持続可能な調達の推進

持続可能な調達のための
基本方針

「良い商品は、良い原料からしか生まれない」という原料に対する強いこだわりを持っています。しかし今や品質だけではなく、環境や人権に与える影響にも配慮する必要があります。このことをお取引先と一緒に取り組むことが、持続可能性を高め、良い原料を調達できることにつながると考えます。

  • 1 法令を遵守し、国際的なルール・慣行にも配慮した取引を行うとともに、腐敗行為の防止を徹底する。
  • 2 公正で誠実な取引を行うとともに、機密情報や知的財産を適切に管理する。
  • 3 人権を擁護し、差別的な言動や非人道的な扱いを行わず、また人権侵害に加担しない。
  • 4 従業員の労働者としての権利を尊重し、適切な労働慣行と安全で衛生的な職場環境を確保する。
  • 5 地域と地球環境の汚染と破壊を防止するため、資源の持続可能な利用に努める。
  • 6 安全で高品質な原料を持続的に利用できるように、生態系への影響も考慮した管理を行う。
  • 7 原料を生産する地域社会が持続可能になるよう、積極的に貢献する。
  • 8 上記に関して、自社のお取引先にも同様の配慮をお願いする。
  • 9 上記に関して、適時・適切な情報開示を行う。

キユーピーグループのサプライヤーガイドライン

「キユーピーグループの持続可能な調達のための基本⽅針」の実現に向けて、キユーピーグループの調達先である⼤切なお取引先(お取引先を含めたサプライヤー全体を指します)へお願いすることとして「キユーピーグループのサプライヤーガイドライン」を定めます。本ガイドラインをもって相互理解のもと、サプライチェーンにおけるさまざまな課題解決を⾏い、持続可能な調達およびお取引先との共存共栄をめざします。

鶏卵の調達に関する考え方と取り組み

基本的な考え方

キユーピーグループは、品質や環境に及ぼす影響や人権への配慮とともに、採卵鶏のアニマルウェルフェアを持続可能な鶏卵の生産や調達における重要課題と認識しています。
キユーピーグループは、国際獣疫事務局(OIE)が示したアニマルウェルフェアの基本原則「5つの自由」に賛同し、その原則に沿った採卵鶏の飼養が重要であると考えます。また、鶏卵をビジネスの源として利用しているからこそ、採卵鶏の命の尊厳についても適切な配慮をするべきであると考えます。

アニマルウェルフェアの基本原則「5つの自由」

  • 飢え、渇き及び栄養不良からの自由
  • 恐怖及び苦悩からの自由
  • 物理的、熱の不快さからの自由
  • 苦痛、傷害及び疾病からの自由
  • 正常な行動様式を発現する自由

取り組みについて

日本国内でキユーピーグループが調達している鶏卵は、農林水産省が普及に努める『アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針』※1に即して飼養された鶏の卵であることを確認しています。
また、ケージフリー飼養※2による鶏卵を活用した商品を開発・製造販売しており、お客様のニーズや価格受容性を把握しながら商品の育成を進めています。
日本における持続可能な採卵鶏の飼養管理のあり方を行政や養鶏に関わるサプライチェーンのパートナー、ならびに学識経験者・有識者、NGO・NPOなどの関係者と議論・連携しながら、キユーピーグループにおけるアニマルウェルフェア向上への取り組みを進めています。
なお、海外においては、各国・地域の基準や社会環境に即して飼養された鶏卵の調達を行っています。※3

※1公益社団法人 畜産技術協会による『アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針』第5版(令和2年3月)

※2いわゆる平飼いなどの飼養方法
なお、前出の『アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏の飼養管理指針』では、アニマルウェルフェアへの対応において、最も重視されるべきは、施設の構造や設備の状況ではなく、日々の家畜の観察や記録、家畜の丁寧な取り扱い、良質な飼料や水の給与等の適正な飼養管理により、家畜が健康であることであり、そのことを関係者が十分認識して、その推進を図っていく必要がある、とされています。

※3米国内での事業における鶏卵調達の取り組みは、以下のリンクをご参照下さい。

持続可能な野菜の調達

キユーピーグループでは、主に国産野菜を原料としてサラダ・惣菜を提供しています。そのため野菜の原料調達は事業継続において重要と認識しています。持続可能なキユーピーグループの野菜調達と調達先の持続的成長・発展をめざすために生産者の皆様とコミュニケーションを図りながら進めていきます。

取り組みについて

循環型農業の構築

サラダクラブでは、パッケージサラダを製造する際に直営7工場で発生する野菜の外葉や芯などの未利用部を堆肥や飼料として契約農家などで活用いただく取り組みを行っています。
契約農家にとっても、安価な国産堆肥が手に入るとともに、有機堆肥の使用は地球環境負荷を最低限にできるメリットもあります。野菜未利用部で作られた堆肥を使って野菜を栽培し、商品を製造することで資源を無駄にしない循環プロセスを構築することができました。
今後も循環型農業の構築に向けて、全直営工場の野菜廃棄物ゼロ化の達成をめざしていきます。

