SMBCグループ

藤森 征也

リスク管理部門

リスク統括部

副部長

1996年 入行

Prologue

金融ビジネスを営むうえで付随するさまざまなリスクを的確にコントロールし、SMBCの成長を支えるリスク統括部。昨今では、グループを横断したリスク管理体制の構築や、国際金融規制への対応など、その役割は以前にも増して大きくなっている。 「リスク管理の魅力は正々堂々としたところ」と語るベテラン行員が、20年のキャリアを振り返り想うこととは—。

※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。部門名は取材当時のものと異なる場合があります。

Mission私の考える
リスクマネジメントは、 挑戦を前提としている。

金融業を取り巻くさまざまなリスクを評価・計量化し、SMBCの成長を支えることがリスク統括部の使命です。例えば、市場営業部門が行う市場取引に対して「為替取引はここまで攻めてもいい」とか「株取引での最大損失はここまで」といったルールを策定するなど、事業展開のベースをつくる役割を担っています。例に挙げたのは「市場リスク」と呼ばれる分野になりますが、この他にも「信用リスク」「オペレーショナルリスク」など多岐に渡るリスクを扱い、各部門の挑戦を縁の下で支えています。 そのなかで私は、SMBCが理想的な成長を続けていくためのSMBCの意思決定は、ときにを持ちます。そのため、SMBCがどのようにリスクを取るのか、適切な意思決定がされるよう違う立場から牽制する体制をつくる必要があるのです。その枠組みをつくることが私のミッションというわけです。取締役会や経営の中枢と関わりながら、より良い組織の在り方を形づくっていく、非常にスケールの大きな業務に向き合っています。

Breakthrough「できる方法を
新しく考える」 それが私にとっての
やりがいだった。

私がリスク統括部(当時は市場管理部)に着任して20年が経ちました。これまで数多くの業務を経験してきましたが、なかでも「流動性リスク」を任されたことが私にとっての転機となりました。 2008年に起きたリーマン・ショックは欧州の銀行に大きな打撃を与えました。その一連の出来事から注目され始めたのが流動性リスクです。もともと欧州の銀行は、短い借入期間で多額のドルを集め、そのドルを長い貸付期間で顧客に貸す、というビジネスを展開していました。しかし、これまで欧州銀行にドルを貸し与えていた米国の投資家などが、リーマン・ブラザーズの破産を受けてドルを自分たちの手元に引き上げ始めました。そうなると欧州銀行は貸金を自身で維持することができなくなり、次々と資産を失っていったのです。このように市場の混乱などによって必要な資金が確保できず、資金繰りに行き詰まるリスクのことを流動性リスクと呼びます。 リーマン・ショック以降、クローズアップされた流動性リスクにSMBCとしてどう向き合っていくか検討が必要になりました。そこで、私がその担当を任されたのです。プレッシャーも大きかったですが、それよりも「できる方法を新しく考える」ことに非常にやりがいを感じました。関係部署の多くのプロフェッショナルとともに自社の調達力に見合った、適切なビジネスの形を創造していくことは、私にとって非常にチャレンジングな領域でした。結果的に、欧州の銀行が衰退した後のアメリカ市場でSMBCは大きくプレゼンスを高めることに成功しました。その躍進に貢献できたことは、私の自信になっています。 現在は、リスクマネジメントから発展して生まれた「リスクアペタイトフレームワーク」という概念の推進に取り組んでいます。これは簡単に言うと、銀行として目指す収益を上げるために、どのリスクをどのぐらいテイクするか、という考え方です。リスクマネジメントの考え方を起点に、事業ごとに「どこまでリスクを取るか」基準を設定して確かな成長を実現させる、近年トレンドとなっている取り組みです。気がつけばリスク統括部に着任して20年経ちましたが、と感じています。

Ambition考え抜いた答えであれば、 後ろ指をさされる
ことはない。

仕事において私が最も大事にしていることはです。現在、私はマネージャーという立場にいますが、オーナーシップの重要性は部員にも伝えています。「誰々がこう言っていたから」というスタンスでは、成功は有り得ません。自分の口から出す言葉には責任を持ち、自信を持って発言できるまで考え抜かなければいけない。しっかりと情報を集めて納得できるまで考え抜いた答えであれば、後ろ指をさされるようなことはない、と私は考えています。 私自身、若い頃に出会った上司から多くのことを学び、ここまで成長してきました。これまで与えてもらった気づきを、今度は私が若い世代に伝えていかなければいけない。今は、若手の部員がどんどんと成功体験を積んで自信を持って活躍できるようにサポートしたいという想いが強いです。ですから。

Career

1996年に新卒入行。入行後3年間、大阪の玉造支店で銀行員としての基礎を学ぶ。1999年7月、市場管理部(現リスク統括部)へ異動し、リスクの評価、計量化に取り組む。その後、社内公募制度を利用した2年間の国内留学(金融工学を専攻)を経て、再びリスク統括部へ復帰し、現在に至る。部分最適ではなく全体最適を目指してSMBCの経営を支えている。

※掲載の仕事内容、役職、所属は取材当時のものです。部門名は取材当時のものと異なる場合があります。

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