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家焼肉が劇的にレベルアップ!肉の専門家が教える3つのポイントとは【中川淳一郎の「今も飲んでいます」第十回】

中川淳一郎さんの連載、今回のテーマは「家焼肉」。家焼肉をするときのコツを、ベストセラー『大人の肉ドリル:家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ』著者の松浦達也さんにご指導いただきます。家焼肉と言えばフライパンを使うか否か、がまず大きな問題ですが、匂いや床の汚れ対策をしつつ、カセットコンロ専用機を使用するのが得策です。そしてメインの材料であるお肉は、ぜひとも「専門店」で買いましょう!そして、「タレ」は市販のものでなく、肉屋さんで買うか、自作が吉!では、良い家焼肉ライフを!(上野のグルメ焼肉

家焼肉が劇的にレベルアップ!肉の専門家が教える3つのポイントとは【中川淳一郎の「今も飲んでいます」第十回】

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焼肉とは不思議な食べ物で、一度最上の店を経験してしまうと、それ以下の店にあまり行く気がなくなってしまうものである。

 

しかし定期的に食べたくなる食べ物でもある。自分にとって最上の店に行くにも超人気店になってしまっており、予約がなかなかとりづらかったりし、結局足が遠のいていく。それでも別の焼肉店で妥協すると「う~ん、アノ店とは違う……」となる。それでいて、ビールを飲み、数枚頼むと簡単に5,000円ぐらいに到達してしまう高級品でもある。

 

家でやろうと思っても、小学生の頃、ホットプレートでやったあの焼肉を思い出し、「正直そこまでウマくはないよな……」とまた思ってしまう。焼肉食べたいけどあんまりお金払いたくない。

 

でも、ウチでやろうにも、ホットプレート焼肉はおいしくない。だったらビーフカレーでも食べておいた方がよくなってしまう。

 

そこでひらめいた! 

ベストセラー『大人の肉ドリル:家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ』。

 

著者の松浦達也さんに、家でおいしく焼肉を食べる方法を教えてもらおう!

松浦さんは、宮崎牛を一頭買ってきては皆でバーベキューをしたり、様々なメディアで「おいしく肉を焼く方法」とかを教えてくれている先生でもあるのだ。

 

と同時に、2001年、オレがライターになったばかりの頃、一緒に何度も編集部で徹夜をしたライターとしての「先生」でもある。

 

 

家で焼肉を作る3つのポイント 

中川:松浦さん! おいしい家焼肉の作り方を教えてください!

 

松浦:おっ! いいよ! なになに? 中川は家で食べる焼肉をおいしいと思ったことがないの?

 

中川:はい、そうなんですよ。でも、最近突然「タン塩食いてぇ~」とか思うことが増えているんですが、大抵美味しい店は「満席です」なんて言われてしまう。だったらめんどくせぇ、家でおいしく作る方法ないかな、なんて思いましてね。

 

松浦:よし、家で焼肉を作るのであれば、ポイントは3つ

一つ目は【専用機はやっぱり偉大】ということ。

焼肉食うなら、やっぱり専用機が圧倒的においしい。全面鉄板のホットプレートだとおいしく焼けません。というわけで、カセットコンロ専用機が使えると最高だね。7,000円くらいの出費で一生モノになるよ!

 

二つ目は【肉を買う店を選ぼう】。

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とりわけホルモンが充実してる精肉店がいい。そういう店は、タンやハラミといった市場で内臓扱いされる人気の部位も扱ってるし、芝浦の食肉市場などでいい肉を仕入れている。たとえば上野あたりだと「上野肉店」(和牛ホルモン専門卸)とその2軒隣にも「梁川食肉販売」という生ホルモンを扱う店がある。ほかにも武蔵小山の「みやこ屋」戸越銀座の「アサノミート」聖蹟桜ヶ丘の「平澤商店」とか、神奈川ならアトレ川崎に入ってるニュー・クイックのホルモン売場もいいよね。探せば生ホルモンを扱っている店って結構ある。まずは家の近場の良い肉屋を開拓しておくといいと思う!

 

三つ目は【タレは肉屋で買おう】or【タレは作ろう】だね。

ホットプレート向けの市販のタレは店焼肉と家焼肉を決定的に違うものにしてしまう一因。どんな肉でもそこそこ食べられるよう、味を強くしすぎてる。さっき挙げたような精肉店で、自家製ダレなどを売っていればそちらがおすすめ。焼肉店だって、タレは自分のお店で作っているよね。

 

家焼肉がいいのは、自由なところ。超うまい肉を出す店では、焼く順番とか、焼き方に店からの"指導"が入ったりするよね。もちろんそれは「おいしく食べてね」という気持ちのあらわれだからいいんだけど、「自由に焼かせてくれよ」という気分になることもある。家焼肉なら誰に気兼ねすることもなく焼ける。いい肉屋とちょっとの機材で、家の焼肉は格段にレベルアップします!

