一人情シスはなぜ生まれる？課題とクラウド型サービスを生かした対策を解説

多種多様なICTサービスを活用しながらも、情報システム部にコストをかけたくない・かけられない中小企業は珍しくありません。情報システム部は、情シスと略されることも多く、企業が使用するIT機器や業務システムを構築・運営するだけでなく、ネットワーク環境の整備も行います。

ビジネスの環境を整えるためになくてはならない役割ですが、担当者がひとりという企業も多々見受けられます。一人情シスとは、情シスの担当者がひとり、あるいは少人数のみという状態のことを指します。このような一人情シス問題を抱えており、解決策を探している企業担当の方も多いでしょう。

一人情シス問題を解決する必要性や難しさ、情シス担当者を増員せずに問題解決する方法を知ることで、具体的な取り組みの道筋をつけられます。まずは、「信頼性の高いクラウド型サービスにより、最小のコストと業務負荷で最大のパフォーマンスを発揮する」という発想を持ち、解決の糸口を探りましょう。

そこでこの記事では、一人情シスが生まれる背景や課題と対策、関連サービスを一本化できるクラウド型サービスについてご紹介します。

情シスや一人情シスとは

情シスは社内の情報システムを総合的に管理し、ITトラブルにも対応する部門です。しかし専任の情シス担当者がひとり、または不在という企業も多いため、聞きなじみのない方もいるでしょう。まずは情シスや一人情シスとは何かを解説します。

情シス（情報システム部門）とは

情シスとは情報システム部門の略です。情シスは社内のITインフラやICTツールの管理・サポートをする部門を指します。情シスの主な業務はICT関連システムの調達・導入・運用監視・保守管理・更新です。

他にもセキュリティ対策やヘルプデスク、PCや周辺機器など業務用デバイスの管理、ファイルサーバや業務システムのアカウント管理なども業務に含まれます。こういった性格から情シスは「社内のITなんでも屋」として扱われるケースが珍しくありません。

一人情シスとは

一人情シスとは、情報システム担当者が社内にたったひとりであることを指します。複数名の情シス担当者を置く企業は基本的に大企業で、中堅企業でも多くが一人情シスまたはゼロ情シス（情シス不在）です。

中小企業で二人以上情シスはごく少数で、多くの企業に専任の情シス担当者がおらず、ICTに詳しい従業員や経理・人事などの管理部門が情シスを兼任しています。一人情シスまたはゼロ情シスのまま増員せず、テレワークを導入したりDXを推進したりする企業も少なくありません。

一人情シスが生まれる背景

一人情シスが生まれる状況は、「担当者が減ってしまい、やむなくひとりになってしまった」というケースや、「人材獲得が難しく、また経営者も二人以上の情シスを置きたがらない」というケースです。ここでは、一人情シスが生まれる背景を見ていきましょう。

業務負荷と離職率の高さ

一人情シスが生まれる背景のひとつは、激務で離職率が高くなりがちなことです。近年の情報システムは24時間365日の稼働が当然というケースも多くなっています。テレワークやデジタル化・DXに伴う新たなICTツールの導入もあり、情シスの業務負荷は高くなる一方です。

さらにサイバー攻撃の多様化・巧妙化に対応するためのセキュリティ対策も求められますが、知識の吸収に時間がかかり、また相談相手を見つけられない問題もあります。こういった状況から「割に合わない」と考え離職する情シス担当者も多いようです。

人材不足や経営判断

超高齢社会に突入している日本では、IT人材は常に不足しがちです。人材獲得競争は過熱しており、優秀なIT人材は資金豊富で高待遇の大手企業に流れやすい傾向にあります。

中小企業では情シスを正しく理解していないケースも珍しくありません。情シスの業務は売上に直結しないことから、情シス担当者に対する人件費を削減すべきと考え、コスト投下を極力抑えるという経営判断もあるようです。待遇や職場環境が改善されなければ経験豊富な情シスは定着しにくいでしょう。

一人情シスが抱える課題

一人情シスは以下のような課題を抱えています。

・業務負荷が大きい
・セキュリティ対策の難しさ
・業務が確実に属人化する
・最新技術に対応しにくい

ビジネスの根幹であるICTシステムを担う情シスが、常に非効率な稼働状態になりやすいことのリスクを把握しましょう。

業務負荷が大きい

一人情シスの課題のひとつは、担当者の業務負荷が大きい点です。情シスはシステムの運用監視や保守管理の他に、ベンダーとの打ち合わせと調達・導入作業、導入後の社内サポートにも対応します。ファイルサーバの管理やストレージの増設、機器のリプレースなどもおろそかにできません。

