ここに秘術を授けます 劣等生向けアメリカ大学院受験法

ウッ、1週間が回ってしまった。ブログを更新しなければ…。

そういうわけで、火曜の夜になってようやくノロノロと筆を執り始めました。「1週間に1記事更新しよう。できなかった方はラーメンおごりな!」とかいうバカな約束を友達としてしまったせいで、「次の記事かかなきゃ…」と鬱々とした気持ちを抱えながらこの1週間を過ごしていました。踊りの稽古に出ている時も、豆乳プリンを手作りしている時も(急に大きいプリンを沢山食べたくなった。そういう原始的な欲求、ありますよね。)、常にこのブログのことが常に頭の片隅にありました。ならさっさと書いてしまえば良かったじゃないか、という声が聞こえる気がしますが、あなたは怠惰を舐めています。ギリギリまで課題を始めないところに劣等生の劣等生たる由縁がある。

というわけで、今回はそんなプロ劣等生が、いかに怠けつつTOEFL足切り以下でコロンビア大学に受かったか、ということについてお話します。

ずっと思っていたのですが、ネットにぬろぬろと跳梁跋扈しているアメリカの大学院合格記は、みーんな「東大卒・帰国子女・TOEFL110点からのスタンフォード合格」みたいな恐ろしく優秀なエリートの体験記でなんの参考にもならん。

MARCH卒・日本育ち・TOEFL足切り以下、でもコロンビア大学行きた~~~い!という私のような人が、いつか先人の足跡を必要とした時のためにこの記事を書きます。あなたはたぶん身の程知らずですが、身の程らずしか自分の身の程から出ることはできません。頑張りましょう。

さて、そもそもアメリカの大学院受験とはどのようなシステムなのでしょうか。

日本の大学受験とは違ってガリガリした試験勉強は基本的に無く、以下の5つの書類を提出してあとは結果が返ってくるのを待つだけの簡単なシステムです。

①大学の成績表

②英語試験の成績

③志望理由書

④履歴書

⑤推薦状

(・と、大学によっては学部時代の論文)

だが、「学科試験ないの?じゃあ楽じゃん!」などと、侮ることなかれ。いろいろと落とし穴がある。

例えば、①成績表。私のような私立文系は大学の成績など顧みず、4年間を一生懸命に飲酒に打ち込んで過ごすケースが多いため、成績が爆死、そのまま大学院受験から撤退という学生はそこそこいる。

②英語試験の成績もそこそこシビアである。私は英検1級、TOEIC945点と、日本人の中ではまあまあ英語ができる方だが、ネイティブと比較すればまだまだゴミカスである。受験ではそのネイティブと戦うことになるんだから、実際はTOEIC1万点くらいの英語力が要求されることになる。

まあ厳しい大学院受験だが、抜け穴がないことはない。今回は劣等生諸君のために、この1年で一生懸命発見した裏技を3つ紹介します。

 

①成績表の点数をちょろまかす

WES(World Education Service)という機関をご存じだろうか。ニューヨークにある教育評価機関なのだが、端的に言えばこの機関に成績表を送れば成績がアップする。どゆこと?

どうやら「日本の大学はアメリカの大学よりも成績評価が厳しい」という謎の認識がアメリカ社会にはあるらしく、「アメリカの優し~い基準で、日本人の成績表をもう一度だけ評価し直しますよ」ということをやってくれるのがこのWESである。たぶん日本の大学生が単位を落としまくっているため、「≒日本は成績評価が厳しい」という認識になっているのだと思うが、私見では純粋に飲んだくれているから皆単位が取れていないだけである。

そういう訳で、大学時代の成績が低~い人は、WESに泣きついてGPAを高めに換算してもらいましょう。そして改ざんされたWESの成績表を大学に提出しよう。審査の工程には1~2か月かかるので早めに準備を進めてね。ちなみに成績があがると言ってもちょっとなので、マジでGPA1.9とかの人は救いようがありません。そのまま死になさい

 

②英語試験の成績をちょろまかす

大学院に入るためには、TOEFLという英語試験の成績を出さなければいけません。TOEICに英会話と英作文を加え、さらに全体のレベルを100ぐらい上げた試験ですが、鬼が作っている鬼試験なので死ぬほどムズいです。しかも高い。1回2万3500円。試験のトピックも「建築」「天文学」「物理」「地質学」など、文系が「はにゃにゃ?」となってしまうものばかり。攻略は至難の業です。

大学院攻略本やエージェントたちは「回数を重ねればだんだん点数も上がります!」と善意でそそのかしてくるため、受験生は泣きながら無意味に金を突っ込みまくるが、秋ごろにはだいたい無事に爆死している。

そこで私は、言いたい。汝、しっぽ巻いて逃げよ。

破産する前にTOEFLから逃げよう。大学が受け付けている英語試験は他にもある。有名どころではIELTSだが、私はDET (Duolingo English Test)を押したい。

なにせ安い。1回5000円。TOEFLやIELTSの4分の1以下だ。しかも所要時間は1時間、結果は2日で帰ってくるし、学術機関に成績表を送るのもタダでやってくれる。しかも自宅で受けられる。な、なんでこんなに…ぼくに優しくしてくれるの…?(初めて人間の扱いを受けた奴隷の気持ち)

しかもトピックもTOEFLよか平易です。Duolingoおススメ。

TOEFL、IELTS、Duolingo、ぜんぶ試してみて、それでもど~~~~しても点数が足りなくても、あきらめないでください。点数が足りなくてもサマースクールに通えば受からせてくれることもあるので、死に物狂いで嘆願してください。

 

③ニッチをねらおう

あまり重視されていないが、最も大事な要素…それは大学教員とのニッチなマッチングです。(ニッチな、が重要。)

英語試験の点数が足切り以下だろうが、大学の成績がちょっと足りてなかろうが、大学教員の研究分野と自分の志望する研究分野がめちゃくちゃにマッチングしていれば受かります。理系方の皆さんにとっては何を当たり前のことをという感じですが、文系だと学部時代のゼミで担当教員が全く知らない分野で卒論を書くとかザラにあるので、教員とのマッチングは見落としがちになる要素です。

ましてや米大学院受験生にとって、TOEFLの点数が足りてない大学院を受ける心理的ハードルは非常に高い。いくらマッチ度か高くてもTOEFL足りてないところ受けるよりは、マッチ度が低くてもTOEFLの点数を満たしている大学院を受けよう…となってしまいがちです。でも実際教員にとっては英語力よりも学術的関心が合ってることの方がずっと大事ですし、合格につながります。

例えば私の場合だと、①文化人類学として②日本の③踊りを研究しますが、①②③すべての条件が合致した研究者を抱える大学院は、アメリカでも5校あるかないかです。闇雲に出願するのではなく、自分の興味関心と合う先生がいる学校を厳選して出願することで、合格率もあがりますし、出願費用も抑えられます。

 

ということで、今回はアメリカ大学院受験の秘術を送りました。

受験たいへんだけどがんばってください。