処分後も1歳児担任継続 逮捕保育士のうち1人 裾野・園児虐待

2022.12.7

 裾野市の私立さくら保育園で園児を虐待したとして、当時の保育士の女3人が暴行容疑で裾野署に逮捕された事件で、同園が虐待発覚に伴い処分した後も、3人のうち39歳の女=長泉町上土狩=を、担任だった1歳児クラスに引き続き在籍させていたことが、7日までの保護者らへの取材で分かった。

さくら保育園
さくら保育園

 同園に通う園児の保護者らによると、問題発覚後に園が開いた説明会で、園は39歳の女について「バインダーで子どもの頭をコンとたたいた後、抱きかかえて『ごめんね』と言ったのを見た職員がいる。それ以外は頭をたたく様子を確認しなかった」と説明していた。3人の処分に伴い、担任が一気に外れるのは園児の心理的負担が大きいと考え、39歳の女は問題なく勤務していると判断して引き続き配属させたという。
 39歳の女は、ほかに逮捕された30歳の女=沼津市岡宮=、38歳の女=裾野市平松=の両容疑者が出勤停止や退職勧奨処分だったのに対し、最も軽いけん責処分だった。3人は11月末までに退職した。
 39歳の女が11月中旬に1歳児クラスから一時保育に配置換えした際、一連の経緯について園から保護者への説明はなかったという。園長は説明会で「大量に職員が抜けるため、人員をなかなか動かせなかった」と釈明。保護者からは「虐待行為の事実を把握しながら、先生として働かせていたことが信じられないし、許せない」「一時保育期間に被害を受けた子がいるかもしれない。改めて調べてほしい」との指摘があったという。

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