定額制の解説
海外移植にてトラブルとなる原因の多くは費用に関する問題です。
初めは安価な金額を提示して勧誘しますが、現地に入ってから次々と別途費用として追加の治療や投薬等の名目にて請求します。 患者側は医学知識を持ち合わせていないので追加の治療や処方薬の妥当性を判断でき命が危ない」と言われたら選択の余地なく、要請に応じるしかありません。(大半が架空請求) 最終的に当初の提示金額から倍額以上、さらには4倍以上の支払いを余儀なくされた方もいます。
確かに術後の回復に個人差はございます。しかしながらその都度、追加費用が生じれば患者側は不安になってしまいます。 その様なことから、安心して渡航移植が可能となるシステムや体制を検討しました。その結果、定額制の採用が最良との判断に至りました。
私どもは病院との交渉に於いて、検査入院から手術を終えて退院するまでの治療費の平均値を算出しました。その金額に10%を加算した金額を「移植手術費の総額」として病院側と契約を取り交わしています。
この10%の加算金は保険料と同様にお考え頂いて差し支えありません。 ドナーの出処が早く、術後の回復も良好な場合は規程より短期間にて帰国となりますが、その場合の返金は致しません。その一方、病院側も割増金を受け取る以上、入院・加療が長引いても追加費用の請求はしない約束となっています。
但し、予後(術後)の回復に個人差が生じやすい心臓や肺の移植は、あらかじめ一定金額の予備費を預かります。(規定内は全額返金) ※定額制は病院との永続的な信頼関係を前提としたシステムです。
あとがき
以前、肝移植後ICUにて63日間の加療を要したケースがありました。この患者様は最終的に出発から帰国まで4ヶ月余りの渡航となりましたが、当初約束した金額以外に滞在費も含めて、一切の追加費用を頂いていません。定額制とはこの様な仕組みです。 *定額制は2004年から採用しています。この約束は患者や家族のみならず、国内の医療関係者からも支持を得ており、今日の信用へと繋がっています
令和3年2月1日
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