契約産地での堆肥散布の様子

サラダクラブによる産地表彰式

サラダクラブで取り扱う野菜は、生産者との顔が見える関係を基本に、全国約400の契約産地との「契約取引」で調達しています。「契約取引」は、一定価格で安定した原料調達が行えるだけでなく、生産者にとっては、安定的な収入を基盤に戦略的投資が行えるというメリットがあります。
安全・安心な原料の調達の一環として、圃場に工場メンバーや原資材メンバーが定期的に訪問しています。また生産者には工場見学への参加、他には収穫応援や工場研修、バーベキューの開催など積極的に産地農家との交流を図っています。
毎年4月には、生産者の皆さまに感謝の想いを伝えることを目的に「Grower of Salad Club (グロワー・オブ・サラダクラブ)」として契約産地を表彰しています。主要原料を対象に品位の評価を行い、契約産地の中から「最優秀賞」「優秀賞」「特別賞」として表彰しています。
一方で生産者をパートナーとして循環型農業の構築も行っています。パッケージサラダの製造過程で発生する野菜未利用部を工場内で飼料や肥料にし、肥料は農産地で使用してもらうなど、つながりを広げています。

産地表彰式「Grower of Salad club 2022」の様子 産地表彰式「Grower of Salad club 2022」の様子

持続可能なパーム油の調達

パーム油は熱帯地域で栽培されるアブラヤシから得られる植物油ですが、その農場を開発するための熱帯林の大規模な伐採や、農場労働者の人権などで課題があることが指摘されています。
こうした問題がある原料を使わないようにするために、また課題の解決に貢献するために、キユーピーグループは、2018年1月に策定した「キユーピーグループの持続可能な調達のための基本方針」に基づき、2018年7月、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に加盟し、今後、弊社グループの持続可能なパーム油の調達に取り組んでいきます。

取り組みについて

2019年にキユーピーグループで調達するパーム油についてRSPOのブックアンドクレーム方式※1による認証クレジットの購入を開始しました。2021年までにキユーピーグループで調達するすべてのパーム油について認証クレジットの購入を完了させるという目標に対して、ほぼ完了しました。2022年においてブックアンドクレーム方式とマスバランス方式※2での認証油の調達に向けて取り組んでいます。

※1 ブックアンドクレーム方式

RSPOにより認証された生産者が生産した認証油に、認証クレジット(証券)を発行。
その認証クレジットを購入することで、認証パーム油の生産者を支援する仕組み。

※2 マスバランス方式

認証パーム油が製造・流通過程で他の非認証パーム油と混合される認証モデル。
物理的には非認証油も含んでいるが、認証農園から供給された認証パーム油の量は保証される。

持続可能な紙の調達

原料調達過程で新規の森林破壊に関与せず、原木生産地の法令および国際的な人権基準を守り、適切な手続きによって生産された事業者より紙・紙製品を調達することに取り組みます。
そのため、森林認証紙(FSC®認証等)を基本に、再生紙、また取引先によって新規の森林破壊や人権侵害への関与がない原材料から作られていることを確認した紙・紙製品の調達をめざします。

責任ある管理をされた森林と、限りある森林資源を将来にわたって使い続けられるよう適切に調達された林産物に対する国際森林認証制度。

取り組みについて

FSC認証紙の使用

ベビーフードの『にこにこボックス』シリーズは、2019年3月よりFSC®認証紙の使用を開始しました。さらに箱の設計を変更し、トレーやパペットになる新たな機能を付けることで、食育の1つである楽しい食体験の提供と同時に紙の大切さをお伝えしています(FSC® N002978)。

トレー:片手で2カップを安定して持てる、パペット:パッケージの動物をパクパクさせ、赤ちゃんに噛むことを促すことが出来ます。

トレー:片手で2カップを安定して持てる、パペット:パッケージの動物をパクパクさせ、赤ちゃんに噛むことを促すことが出来ます。

段ボール構造の工夫

段ボール構造を工夫し強度を維持しながら薄くすることで紙使用量の削減を進めています。

ダンボールの構造の工夫
パレット積付け方式の工夫

主力のマヨネーズ商品において、輸送時のパレット積付け方式の変更を行いました。段ボールの特性を活かした積付け方式を採用することで材質低減を進め、古紙材料削減による環境負荷低減を実現しました。これにより段ボールの使用量を年間約590トン削減しました。

パレット積付け方式の工夫

カートン形状の工夫

アヲハタでは、55ジャムUD150シリーズ・カロリーハーフシリーズに「シェルフレディーパッケージ」を採用しました。
店頭でのカートン開封や陳列作業の省力化・時間短縮に加え、カートン形状の工夫によって使用材料削減による環境負荷低減を実現しました。

改良前と改良後の比較

カートン削減量   約56トン/年
CO2削減量      約34トン/年

パッケージの省資源の取り組み

「アヲハタ 55ジャム」(小容量)カートン

カートンのフラップ寸法の変更を実施しました。結果、年間約14トンの省資源となり、段ボールメーカーの二酸化炭素排出量を11トン-CO2/年削減しました。

2015年から開始

同時に、簡単に開封・陳列できる「パカっとカートン」を採用し、店頭での作業改善を行いました。

アヲハタによる果実生産者との取り組み

キユーピーグループで使用する果実の原料産地は、時代とともに世界各地に広がっています。
「農産加工品の美味しさは、その原料によって7割が決まる」という考え方に基づき、生産者との信頼関係構築と、栽培技術の研究を進めながら高品質原料の安定確保に努めています。

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