この文章をお読みいただく皆様に、
お願いがあります。
ある産婦の無罪のために、
皆様の経験や知識を
お貸しいただきたいのです。
このホームページでは、事件のこと、
そしてこれまでの裁判の流れについて
掲載しています。
お急ぎの方は、「お願いしたいこと」を
お読みください。
(追記)2022年4月11日、皆様からお預かりした127通の意見書を最高裁に提出しました。
2020年11月、熊本のベトナム人技能実習生、レー・ティー・トゥイ・リンさんは双子の男児を死産しました。
技能実習先の寮の一軒家の自室でのことでした。
医者にも同僚にも言えないまま、たった一人で迎える孤立出産でした。
インターネットでは、妊娠した技能実習生は帰国させられるという噂が広まっています。
リンさんは日本での乏しい所得から故郷の家族への仕送りを続けており、絶対に帰国させられるわけにはいかなかったのです。
苦痛に満ちた数時間が去り、双子が生まれおちたとき、部屋も布団も血まみれでした。
リンさんの目の前には産声すらあげないわが子が横たわっていました。
リンさんは肉体的にも精神的にもボロボロの状態でしたが、布団の枕元にある段ボール箱に手を伸ばし、タオルで双子の赤ちゃんを包んで、箱の中に入れました。
2人につけた名前、生年月日、「ごめんね、天国で安らかに眠ってください」、そして仏教の祈りの言葉を手紙に記し、赤ちゃんの上に載せました。
南国の熊本とはいえ、11月はすでに肌寒い季節です。
リンさんは赤ちゃんが寒くないように、赤ちゃんの入った段ボール箱よりもひと周りだけ大きい段ボール箱に重ねて入れて、工作で使用するセロハンテープで封をしました。
この箱を布団のすぐそばにある3段キャビネットの一番上に乗せて、リンさんは産後初日の一晩を過ごしました。
翌日、技能実習生の監理団体がリンさんの異常を察知しました。
リンさんは病院に連れていかれ、その日の夕方、泣きながら死産したことを告白しました。
日本の裁判は三審制です。地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所と、3回戦う機会があります。
しかしリンさんはこれまで、地方裁判所でも高等裁判所でも有罪とされてしまいました。
われわれ弁護団は、リンさんの行為は死体遺棄にあたらないと主張しました。
リンさんは捨てようと思って赤ちゃんの遺体を箱に入れたのではありません。
体力が回復したら埋葬するつもりだったのです。
ところが、熊本地方裁判所は、リンさんの行為が「正常な埋葬」のための準備行為でなく、葬祭する義務を怠って遺体を放置したことにより、国民の一般的な宗教的感情を害したものであるから死体遺棄罪が成立するとして、懲役8月、執行猶予3年の有罪判決を下しました。
熊本地裁判決の全文はこちらから読めます。
われわれ弁護団は、納得がいかず控訴しました。
リンさんは遺体を「放置」などしていません。
出産から翌日に死産を告白するまでに1日強、約33時間しか経っていないのです。
リンさんは赤ちゃんとずっと一緒にいました。これで放置と言えるのでしょうか。
しかし、裁判所は、リンさんが「放置」していないことを認めつつ、赤ちゃんが寒くないようにひとまわり大きい箱に入れ、テープ留めをした行為が「死体を隠す」行為、すなわち隠匿にあたるとして、新たに有罪判決を下し、懲役3月、執行猶予2年の有罪判決としました。
福岡高裁判決の全文はこちらから読めます。
「赤ちゃんを捨ててもいないし、隠してもいない」
一貫してそのように言い続けたリンさんと私たち弁護団は、1月31日に最高裁判所に上告をしました。
リンさんにとって日本は外国です。言葉も地理も社会システムもわかりません。
そんな中、帰国させられるという恐怖におびえながら、たった一人で双子を死産しました。
その後のたった33時間、赤ちゃんの遺体と一緒にいたことが犯罪に問われています。
熊本地裁では「放置」したことがいけないのだと非難され、福岡高裁では箱に入れたことが「隠匿」なのだと非難されました。
われわれ弁護団の目には、裁判所が妊産婦にあり得ないほどの完璧を求めすぎているように思えてなりません。
何時間もかけて出産の苦しみに耐え、体力も血液も失ったばかりの女性が、すぐに適切な葬儀をしなければ有罪にするというのです。
遺児を一時的に箱に入れただけで犯罪になるというのです。
最近、孤立出産した妊産婦が死体遺棄罪に問われるケースが相次いでいます。 報道に出ただけでも、次のようなものがありました。
産婦人科医からは、次のような意見が出ています。
異国の地で言葉も地理も社会システムもわからずに独りで出産し、かつ手元にある限られた品々で埋葬の準備を行なった被告人のことを、罪に問うというのは病者に鞭打つ行為に等しい。
そして、この行為が罪に問われるとなれば、孤立出産に伴う死産ケースのほとんどが犯罪とみなされてしまいかねない。慈恵病院 蓮田健院長
こうした流れを、断ち切らなければなりません。
最高裁にはその力があります。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
死体遺棄罪は「死者に対する宗教的感情、敬けん感情」を保護するものだとされています。
死者を大切に思う心です。
熊本地裁も、福岡高裁も、リンさんの行為が「死者に対する宗教的感情、敬けん感情」を害したとして有罪を言い渡したのでした。
ここでいう「感情」とは、裁判官の感情ではありません。
公衆の、つまり皆さんの感情です。
はたして、本当にそうなのでしょうか。
皆様お一人お一人がこの事件についてどのようにお感じになったのか、その「声」を意見書として最高裁判所に届けたいと考えています。
最初に、どんな声がほしいかを説明します。次に、具体的な方法について説明します。
最高裁の裁判官は15人いますが、女性は2人だけです。
ほぼ、出産を経験したことのない人たちが、リンさんを裁くことになります。