情シスは多忙になりがちですが、一人情シスでは手が回らない状況も多く、システムの安定稼働に支障をきたすケースもあります。

セキュリティ対策の難しさ

一人情シスはセキュリティ対策の難しさも課題です。システムは常に不正アクセスやランサムウェアによるサイバー攻撃の脅威にさらされており、ヒューマンエラーによる情報漏えいも起こり得ます。システムがロックまたは破壊されるとビジネスが停滞し、個人情報の漏えい事故が起こると高額訴訟や風評被害を招きかねません。

たったひとりでセキュリティ関連のリスクや事故に対応するには無理がある場合も多く、事業継続性の担保は一人情シスでは困難といえます。

業務が確実に属人化する

業務が属人化することも一人情シスの課題です。同じ業務の担当者と相談できないため専門知識を共有できず、ノウハウは企業に蓄積されません。情シス担当者が休職・退職すると障害復旧などに誰も対応できず、ビジネスが停滞する上、業務の引き継ぎも困難です。一人情シスに頼り切りになるのは大きなリスクとなる危険性もあるでしょう。

最新技術に対応しにくい

最新技術の導入が遅れがちになるのも一人情シスの課題です。サイバー攻撃とセキュリティ技術は「いたちごっこ」の様相を呈しており、ICTシステムの主流はクラウドサービスへ移行が進んでいます。

情シス担当者は業務の合間に最新技術を学び続ける必要がありますが、忙殺されて時間がなく、知識吸収の遅れが起こりがちです。しかし一人情シスに慣れた企業は、情シスでなければICTシステムの導入や運用保守に対応できません。最新技術動向に合わせてシステムをアップデートしにくいことは、重大な経営リスクになり得ます。

一人情シス問題の解決ならクラウド型サービスの活用が最適

情シス担当者を増やさずに一人情シス問題を解決するなら、管理の手間がかからない（業務負荷が小さい）ICTシステムに切り替えることが求められます。そこでまずフォーカスしたいのが、信頼性の高いクラウド型サービスです。ここでは、クラウド型サービスのメリットを生かした一人情シス問題の対策イメージを見ていきましょう。

保守管理やバックアップの手間がかからない

クラウド型サービスはサービス事業者が保守管理するシステムへインターネット経由でアクセスします。このため自社でサーバ資産を抱える必要がなく、システムのアップデートに合わせクライアントアプリを更新するだけで済むため、保守管理の手間を大幅に削減できるのは大きなメリットです。

サーバ・ネットワークの障害対応や定期的なリプレースも不要です。サービスが存続する限りデータは安全に保存され続けるため、バックアップの手間・コストもかかりません。

24時間365日の安定稼働が保証される

クラウド型サービスはベンダー（サービス事業者）が保守管理するため、24時間365日の安定稼働が保証されることもメリットです。ログ監視機能のあるサービスなら監視業務の手間も削減できます。管理コンソールの操作はインターネット経由でどこからでも対応できるため、情シス担当者が休日や深夜に出社する必要はありません。

セキュリティ対策の手間がかからない

クラウド型サービスはセキュリティ対策の手間・コストを削減できることもメリットです。ベンダーにとってサービスの信頼性は非常に重要であるため、多くのクラウド型サービスはセキュリティ対策にコスト投下を惜しみません。

例えばクラウドストレージなら保存データや通信データの暗号化、2要素認証やアンチウイルス機能などに標準対応し、サービスを利用すること自体がセキュリティ対策になります。最新のサイバー攻撃事情に合わせ、セキュリティ機能は随時アップデートされるため、新たなセキュリティリスクと対策のいたちごっこから脱却できるのもポイントです。

情シスはどのシステム・機能を活用するかを選定し、セキュリティホールがあればそこをピンポイントに対策するだけで済みます。

ユーザーサポートの手間を削減できる

ユーザーサポートの手間を削減できることもクラウド型サービスを利用するメリットです。操作方法やよくあるトラブルの相談は、各従業員がサービス事業者のサポート窓口を利用することで解決できるため、たった一人の情シス担当者に対応が殺到することがなくなります。

これにより情シス担当者はアカウント管理やセキュリティポリシー運用など、どのシステムでも必要な業務に集中できるようになるでしょう。

テレワークと親和性が高い

クラウド型サービスはテレワークと親和性が高いこともメリットです。インターネット経由なので時間や場所を選ばずアクセスでき、マルチデバイス対応のサービスならPCだけでなくスマホやタブレットでも利用できます。

オフィスや在宅勤務者の自宅、移動中の車内やカフェ、あるいは現場からアクセスしてもシステムの使い方は変わりません。これによりオフィス勤務者とテレワーカーを明確に区別する必要がなくなり、対応を簡略化できます。

一人情シスの課題解決に効くクラウド型サービスならイッツコム！

イッツコムはファイル管理やセキュリティ対策の手間を大幅削減できる「Box」、営業・マーケティングのICTツールを一本化できる「ホットプロファイル」、Web会議システムとビジネスチャットを一本化できる「Zoom」を提供しています。これらは全て管理の手間がかからず、一人情シス問題の解決に最適なツールです。

