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大麻密売グループ、栽培場所を町副議長に相談 徳島・藍住の捜査情報漏洩

産経ニュース / 2022年12月13日 21時32分

徳島県藍住(あいずみ)町議会の副議長が大麻密売グループに捜査情報を漏洩(ろうえい)する見返りに賄賂を受け取ったとして逮捕された事件で、副議長の平石賢治容疑者(46)が昨年、密売グループのリーダーから「徳島県内で大麻栽培に適した場所はないか」と相談を持ちかけられていたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。この相談を機にグループの複数人が同町に本籍地を移すなど徳島の拠点化が進んでおり、大阪府警は町議とグループ側との癒着実態の解明を急ぐ。

3年前からつながり

密売グループのリーダーは韓国籍の金太士(たいし)容疑者(52)=贈賄容疑などで逮捕。

捜査関係者によると、平石容疑者は約3年前、共通の知人を介して金容疑者と知り合った。当初は「裏の顔」を知らなかったというが、昨年に入り大麻の栽培拠点に関する相談を受けてから、両者の関係性に変化が生じた。

「捜査当局から届く照会文書を確認できる」

平石容疑者は自身の特殊なポジションについてグループ側にこう説明。それを可能にしたのが、当時同町職員で郵便物の仕分け作業に従事していた阿部さやか容疑者(39)=加重収賄容疑などで逮捕=の存在だった。別の町議や町関係者によると、平石容疑者と阿部容疑者は一緒に食事をするなど、かねて親しい間柄だったという。

捜査関係事項照会は刑事訴訟法に基づく手続き。捜査上の必要がある場合に、役所が保有する対象者の情報開示を求めることができる。

密売グループのメンバーが戸籍を藍住町に移せば、郵便物担当の阿部容疑者を介して、捜査当局の動きを摘発前に察知できる-。昨年6月以降は金容疑者の指示により、複数のメンバーが同町に本籍地を移した。実際、府警が町役場にメンバーの戸籍情報を照会すると、金容疑者は密売人が出入りする大阪の拠点を変えたという。

町には令和3年度中、捜査機関から276件の捜査照会があり、うち約8割は阿部容疑者が所属していた住民課が対応していた。

大阪と徳島、行き来

金容疑者をトップとする密売グループのメンバーは20人程度だったとされる。大阪市浪速区の民泊施設の一室に大麻を大量に保管し、交流サイト(SNS)で募集した客に売りさばいていた。メンバーはポストに置かれた鍵を使って室内に出入りし、持ち出した大麻の量や日付をノートに記載。売上金を金容疑者に手渡していた。

大麻は関東地方から仕入れていたほか、グループが独自で栽培もしていた。

金容疑者は平石容疑者と知り合って以降、大阪と徳島を行き来する生活を送っていたという。ある捜査関係者は「大麻栽培は人が多いところではできない。大阪に近い適当な場所を探していたのではないか」と推測。ただ藍住町周辺に栽培拠点があったかどうかはまだ明らかになっていない。

平石容疑者が大麻グループに協力するようになったのはなぜなのか。逮捕容疑は昨年9~10月、グループの男に関する捜査照会を金容疑者に漏らした見返りに現金5万円を受け取ったというものだが、府警は他にも情報漏洩や金銭授受がなかったか、捜査を進める。

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