


「僕は。スタンガンの」


ここまで言って、僕は深く息を吸い込んだ



st.side

「全部全部好きだよ。声だけじゃなくて。全部」


あぁ、俺が愛した人はこの人だ。俺にはこの先もずっと、この人だ。
俺は子供のように声を上げて泣いた。


そして泣きながら、部屋に篭っていた時の様々な思いを打ち明けた。自分はしゃけみーにふさわしくないんじゃないかって思っていた事、あの女の人に嫉妬していた事、嫉妬していた事に唖然としたこと、……それでもしゃけみーが好きだということ。
俺が泣いて話している間はずっと頭を撫でて聴いてくれた。そしてもう一度、


「スタンガンの声が好きだよ。」


と言ってくれた。その瞬間、耳に咲き始めていた椿が一気に咲いたかと思うと、ポトリと落ちた。


あ、花が落ちたなぁ…と何故か他人事の様に思った後、意識が途切れた。



sh.side

椿の花が落ちた瞬間にすたんちゃんが気を失った。もしかして間にあわなかったのかも、と非常に焦ったが、規則正しい寝息が聴こえてホッとした。


とりあえず布団まで運ぼうとして、すたんちゃんを抱き上げた。
この件で骨と皮くらいに痩せてしまっていて、これも僕のせいか、と胸が痛んだ。


「すたんちゃん…ごめんね、僕が頼りないせいで」


そんな事を呟いて、すたんちゃんの頭を撫でて一晩を過ごした。




いつの間にか寝ていたようで、目を覚ませば目の前に愛しいすたんちゃんが寝ている。
思わず頬が緩んでしまうのを自覚しつつ、頬に口づけた。

とりあえず今日は家でゆっくり二人で話そう。



st.side

ふと目が覚めると、目の前にしゃけみーの顔があって、悲鳴をあげそうになった。
真っ暗闇の中で目を凝らして顔をよくみると、目の周りにはクマがあり、頬も少しコケている。


たくさん心配をかけちゃって、ごめんね。


『しゃけみー、ごめんね。……愛してる』


「………僕も」


『うぉ!!!…起きてたんだ』


「今目覚めた」


『びっくりしすぎて心臓飛び出たわ』


寝てると思ったのに、しゃけみーは起きていた。
昨日の今日だけど…、ちょっと甘えても良いかなぁ…


『しゃけみー、あのさ…』


「…ん。」


言い出す前から腕を広げ、「おいで」と微笑む。
何もかもお見通しなんだ、彼は。


今夜はしゃけみーの体温を感じ、安心しながら朝を迎えた。


「すたんちゃん、ご飯食べようか」


『何食べるの?』


「おかゆ。最初は消化のいいものからね!」


「ほら、あーん」なんて声をかけながら差し出すもんだから、素直に口を開けて食べ進めた。



sh.side

すたんちゃんは僕に身を預け、スマホをいじっている。
体格差があるから、ちょっとキツイけど、会えなかったときに比べたら全然マシだ。


「すたんちゃん何したい?」


そう聞いても、『んー。こうしてたい』としか答えない。


『ちょ、しゃけみー、くすぐったい』(首)


「きこえなーい」


『ひゃ、ちょっと…、ゃ…やめ…』


「あ、ココがイイの?へぇ」(脇腹)


『…っっ!』


息も絶え絶えなすたんちゃんが妙に色っぽくて、つい意地悪をしてしまった。そして涙目のすたんちゃんにキュンとしたのはナイショ。
あ、ちゃんとその後まったりしましたよ。さすがに病み上がり?には無茶させたくないし。


ゆったりとした時間を過ごしている中で、不意にすたんちゃんが見つめ、キスをしてきた。
滅多にすたんちゃんからしてこないのに。


ちょっと照れながら、僕もキスを返した。




―HAPPY END―





admiration
こんにちは。すらいむです。

小説は初投稿で処女作です。

拙い文章ですが、あたたかく読んでいただけると幸いです。

この作品は、ルリさんの奇病カルテから引用させていただきました。

ほんのりというかガッツリ腐です。苦手な方は読むのをご遠慮ください。

歌い手のしゃけみーさん、スタンガンさんのお名前をお借りした二次創作になります。

ご本人にご迷惑をおかけしないよう、よろしくお願いします。

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2018年4月26日 03:14
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