JR名古屋駅で、12月16日まで「バーチャル名古屋駅」が体験できるという。だが、リアルの名古屋駅でバーチャル名古屋駅って、どういうこと? どんな体験ができるのだろう。行ってみた。

バーチャル名古屋駅を体験する記者。12月16日まで体験会が開かれている=名古屋市、JR名古屋駅

体験会場はコンコース

 体験会場は、駅利用者が行き交う名古屋駅のコンコースに開設されていた。インターネット上の仮想空間「メタバース」で18日まで開いている「バーチャルマーケット2022 Winter」(主催・HIKKY)が、名古屋、札幌、フランス・パリを仮想空間上の舞台にしているため、名古屋が拠点のJR東海グループも初出展。期間限定のバーチャル名古屋駅を創り出した。VR(仮想現実)ゴーグルなどの専用機器を持っていれば自宅にいてもバーチャル名古屋駅に入れるが、機器を持っていない人も楽しめるよう、リアル名古屋駅に体験会場を設けたというわけだ。

 記者も体験してみる。だが、すでにリアル名古屋駅にいる。リアルを前にして、バーチャルで楽しむほどの価値があるのだろうか。ところが、そこは〝仮想現実〟の世界。リアルにはない空間が広がっていた。

バーチャル名古屋駅前を映した体験会場のモニター

織田信長にひつまぶし

 VRゴーグルを装着し、コントローラーを手にして、いざバーチャル名古屋駅へ。自動券売機や改札、案内板など、駅構内はかなり細かく再現されている。待ち合わせスポットの「金時計」前には、クリスマスツリーと「JRで飛騨へ」の広告垂れ幕。さらに進むと、織田信長がいた。戦国ゲーム「信長の野望」のPRブースで、仮想空間上の自分の分身「アバター」と記念撮影できる。

バーチャル名古屋駅の「ひつまぶし」

 バーチャル名古屋駅のコンコースには「なごやめし」のブースも。ひつまぶし御膳が置いてあったので、それを抱えて改札内へ。リアルではなかなかできない〝荒技〟だ。エスカレーターを登っていくと、体がふわりと浮くような感じがした。特に椅子に仕掛けがしてあるわけではない。VR特有の感覚という。

ドクターイエローに乗車可

 ホームに出ると、東海道新幹線が行き来していた。ドクターイエローも来た。黄色いこの車両は現実社会では乗車できないが、バーチャル名古屋駅では乗れるようだ。ホームには、新幹線で車内販売されているアイスクリームの自動販売機も。名古屋駅名物の「名代きしめん 住よし」らしき店もあった。