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紅白でも演歌は減少傾向。「懐メロJ-POP」が演歌的存在になる未来がくるか

世界的にも「懐かしの映画や音楽」がトレンドに

 では、かつての演歌のようにJ-POPが長きに渡って紅白を支える存在となれるのでしょうか?    これを考える鍵となりそうなのが世界的なノスタルジアのトレンドです。たとえば、映画『トップガンマーヴェリック』が大ヒットし、米ドラマ『ストレンジャー・シングス』で起用されたケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」(1985年)がチャートのトップ10にランクインする。そして、80歳のポール・マッカートニーがいまだにグラストンベリー・フェスティバルでトリを務める。  60年代から80年代に人気だったものが、いまだに大きな価値を持っているのですね。背景には、これらのコンテンツがネットもサブスクもない時代に生まれたものであったとの指摘があります。  皆がテレビやラジオで同じものを見聞きして、翌日学校や職場でああでもないこうでもないと喋る。そうしてエンタメが共通の話題として機能していたのが90年代半ばごろまでなのではないか。

“誰もが知っている”音楽がない時代。問われる紅白の存在意義

 ところが、ネットの普及、再生機器や媒体の多様化によって、個々人の趣味が急速に細分化していきます。コンテンツの数量自体が増えるほどに、かえって“誰もが知っている”作品の数が減ってしまった、という分析ですね。  もちろん、この見立て自体は目新しいものではありませんので、何を今さらと思う人もいることでしょう。けれども、もっと大きな困難はそれが一過性の出来事ではないという点なのかもしれません。しばらくの間は趣味や嗜好がバラけた世の中が続いてしまうのだろうと。  そうした社会において紅白も存在意義が問われているのだと思います。
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80〜90年代のスターで盛り上がれるうちは良いが…

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