2007年04月18日

印税の価値。

よく、「憧れの印税生活」などと言われるように、印税というものには、どこか「黙っていても、自然にガバガバ入ってくるもの」というイメージがある。

もちろん、著作印税にせよ、歌唱印税にせよ、プロデュース印税にせよ、著作したり歌唱したりプロデュースしたりの労働があってこその報酬なわけだが、印税というと、どこか、「労働以上の報酬」というイメージがつきまとうのは不思議だ。

確かに、10年前にした仕事だろうと20年前にした仕事だろうと、商品が売れ続けている限り、印税は振り込まれる。

実際、有頂天のCDの印税計算書が今でも郵送されてくるが、その額たるや、「だったらもらわんでもええわい」というような額であり、つまり1000円以下であり、「少額のため、次回に繰り越されます」と但し書きがついているが、次回になってすらまだ1000円に満たない場合もあり、そんな計算書を送るために毎度80円の切手代を使わせているのかと思うと申し訳なくなる。

一方では、ごく稀に、「時効警察」のDVDのように、小銭というには巨額な印税が不意に振り込まれることもあり、こちらは80年代ではなくつい一年前にやった仕事だから、さすがにまだ労働した記憶は残っているものの、やはりウン百万の金が突然舞い込むと、こう、「あぶく銭」感は拭えず、キング・クリムゾンのCDを全部買うとか、「こち亀」全巻買うとか、欲しくもないものを買ったりしてしまうので、細心の注意が必要だ。

それにしても、戯曲を一冊出して一刷が完売してもせいぜいが40万の印税だというのに、時効警察9本中1本を書いて演出しただけで、その分のギャラは貰った上に、さらに印税が入ってくるというのは、ステキなことではあるものの、あまりにバランスを欠いているように思う。

「時効警察」は、まあ、頑張ったけど、俺にしてみれば、「頑張って仕事をした」というより、「一生懸命遊んだ」という感覚が強い。

それに比べて、戯曲は、どれもこれも、死にそうになりながら書いた。

んなこたあ、関係ないのね。

売れれば入る、売れなければ入らない、それが印税だ。

改めてそう考えたとたん、やはり印税なんてあぶく銭だとしか思えなくなるのだった。
例えば100万の印税は、おそらく1万円ぐらいの価値しかないのではないか。

keralino at 01:38 


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