2022.12.11
# 不動産

日本は都合がいい…ここにきて中国人が「箱根」温泉旅館の買収に殺到している本当のワケ

熱海・草津にも

前編記事「中国人富裕層による「熱海」「箱根」の旅館の買い占めが始まる…質の低下が懸念される温泉街の未来」では中国の富裕層による日本の温泉地の買収と、その問題を紹介した。この後編記事では温泉街の買収の狙いについて詳しく解説していく。

「5億円、キャッシュで」

箱根の住民が不安がるのも無理はない。中国資本の進出によって、様々なトラブルが発生し、温泉地のイメージが下がることは往々にしてあるからだ。

中国メディア作成の日本の温泉地ランキングで幾度となく1位に輝いているのが、日本三名泉にも数えられる、群馬県吾妻郡にある草津温泉だ。アクセスの良さこそ熱海や箱根に譲るが、四季折々の景観と殺菌性の高い泉質が、中国人にも魅力的に映るという。

Photo by iStock

そんな草津も、ここ最近になって中国人による購入の問い合わせが殺到していると、同地の不動産仲介業者は語る。

「草津町長と元町議との間で起きた騒動のせいで、日本人の買い手に敬遠されているのが大きいです。そのため、人気の伊豆エリアと比べると掘り出し物の温泉旅館も多く、中国人が殺到しています」

 

中国人の中には、電話越しに「5億円くらいならキャッシュですぐに用意できる。小規模でもいいから、木造の和風建築で庭付きの温泉旅館を売ってほしい」と必死に話す者もいるという。だが、この投資熱は草津の住民にとっては恐怖でしかないと、旅館の日本人オーナーは嘆く。

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