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私たちは『買われた』展 [2016年08月12日(Fri)]
今日からお盆休みに入っているゆっきーです。

一昨日、山梨で講演があって昨日はその帰りに
東京へ寄ってきました。
仕事の関係でアウトプットが多いけど
インプットも大事ということで
10月10日に浜大津明日都で開催する
こどもソーシャルワークセンター法人設立記念イベントで
対談する女子高生サポートセンターcolaboの仁藤さんが
昨日から開催している企画展
「私たちは『買われた』展」に行ってきました。

ボク自身もしんどさを抱える家庭の子どもに関わって
講演やヴィジュアルノベルを作って伝えてきましたが
今回の企画展は当事者たちが書いた文章、
そしてイメージカットが公開されるということで
そのインパクトと言葉の重みは段違いでした。
しかも「性虐待、性暴力、人身売買」という
日本の社会が見ようとしてこなかった現実。

そしてこの企画展で改めて感じたことは
女の子たちは3重の苦しみを受けていること。
まず守られるべき家庭、学校で性被害や心ない言葉を
浴びせられていること。学校で働くSSWとして
本当に力不足を感じましたが、学校という守られる場所で
先生という大人に傷つけられている事実が
女の子たちの文章に赤裸々に書かれていました。

そして次に女の子たちを苦しめているのが
専門家と呼ばれる福祉、医療、警察の言葉や態度。
残念ながら児童相談所や児童養護施設で
職員に言われたこととして記された言葉は
子ども家庭福祉の現場では実際発しているだろうと
自分も含め支援者の恐ろしさを改めて感じました。
ある子の文章の中にこのような内容がありました。
「一時保護できるのは17時までだから、それまでに決めて」
迷って、態度を変えると。
「それって、ためし行動だよね」

言葉にしないだけで、自分も仕事として子どもと関わる時に
頭の中でいつも考えていること。
そのような専門家支援に子どもたちがどれだけ傷つき
見捨てられた感情を生み出しているのか
女の子たちの言葉だからこそグサリと刺さります。

最後にこうして勇気を持って社会に発信する
女の子たちを社会の中には「自己責任」とする風潮が
あることに悲しくなり、
でもどうすればわかってもらえるのか。
この企画展の後に子どもの貧困対策センターあすのばの
新しい事務所であすのばの若者たちと会ってきました。
あすのばの若者たちも子ども時代にしんどさを抱え
その過去を社会に発信し、政策提言をしています。
多くの子が実名でマスコミの前で訴えます。
(それについてのリスクもありますが)
その反応の多くがやがて社会からの応援に変わります。
しかし、colaboの女の子たちの社会発信は
本人たちは安全のために直接伝えることは出来ず
発信した結果も社会の応援以上に、
自分で身体を「売った」子として
ネットなどで中傷や批判にさらされます。

その違いは何なのか?
あすのばの若者たちはしんどかったけど
どこかで「当たりの大人や団体」とつながった。
colaboの女の子たちはしんどかった時に
「性の喰いものにしようとした大人や業者」に
つながるしかなかった。
たったそれだけの違いなのに
同じ社会発信をしてもそれが成功体験や
自分の自信につながりにくい。

では自分はどうすればいいのか?
しんどさを抱えている子どもを
今、やっている小中学生の居場所活動で
「当たりの大人や地域」につなげること。
そしてこれだけの企画展を勇気をもって
行ってくれたcolaboの女の子たちには
まともな大人が一人でも多く
この社会発信を見てもらうよう
しっかり社会に呼びかけること。
(特に教育、福祉関係者は絶対に見て欲しい!)
あとお疲れ様とねぎらいたい気持ちを
形に変えるべく10月10日に仁藤さんに
来てもらうのにあわせて女の子たちも
滋賀や京都でゆっくりしてもらう
企画展のお疲れ様会を企画します!

ということでまずはお近くのみなさん
20日までに企画展に足を運んでくださいね。

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女子高生サポートセンターcolabo
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