 

 

松浦先生流のおいしい作り方

オレは、松浦先生がオススメしてくれたカセットコンロ専用機を4,027円払って購入した。なお、当記事の最後には、現在の日本の「家焼肉」が抱える問題点を松浦先生に熱弁をふるってもらった。そちらも是非ともご覧ください。

 

まずはおいしい作り方からだね!

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松浦さん指定の東上野へ。焼肉店やキムチ店、精肉店が並ぶ

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松浦さんがすでに精肉店に予約をしてくれているので、オレは一足早く近くの居酒屋(カウンターは外!)でビールと大根の煮たのを食べながら待つ。

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これが今日肉を買う「上野肉店」!

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こんな感じで売ってます。この後すぐ近くの「梁川食肉販売」で豚のホルモンを買いました。

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近くのキムチ店でもキムチ購入!

 

この時の使ったお金を見て見ましょう。6人分です。一人平均300g以上の肉を食べる予定です。

◆上野肉店 

 ハラミ:739円(100g280円×264g)

特上ミノ:1,332円(490円×272g)

特上タン:911円(490円×186g)

にこみ大腸:572円(210円×266g)

牛小腸:675円(200円×286g)

上カルビ:675円(200円×286g)

焼肉タレ:300円

 

◆梁川食肉販売 

牛ハツ:159円(108円×148g)

センマイ:279円(150円×186g)

豚コブクロ:157円(108円×146g)

 

 

◆まるきん

すりごま:220円

サンチュパック:220円

 

 

◆キムチ店

白菜キムチ(大量に買い過ぎた!)&キュウリの水キムチ:2,000円

 

【合計】肉(5,799円)+キムチ(2,000円)+その他もろもろ(440円)=8,239円

 

家焼肉開始!

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 塩ダレ作りです。長ネギをみじん切りにします。

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 買ってきた肉をズラリと並べてみた

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小袋の処理を開始した

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師匠である松浦さんが「よしよし、お前もここまでよく頑張った」とねぎらいのことばをかけてくれた。

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さぁ、塩ダレが完成!

中身はネギ、ゴマ油、岩塩擦ったやつ、炒りゴマ、胡椒、アルコール分を飛ばしたミリン(本当は日本酒とのブレンドがいいらしい)、酢ほんの少し

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小袋は切り、ここまで小さくしました。

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小腸

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大腸

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小腸を切りました

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小袋にゴマ油をかけ、風味をつけます

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はい! 塩味で食べる肉類をお皿に並べました!

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こちらはタレで食べる方です!

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ジャジャーン! 専用グリル登場!

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白菜キムチです。

松浦さんに元々「野菜はいらないんですか?」と聞いたら、「かぼちゃとかピーマンを焼くのは、スペースを取るし上手に焼くのは難しい。野菜が欲しいなら、キムチやサンチュがいいよ、とのことで、大量にキムチ購入です!

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編集者・ライターの漆原直行さんは白米大好き。パックご飯を両手に歓喜です!

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フリー素材モデルとして大活躍の大川竜弥さん、さすがの表情です

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集合写真! 肉も大量です

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タン塩等の塩味のものには、やはり柑橘系の汁が必要でしょう。たまたまスダチをたくさんいただいていたので、今宵はこれを使うとします

 

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どんな順番で焼きはじめればいいのか?

ここで、松浦さんに「ど、どんな順番で焼きはじめればいいのでしょうかぁ……」と聞いたところ「家でさぁ、そんなかたっくるしいこと言わなくていいじゃん。好きなものからやればいいよ」と言われました。とはいっても「お任せします」。

そこで松浦さんが最初に言ったのは「新品のロースターだから、脂をなじませるところから始めたいよね、だったら小腸かタンあたりの脂が多い部位から焼くのが安全かな…」とのこと。

この順番で行きます! あとはテキトーに。

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 まずは、ミノに塩ダレをまぶし、塩ダレの脂分を網の表面になすりつけていきます

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ミノが並びました!

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ご飯と漆原さん。塩ダレだけでご飯をワシワシと食べ進めます。f:id:g-gourmedia:20151104135824j:plain

ミノが焼けてきました! いい感じの焦げ目ですね

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うぎゃっ、このロースター、脂に炎がつく! 本格的風だぞ!

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来ました、高級タン! 塩ダレが絶対に合うぞ、これは!

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いやぁ、ウマい! 店と比べてもまったく遜色ない!

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大川さんもタンに感激

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 続いてはハツ! これもウマい。タレでもおいしいだろうなぁ…

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はい、ようやく小袋が並びました

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 いよいよ焼けてきました!

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 ビールが進む、進む!

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 そろそろタレへ。まずはカルビ!

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 あまりのおいしさにポポポポーン!

