岸田政権辞任ドミノから落選雪崩へ…茨城県議選で幹事長が落選「保守王国の激震」 | FRIDAYデジタル

岸田政権辞任ドミノから落選雪崩へ…茨城県議選で幹事長が落選「保守王国の激震」

「自民でいがっぺ」の時代は終わった…慢心政権の「茨城ショック」

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支持率低下、辞任ドミノは、サッカーW杯の熱気でかき消された感も…しかし、茨城の民意は「NO」を示した 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

現職10人がまさかの落選に岸田首相は…

国会が終わり「一息」ついた感もある岸田文雄首相だが、この週末、たいへんな報告を受けることになった。保守王国・茨城で、自民県連幹事長の西條昌良(68)など、自民党の現職県議10人が落選。県政に激震が走ったのだ。

「報告を受けた総理は顔面蒼白になって、呆然としていました」(自民選対)

12月11日に行われた茨城県議会議員選挙は、投票率38・54%と過去最低となった。県民の政治不信が頂点に達した感がある。

県南の牛久市では、改選前自民2議席だったが、維新から出馬した元市議の長田麻美(41)がトップ当選。維新は初の議席を獲得した。

県議会最大会派の自民党は、無投票の10人を含め35人が当選、過半数を維持したが、現職10人、自民系無所属を合わせると13人が落選というまさかの大波乱。岸田政権にとって、来年4月の統一地方選挙に向け「前哨戦」とされた今回、予想以上の大苦戦で「茨城ショック」という最悪のスタートとなった。

辞任ドミノから落選雪崩へ

なぜ、こんなことが起きたのか。

「政権の支持率が下がったとはいえ、保守が強い地域なので、慢心がなかったとはいえません。もちろん、辞任ドミノといわれる国政の動きが影響しています。

今回、自民党は保守競合により現職と新人が入れ替わる選挙区が続出しました。さらに西條昌良幹事長ら現職10人が落選、現有44議席から9減です。今後は、自民会派入りを希望する無所属新人らを取り込んで、県議会最大会派の7割まで議席を回復できるかが焦点になります」(茨城県議)

梶山弘志県連会長は11日夜、「幹事長の落選は非常に残念」と敗戦の弁を述べた。そのうえで、

「それぞれの選挙区事情もあったと思うが、これから会派の構成を含め、どういう形で進めるか、県議と相談しながらしっかり対応したい」

と語った。保守王国と呼ばれた茨城県でこの結果は、明らかに「岸田政権離れが加速」しているのだと県政重鎮も言う。

「統一選前哨戦どころか、政治不信が高まり、どっちらけムードでした。葉梨法務大臣更迭の余波を受けて、同姓の葉梨衛県議が、27歳の立憲新人に肉薄されたのを見ても、岸田政権の不評が地方に波及していることは明らかです。なにより、投票率4割割れは史上最低。茨城県が中央政界の補完地域などとは言っていられない政治離れの極みです」(県央首長)

サッカー効果で政権批判を…

また、自民党幹部が沈痛な表情でこう言った。

「茨城県は、組織票でなんとか党勢を確保できた。しかし、防衛財源増税、原発再稼働、インボイス制度導入など国民に痛みを伴う政策ばかり。物価高騰や政治とカネ、旧統一教会問題は解消されていない。何か手を打たなければならないのですが、岸田首相は、臨時国会を逃げ切ったとやや呑気に考えているようだ」

この幹部はまた、

「サッカーW杯で日本代表が活躍したことで、政権批判が薄められただけ」

だと、岸田首相の安直を指摘した。防衛費増額1兆円増税、なし崩し原発再稼働、さらなる物価高の痛みは、「茨城ショック」となってはっきりとした形に表れた。保守王国から湧き出したこの民意を、岸田首相はしっかり見なければならない。

  • 取材・文:岩城周太郎写真:代表撮影/ロイター/アフロ

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