2014年には、モロッコ発祥の調味料で、文字通りレモンを塩に漬け込んだ「塩レモン」が流行。クックパッドがその年に大流行した食をピックアップする「クックパッドアワード2014」(現食トレンド大賞)と、レシピブログなどを運営するアイランドの同様の賞「トレンド料理ワード大賞」でも塩レモンが大賞に選ばれた。
このあたりからレモン自体の存在が目立ち始め、イギリスの伝統的なスプレッドのレモンカードなども人気になった。以前、炭酸飲料の流行を書いた「刺激的な『炭酸飲料』が、日本でここまで大人気になった背景」でもピックアップした、レモンサワー専門店の誕生も2014年だった。
レモネード専門店が誕生したのは2016年。ハワイ発の「Wow Wow Lemonade」が同年4月に横浜で1号店を開業。保存ビンの「メイソンジャー」に入ったレモネードが流行する火付け役になった。また、「LEMONADE by Lemonica」も金沢に1号店を出し、2018年からフランチャイズで全国展開を始めている。
国産レモンがブームになったのは、防カビ剤を使わずに流通するため、安心して皮ごと使えることが大きい。塩レモンは皮ごと使うし、スイーツや料理にレモンの皮をすりおろして加えると、果汁とはまた違った柔らかい爽やかな香りが出る。「地産地消」を推すムーブメントが広がったこともあり、食べものを運ぶ距離を表すフードマイレージが少ない国産品に対する好感も、人気を後押ししたと考えられる。
定番の使い方だけでなく、レモンスライスを乗せたレモンラーメン、レモン果汁などを使ったレモンカレーといった、レモンをたっぷり使った料理も飲食店などで提供されるようになった。