 

「家焼肉」が抱える問題点を松浦先生に熱弁をふるってもらった

「家焼肉」に関し、これまで考えてきたことを漆原さん・中川二人で聞いてきました。

 

中川:今日はありがとうございました。本当においしかったです!

 

松浦:みんなよく食べたよね(笑)。

でもそもそも論なんだけど、世の中の人は家でおいしいお肉を本当に食べたいと思ってるのかな…。

実は、今回「家でおいしい焼肉を食べたい」という話を貰って改めて考えたんだけど、家焼肉と外焼肉はあまりに違う。ごちそうとしての"おいしい焼肉"は「外で食べるもの」という認識を持っている人が多いのかと思ってたけど、家でもちゃんと食べたいというニーズがあることにビックリして…。だって「ごちそう」というには、家庭の"焼肉"は雑過ぎる。むしろあれはラクをしたいがための手抜き料理とすら言えそうだもの…。

 

漆原:すべてのおうちごはんに共通しますよね。簡単に済まそうとおもえば簡単に済ませられる。冷凍食品、コンビニもそれなりにおいしい。しかし、思うに、肉ってホットプレート出すとか道具使ったりするよね。ニオい出るよね、ということが敬遠されているのでは。

 

松浦:日本で、焼肉が家庭料理として定着したのは高度成長期以降のこと。まだ歴史が浅いんです。エバラの「焼肉のたれ」の発売は1968年だし、モランボンの「ジャン」なんて1979年の発売。家庭料理としての焼肉って、ヘンな形で外食から家庭に持ち込まれてしまった残念な料理なんですよ。おまけに、そこいらのスーパーだと肉の質はどうしたって焼肉店には及ばない。いい肉は誰が焼いても、そこそこおいしいけど、安い肉だとそうはいかないから、ますます肉の格差は広がっちゃう。

 

中川:ホットプレートでやるんだったら、正直、フライパンでサッと炒めて大皿に盛って各自焼肉のタレをかけてもいいような気がするんですよね。

 

松浦:そう! 実は焼肉ってある種の「火加減のムラ」が大切で、表面に焼き目をつけながら内部にやさしく火を入れたい。だからスリットの入った焼肉プレートがいいんだよね。ホットプレートってお好み焼きのように「一定の火加減」で「全面を均一」に「じっくり焼く」ものにはいいけど、焼肉には不向き。火力も足りないし、脂がプレート上に溜まって、「油煮」みたいになっちゃう。

 

中川:たとえば、トンカツとかも、家でやるよりも外の方がおいしいのが食べられるかもしれない。でも、家だったらロースとヒレを両方食べられるとか、野菜のてんぷらを一緒に作ってしまうとか、のメリットはあるわけですよ。そんな中、「家焼肉」にメリットはあるのだろうか――。

 

漆原:自分たちのペースで、好きに選んだ肉を、好きな順番で、好きなように焼いて食べられる、とか。コスト的なものも含めてメリットがあるのでは?

 

松浦:完全にコストの問題ですよね。トンカツと焼肉って、家庭用のレシピが更新されていない肉料理の両巨頭。ごちそう感に目がくらんで、おいしく作るということに意識が向けられてこなかった。

 

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漆原:焼肉自体、祭事なんだと思うんですよ。家で肉を食べるというのはイベントごとであり、節目であり、今月も頑張るぞという景気づけであり……みたいなことで、同じ「肉」でも生姜焼きとは違って別の意味づけがあるってことですね。

 

松浦:そうなんですよ。祭事だから、ふだん料理もしない上司や父親が鉄板にぶちまけていいという、悪しき風習が広まってしまった。日本の縦社会や家長制度の悪いところが鉄板の上に持ち込まれてしまっているんです。焼肉という食べ物・食べ方が成熟しているのであれば、外で食べたおいしい焼肉を家で再現しようという気運がもっと高まってもおかしくないのにそうはならない。家庭料理として成熟した料理って「山田のお母さんのカレーうまいよね」、「佐藤ん家のからあげ最高!」というふうに、家々の味がある。でも焼肉はヘンな形で家の中に入り込んで、そのまま居座っている。

 

中川:ここ何十年もCMでホットプレートで焼く焼肉の姿が流され続けてきたことも影響しているのではないでしょうか。

 

松浦:あるかも。もともと日本には肉料理の文化がないことに加えて、流されやすい国民性だから、CMのように世間の大勢に見えるものに引きずられたという解釈はできるよね。正解もわからないから、肉を家で焼いたら「焼肉」ってことになって、焼き方にまで深化しないうちに声のデカイ人――上司や父親の言うことやCM映像が正しいことかのように伝播していってしまった。

 