出産時の状況や出産後のご自身の体調について、教えてください。
辛い記憶を呼び起こしてしまい申し訳ありませんが、死産を経験された方のご経験もお聞かせください。
その上で、お一人お一人のお考えをお聞かせいただけませんか。
死産直後のリンさんがとった行動は不自然なのか。
本当に死体を放置したり隠したりする行動として処罰されるべきなのか。
もしあなたが同じ立場だったら、どうだっただろうかと。
その際、ご自身が出産時の出血量や血圧等が記載された母子手帳のコピーを一緒にご提供いただけないでしょうか。
「出産の状態」「出産後の母体の経過」など記載されているページをお願いします。
出産とはこういうものだという、生の姿を、最高裁に伝えたいのです。
福岡高裁の判決で問題とされているのは、リンさんが、赤ちゃんの遺体をタオルに包み、段ボール箱に入れ、箱を二重にしてテープで封をした行為です。
死産直後の母親の行動として、これは不自然で悪意あるものと言えるのか。
産後の母親の精神・身体状態に関するご経験やご見識に照らして、どのように評価されるのか、意見をいただきますと幸いです。
福岡高裁判決に対するご意見もございましたらお願いいたします。
死者を悼む気持ちは人類共通ですが、その悼み方はさまざまです。
リンさんは、タオルで赤ちゃんを包み、段ボール箱を棺に見立てて、赤ちゃんが寒くないようにと二重にした上で、テープで封をしています。
これが死者に対する宗教的感情、敬けん感情を害するとされました。
皆さんは多くの方の死に寄り添い、多くの遺族の悲しみ、そして立ち直りを見てこられたと思います。
彼女の行動は、死者に対する敬けん感情や追悼の感情を害するものなのか、刑罰を科せられるべき異常なものなのかについて、教えていただけないでしょうか。
福岡高裁判決に対するご意見もございましたらお願いいたします。
リンさんの行為について、皆様が死者に対する宗教的感情や敬けん感情を害するものといえるのかについて、皆様のご意見をお聞かせください。
本件の背景には、孤立出産という誰にも妊娠を明かすことのできない事情を抱えた女性の問題や技能実習制度という問題が存在します。
そのような問題がある中で、死産当日にリンさんがとった行動について死体遺棄罪を認めることについて、意見をお聞かせください。
まず、用紙をダウンロードして、紙に印刷してください。
もしお近くに印刷できる環境がない場合は、セブンイレブン ネットプリントから印刷できます。
使い方の説明はこちらをご確認ください。
「住所」と「お名前」を記入して、意見書をお書きください。
短くても、長くても大丈夫です。
ご自身の言葉で書くのが大切です。
住所や名前を書くことに抵抗のある方もおられると思います。
しかし、いたずらを防いだり、最高裁に信じてもらうためには、どうしても必要となります。
個人情報の扱いについては最後に説明します。
用紙の一番上には、ウェブでお名前やご意見を紹介してよいかどうかのチェック欄があります。
どちらかにチェックを入れてください。
チェックがない場合には、紹介に同意しないものと扱います。
意見書を封筒に入れて、84円切手と宛名ラベル(用紙についています)を貼り、ポストに投函してください。
3月31日までに投函していただきたいと思います。
封筒に入れるとき、折り目がついても大丈夫です。
意見書が複数ページになるときは、左横側で2か所、ホチキス止めしてください。
PDFファイルをダウンロードするほか、Wordなどを使って、意見書をパソコン上で作成していただくこともできます。
定まったフォーマットはありませんが、上記の用紙を参考にしてください。
本文のフォントは10.5ポイント以上(12ポイント推奨)で作成し、A4用紙で印刷した際に1~5枚となるようにしてください。
複数枚となるときはフッタにページ番号を入れてください。
作成後に印刷し、署名または押印してください。
署名押印したものをスキャンしてPDFファイルにします。
linhsan-ha-muzai@googlegroups.comを宛先として、PDFファイルを添付し、メールで提出してください。
4月1日午前0時までにいただきたいと思います。
メール本文の中で、ウェブでお名前や意見書の内容を紹介してもよいかどうかをお知らせください。
何も記載がない場合には、紹介に同意しないものとして扱います。
以下は例です。すべてを記載しなくても結構です。
母子手帳をお持ちの方は「出産の状態」「出産後の母体の経過」と記載されている見開きのページを一緒に添付していただきますと幸いです。
また、リンさん、リンさんのパートナー、捜査機関、裁判所への誹謗中傷等はお控えいただきますようお願い申し上げます。
皆様からいただいた意見書は、弁護団内で確認の上、コピーをとって、原本を最高裁に提出します。
目にするのは弁護士、事務職員、そして裁判関係者です。
これ以外の目的で使うことはありませんし、お許しがなければ弁護団から外に公開したりすることもありません。
ただし、刑事裁判の記録は、手続を踏めば、誰でも閲覧できます。裁判の公正を保つためです。
事件が終わったあと、学者やマスメディアが調査研究目的で事件記録を閲覧申請することはよくあります。
母子手帳にはセンシティブな情報が含まれています。
隠したいところがあれば、黒塗りにしていただいてかまいません。
皆様からいただいた意見書は、最高裁判所に提出する上告趣意書に添付します。
いただいた意見書は大切に読ませていただきますが、提出を見送らせていただく場合もございますので、予めご了承ください。
意見書作成でご不明な点ございましたら、下記のお問合せ先にご連絡ください。
〒860-0078
熊本市中央区京町2丁目12-43
熊本中央法律事務所
弁護士 石黒大貴
(ishigurohiroki01@gmail.com
)
電話 096-322-2515
FAX 096-322-2573