さくら保育園 虐待行為16項目に 裾野市、不適切な写真投稿追加

東京新聞12/8(木)7:51

 静岡県裾野市の私立「さくら保育園」の一歳児担当の保育士だった女三人が園児に暴行した疑いで逮捕された事件で、市は六日、公表した十五項目の虐待行為に「園児の写真に身体的特徴をやゆするなど不適切なコメントを記し、(無料通信アプリ)LINE(ライン)グループに投稿した」の一件を加えたと発表した。(佐野周平)

 市によると、グループには一歳児担当の全六人が入っている。写真の投稿者は把握できていないが、八月に市にこの問題の端緒をもたらした通報者からの情報などから、逮捕された三人の誰かとみている。

 八月に園から提出された調査報告書では虐待行為の一つに挙げられていたが、九月に園から提出された別の資料では削除されていた。市は九月の資料に「泣いている園児を個人の携帯電話で撮影する」という虐待行為があることから、「同じ撮影の話だから一本化したのだろう」と解釈。「写真投稿」も事実確認された虐待行為として認識していながらも、項目数に反映されない矛盾が生じていた。

 市幹部は六日、報道陣にこれまでの経緯を初めて説明。大きく異なる二つの虐待行為を一項目として扱っていたことの妥当性を問われ、方針転換した。これに伴い、市は園側に「写真投稿」を削除した理由を尋ね「特に意識なく削除した」との回答を得たという。

◆来年度入園 運営4園以外へ変更希望相次ぐ 市に転園申請も

 裾野市の社会福祉法人「桜愛会」が運営する「さくら保育園」の事件を受け、来年度の入園希望で桜愛会が運営する市内四園を希望していた市民から、他園への変更を希望する申し込みが相次いでいる。

 市によると、入園先の変更を求める申請は七日夕方時点で四十件に上る。桜愛会が運営する四園の在園児を対象に来年度からの転園希望も受け付けており、七日夕方時点で一件の申請があった。転園に関する相談は十数件あるという。(佐野周平)

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