焼肉の不幸なところは、網や鉄板の上に調理能力とは何ら関係ない、日常の力関係が持ち込まれてしまったこと。関西のほうのすき焼きでは、肉は家長が焼いて家族は正座して待つというような風習がある地域もあるけど、あれは連綿と受け継がれてきた「うまい焼き方」も伴っているから家長が焼く意味がある。

 

ところが焼肉は、正解がないところにイメージだけが刷り込まれて、ホットプレートに既成品のタレという組み合わせがいつの間に家庭の定番になってしまった。米は炊くし、味噌汁のだしもひく。でも焼肉のタレは既成品。すき焼き鍋はある、関西の家ならたこ焼き器もある、でも焼肉はホットプレート。そんなつもりもないのに、不幸な思考停止に陥ってしまっている。

 

家の財布のサイズとか色々な事情があるのは当たり前だけど、焼肉が"ハレのごちそう"だとするなら、家焼肉でも改善できる部分はいくらでもある。

「金はない。でももっとうまい肉を食うぞ」という気概があれば、家の焼肉はもっとうまくなる。今日の肉代なんて、一人1,000円切ってるでしょ? 買い物から調理までの基本的なメソッドがないまま、肉焼きの技術の底上げがなされず、工夫の仕方もわからないから家焼肉が残念なもののままで据え置かれていたんだと思う。

 

家庭での「ホットプレート焼肉」を別の名前にすればよかったのかもしれないよね。焼き野菜なんか象徴的で、あれは「手抜きはしたいけど、野菜は摂らなくちゃ」といういろんな思惑が入り混じった最悪の例。そもそも野菜によって火の通り方はまちまちだし、肉と同時に野菜をプレートに乗せたら、忘れ去られて焦がされちゃうのがオチ。火を通すのが難しいものが一定面積を占有する、というのは理にかなっていない。栄養のことを考えても、プレート上で焼いた野菜で量なんか摂れないよ。「ココに乗せられなければ君たちはもっと幸せな人生だったのに……」としみじみ思う。野菜は別の食べ方をすべきだよ。今日はキムチとサンチュを買ったけど、サラダとかおひたしくらいは作ってもいいと思う。

 

日本人の焼肉リテラシーは、上がっていないよね。焼肉って国民的な人気メニューになってからまだ50年も経っていない、新しい料理だからもっとバリエーションができていいはずなんだけど、「焼く」という言葉に押し込められて料理の幅が広がっていない。外食にしても、70年代創業の老舗店が、40年間ずっとごちそう焼肉のベンチマークでい続けている。これほど長くポジションの変わらない巨大外食チェーンって他のジャンルではなかなか見ないよね。

 

漆原:ファミレスだったらデニーズあたりは、そのベンチマークとして残っているかもしれないけどね。でも、ロイヤルホストが高級志向に進んだり、日本のファミレスの先駆けだったすかいらーくが店舗としては消滅して、ガストやジョナサンに替わったり。総じて、飲食業は移り変わりが激しいですから。

 

松浦:食べ物のあり様はこの20年くらいで劇的に変わったよね。ハンバーガーにしても。

 

中川:外焼肉と家焼肉ってインスタントラーメンとラーメンの違いみたいな違いがありましたよね。ただ、今日の焼肉は圧倒的にウマかった!

 

松浦:料理って突き詰めると、愛情や理屈を含めた「知識」と経験や道具も踏まえた「技術」に行き着くけど、ホットプレート焼肉には何も込められていない。あるのは「焼肉」という響きにともなうスペシャル感だけ。中川は今日美味しかったといったけど、変えたのは肉とタレを専門店で買って、イワタニのロースターを導入しただけだよね。たったそれだけで家焼肉はこんなに変わる。仕上がりの違いを知らないとなかなか踏み切れないかもしれないけど、あとはどれだけ本気で「ウマい焼肉を家族にふるまうぞ!」と考えるか、その気概次第だと思います。

 

中川: いやぁ、先生、どうもありがとうございました! 今度は換気扇の下にロースターを置いて、ササッとタン塩とか作ってしまおうかと思います。

 

松浦:そ、その「先生」プレイ、そろそろやめようよ…。ともあれこれからも素敵な家焼肉ライフを! 

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この日はセンマイも買っていたのですが、さすがに多いかな、と後日食べることにしたのですが、「白センマイ」を作ろうと、タワシで表面をこすり、白くしていきます。これを30分ほど茹でました。

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センマイと、松浦さん直伝のネギ塩ダレです!

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この2つをまぶした。ウマい!

 

著者:中川淳一郎(なかがわ じゅんいちろう)

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ライター、編集者、PRプランナー

1973年生まれ。東京都立川市出身。
一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々な、ネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。割と頻繁に物議を醸す、無遠慮で本質を突いた物言いに定評がある。ビール党で、水以上の頻度でサッポロ黒ラベルを飲む。

 

前回までの「今も飲んでいます」はこちら。 

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