突然ですが「なにわの時の時空館」という施設をご存知でしょうか。
大阪在住の方なら「あ、あのお椀みたいな建物ね」となるかもしれません。
「なにわの時の時空館」とは、大阪市咲洲区にあった海事博物館の事です。市制100周年記念事業として大阪市によって建設され、2000年(平成12年)に開館しました。
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特徴的なドーム型の建物は、4028枚のガラスで覆われており、海の上にある館内へは海中トンネルを通るという何とも豪華なつくりになっています。
館内には菱垣廻船の実物大展示である「浪華丸」を中心に、大阪湾の歴史や船舶等の展示がされていました。
実物大の船や海中トンネルをつくり、総工費176億円をも掛けて作られたこの博物館。年間来場者60万人を予定したものの、フタを開けてみれば初年度20万人がピークでそれ以降は10万人程と大コケ…。その10万人も社会見学等で訪れていた入館無料の小中学生が大半だったそうです^^;
その結果、年間赤字が3億円にものぼっていたため、2013年3月10日をもって開館から僅か13年という短さで閉館されました。
閉館が決まった際に新たな活用事業者を募集しましたが、問題はあの「浪華丸」
全長約30メール、総重量約90トンもの巨大な船をクレーンで運び入れてから施設を建てた為、船か博物館のどちらかをぶっ壊さなければ運び出すことが出来ません。出入口は海中トンネルだけですからね…。
当時の橋下市長が「船を切断して運び出せば良いのでは」と提案したそうですが、どうもお偉い方達に「勿体ない」と反対されたとか^^;
巨大な船が鎮座したままでは折角のスペースを有効活用出来ない!建物を使うにはどちらにせよ多額の費用が掛かるので公募は応募者ゼロで終了。空きテナント状態となった時空館は現在は閉館されたままになっています。
つくるだけつくって後は放置パターン…。
ATCといいWTCといい、「テクノポート大阪」計画がいかに無謀だったかが分かります。
2020年現在、閉館から7年が経過しましたが跡地は今どうなっているのでしょうか?
気になったので現地に確かめに行ってみました!
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現在の様子は?
ATCを通り過ぎ、夢咲トンネルのすぐ隣に時空館は存在します。
「空車」表示の看板を通り抜け、まずは施設入口の建物へと向かいます。
入口が見えてきました。
窓などの一部バリケードがされていますが、落書きもなく草木も手入れをされているようで、ある程度管理はされているみたいですね。
もっと荒れていると思いきや、綺麗な状態を保っているようです。
一部ヤバそうな場所もありますが…。
「釣り禁止」と書かれていますが、周辺の海沿いでは釣りをしている人が沢山います。
駅から緑道が整備されている為か散歩しているおじさんがいたりと、周囲に全く人がいないという訳ではありませんでした。
因みに時空館前にある自販機は現役でした(笑)
建物の横にはこれまた木造船が。
これは「なみはや」という古代船みたいですね。浪華丸と同じく復元されたもので実際に大阪湾に浮かべる実験もしていたそうです。外にもこうして展示があったんですね。
なみはやと言うと筆者は卵みたいなプールを想像してしまいます…。
海沿いからは夢洲のコンテナふ頭やド派手な舞洲工場、USJのホテル群も見えます。
この日は快晴でしたが海からの風が強くて寒かった…
ではあの球体の方へと近づいてみましょうか…。
簡易的なバリケードが貼られていますが釣り人の皆様はお構いナシといった様子(笑)
入口の裏側。ここもバリケードが貼られています。