ファイル管理やセキュリティ対策の手間を大幅削減「Box」

ファイルサーバの管理やセキュリティ対策は業務負荷が大きく、またテレワーク環境には効率的なファイル共有システムが求められます。

そこで導入したいのが、容量無制限かつ高セキュアなクラウドストレージ「Box」です。あらゆるファイルを安全なクラウド上で一元管理できる上、自社でサーバ資産を持つ必要がないため、保守管理やリプレースの手間はかかりません。Boxは過去に大きなセキュリティ事故を起こしたことがなく、時間・場所・デバイスを問わず快適にアクセスできるのも魅力です。

7種類のアクセス権限設定や70種類以上のログ監視、保存データ・通信データの強力な暗号化や2要素認証などにも対応し、ファイル管理やセキュリティ対策にかかる労力・コストも大幅削減できます。50世代以上のバージョン管理にも対応し、バックアップの手間がかからないのも利点です。

イッツコムでBoxを契約すれば、利用回数無制限の日本語での電話・メールサポートに加え、トレーニング・セミナー開催・新機能紹介・利用状況レポートなどのカスタマーサクセスも無償で利用できます。有償で導入支援やデータ移行、API連携支援にも対応し、導入から運用中までワンストップでサポートできる点も、情シスの負担を軽減するために役立つでしょう。

営業・マーケティングのICTツール一本化なら「ホットプロファイル」

テレワーク環境では営業やマーケティングもICTツールを活用しますが、SFA（営業支援システム）やMA（マーケティングオートメーション）を個別に導入すると一人情シスの業務負荷は増大します。

そこで導入したいのが、名刺管理・SFA・MA一体型のクラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」です。名刺のスキャンやCSVファイルの読み込みだけで安全なクラウド上に顧客データベースを作成し、営業履歴も自動的に紐づけて共有できるため、管理の手間がかかりません。さらに顧客情報やWeb行動履歴と関連付けてメールマーケティングも一本化できます。

ホットプロファイルはNASAや米国国防省も採用するAWSのプラットフォーム上で提供されるため、セキュリティ面も安心です。通信データは自動的に暗号化される上、許可したIPアドレス以外からのアクセスをシャットアウトでき、セキュリティ関連の業務も簡略化可能です。

Web会議システムとビジネスチャットの一本化「Zoom」

テレワーク導入企業をはじめ、多くの企業でWeb会議システムやビジネスチャットを利用するケースが増えています。しかし導入するツールが多くなるほど一人情シスの業務負担を増やしてしまうのは懸念点です。

この課題をWeb会議システムとビジネスチャットを一本化できる「Zoom」が解決します。一般的に利用頻度の高いZoomミーティング機能の他に、「Zoom Chat」機能による、ミーティングとシームレスに行き来できるビジネスチャットを利用可能です。

無料版Zoomはミーティングの40分制限があり、強制切断の悩みなどが一人情シスに寄せられる懸念もありますが、有料版Zoomなら実質無制限（30時間/1回）で利用できます。

有料アカウントが必要なのはホスト（主催者）のみで、その他の参加者は無料アカウントでよく、操作方法が変わることもありません。ホストは有料アカウントに紐づく無料アカウントを一元管理でき、組織内のセキュリティ設定を統一することができます。

イッツコムなら日本語の電話・メールサポート込みの有料版Zoomを1ライセンスから利用可能です。管理者向け・ユーザー向け各種マニュアルも整備しているほか、請求書払いにも対応しています。まずは1カ月の無料トライアルで使用感をお試しください。

3つのICTツールを活用して情シスの業務負担を軽減！

Box・ホットプロファイル・Zoom、それぞれの特徴を生かし、連携することで業務の効率化も図れます。どのツールもITリテラシーの低い従業員でも感覚的に使いこなせるため、ツールの使い方や運用の仕方などに関して情シスに頼ることもなくなるでしょう。

また、イッツコムならサポート体制も充実しています。管理者のみならず、実際にツールを使用するユーザーからもお問い合わせいただけるので、一人情シスの負担を軽減することができます。

（参考：『Smart Biz Pack』）

まとめ

一人情シスは多種多様なICTサービスの管理やヘルプデスク業務などを一手に担い、過剰な業務負荷に悩まされやすい状態です。情シス担当者を増員せずにICTサービスを最大限に活用するなら、管理の手間がかからない信頼性の高いクラウド型サービスに乗り換えましょう。

イッツコムは関連サービスを一本化できる「Box」「ホットプロファイル」「Zoom」を提供しており、「Smart Biz Pack」なら3つのサービスをお得なセット価格で提供できます。一人情シス問題の解決をお求めなら、信頼性の高いクラウド型サービスにより、最小のコストと業務負荷で最大のパフォーマンスを発揮できるイッツコムにご相談ください。