大きな成功を手に入れるためには、大きな失敗や挫折を経験することが必要とはよく言ったもので、成功者の中にはいくつもの苦難を乗り越えてきた者も少なくない。ハリウッドの映画業界で活躍する俳優の中にも、過去に壮絶な暮らしを送っていた人物がいる。そこで今回は、ホームレス経験がある5人の俳優を紹介しよう。

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■クリス・プラット

 2014年に公開された映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で一躍ハリウッドのトップスターにのぼり詰め、翌年に“ジュラシック”シリーズ第4弾となる映画「ジュラシック・ワールド」で人気を不動のものにした俳優のクリス・プラット。そんなクリスは、大学1年目の最初の学期が終了した時点で学校を中退し、片道切符を手に米・ハワイ州にあるマウイ島へと渡り、ホームレス同然の生活を送っていた。酒、マリファナ三昧だった当時のクリスは、偶然出会った女性監督から映画への出演オファーを受けたことがきっかけとなり、ハリウッドで大きな成功を手にすることになる。


■W.C.フィールズ

 チャップリンと並び“喜劇王”と呼ばれ、ハリウッド映画の黄金時代を築いた米国出身のコメディアン、W.C.フィールズも幼い頃にホームレス生活を送っていた。フィールズは1891年、当時11歳の時に父親に殴られたことが原因で家出し、空き地でホームレスとして生活。商店や近隣宅の玄関先からパンや牛乳を盗むことで空腹を満たしていたという。その後は大道芸人として世界各国を巡業し、1905年に初めてブロードウェイの舞台を経験。また、1915年には映画初主演を果たし、時代がトーキー映画に移り変わって以降は、得意のジョークを炸裂させて一躍トップスターとなった。


■ジム・キャリー

 1994年に公開されたコメディ映画「マスク」で主演に抜擢され、一躍銀幕のトップスターへとのぼり詰めた俳優のジム・キャリーだが、幼い頃には不遇の時代を経験している。ジムがまだ中学生の時に父親が職を失い、家族は一気に貧乏のドン底へ。家を失いホームレスとなった一家は、キャンピングバンで生活を送る羽目になってしまう。その後、15歳になったジムは学校を中退してカナダ・トロントにある劇場の舞台に立ち続け、プロのコメディアンとしてのキャリアをスタートさせる。1979年に米・カリフォルニア州に移住すると映画出演の話が舞い込み、ジムはその後ハリウッドスターへの階段を駆け上がっていく。


■ダニエル・クレイグ

 大人気スパイ映画“007”シリーズで6代目のジェームズ・ボンドを演じる英国人俳優、ダニエル・クレイグも過去にホームレス経験がある人物だ。ダニエルが舞台俳優として活動を始めた当初は役者としてまったく売れず、公園のベンチで寝泊まりしていたという。しかし、お金に困って映画やテレビ番組に出演し始めると、ダニエルには数多くの出演オファーが届くようになる。舞台俳優として活躍する傍ら、2004年に公開された映画「Jの悲劇」では高い評価を獲得して活躍の場を広げていく。そして、2006年には映画「007 カジノ・ロワイヤル」で見事ジェームズ・ボンド役を射止め、自身の名を世界中へと轟かせた。


■ハル・ベリー

 2001年に公開された映画「チョコレート」で、アフリカ系アメリカ人として初のアカデミー賞主演女優賞を受賞するという快挙を成し遂げた女優のハル・ベリーだが、女優としての活動を始めた当初は順風満帆とは言い難いものだった。1987年、当時21歳だったハルは女優として成功するためにニューヨークへと引越すも、生活は苦しく所持金が底を尽き、手元には1ドルだけになってしまう。母親に仕送りを頼むも拒否されてしまい、ホームレス用の保護施設に移り住むことを余儀なくされたという。しかし、この時の経験が功を奏したのか、ハルはさまざまな映画に出演し、数々の有名な賞に輝いている。
(文=山下史郎)


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