1号機原子炉補機冷却系統での放射性物質の検出に関する
調査結果について
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当所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)につきましては、平成14年11月20日より第23回定期検査を実施しておりますが、平成16年1月26日、原子炉補機冷却系統※1の定期的な水質測定を実施したところ、放射性物質であるマンガン54、コバルト60が微量検出されました。
通常、当該系統の放射性物質は検出限界値以下のため、調査の一環として原子炉圧力容器を加圧し、当該系統の放射能濃度測定を実施したところ、4月14日の昇圧時に、原子炉冷却材浄化系非再生熱交換器※2(A)の出口配管から微量のコバルト60が一時的に検出されました。また、原子炉冷却材浄化系補助ポンプ※3軸封部から、微量のマンガン54、コバルト60が検出されました。(1月26日、4月15日お知らせ済み)
これまでの調査の結果、4月14日に確認された事象の原因は、原子炉冷却材浄化系補助ポンプ(以下「補助ポンプ」)出口弁で漏えいが発生し、通常直接かかることのない原子炉圧力(約8MPa)が補助ポンプに加わったことで、補助ポンプ軸封部から原子炉水が一時的に混入したものと推定いたしました。1月26日に当該系統で放射性物質が検出された事象も、1月19日に原子炉圧力容器を加圧していることから、同様の原因と考えております。
なお、非再生熱交換器(A)出口配管部においても放射性物質が検出されましたが、コバルト60以外の放射性物質は検出されていないこと、および検出が一時的であることから、当該配管部から分岐していて、先端部が閉止され使用していない配管内に過去混入し残留していた原子炉水が、検出されたものと判断いたしました。
また、原子炉補機冷却系統のこれら以外の部分については、特に異常がないことを確認しております。
対策については、以下のとおり実施いたします。 |
(1) |
原子炉冷却材浄化系補助ポンプ軸封部 |
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補助ポンプ出口弁については、分解点検を実施し、漏えいのないことを確認いたしました。今後は、念のためプラント起動時に補助ポンプから原子炉冷却材浄化系再循環ポンプ※4に切り替えた後、補助ポンプの出入口弁の内側にある手動弁を全閉にし、原子炉圧力が補助ポンプ軸封部にかからないようにいたします。 |
(2) |
原子炉冷却材浄化系非再生熱交換器(A)出口配管部 |
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先端部が閉止され使用していない配管については、放射性物質が残留しないよう撤去いたしました。 |
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また、原子炉圧力容器耐圧漏えい試験で原子炉圧力を上昇させた際に、念のため当該系統に設置された放射能モニタの監視を行い、放射性物質の混入がないことを確認いたします。 |