現役官僚インタビュー 出入国在留管理庁
「国の形」づくりに挑戦する
飯澤 聡介さん
Iizawa Sousuke
参事官室法規 第二係長
入省後の略歴と職務内容
・2016年 法務省入国管理局(当時)参事官室
技能実習の適正化を目指す法案の成立から施行まで担当(初めての法改正)。
・2017年 東京入国管理局(当時)調査第二部門
偽造在留カード行使事案の調査・摘発等の現場での業務に従事。
・2018年 法務省訟務局行政訟務課
国を相手にした様々な訴訟(原発事件や外国人事件)に対応。
・2019年 法務省大臣官房会計課
出入国在留管理庁に必要な予算の要求等を担当。
・2020年 出入国在留管理庁参事官室(現職)
古巣に戻り、再び法改正を担当。
Q1 国家総合職(入省先)を志した理由を教えてください。
大学生の頃、留学生の友人に「在留カード」を見せてもらったことがあり、その時に日本で暮らす外国人の在留に関する入管行政の存在を初めて知りました(それまでは入管というと空港のイメージが強かったのです。)。そこで説明会に行ったところ、「入管行政は成長産業だ」ということがよく分かると同時に、グローバル化の中で日本が直面する様々な課題を知りました。
当時、欧州は難民問題に揺れており、こうした社会の根幹に関わる行政に挑むことは、困難ではあるけれど、誰かが必ずやらなければならない重要な仕事だと思い、入管行政の世界に飛び込む決意を固めました。
Q2 今まで経験されたお仕事で、最も心に残っていることはなんですか?
採用以来、法律や予算といった霞ヶ関での仕事にとどまらず、出入国在留管理の現場における最前線の業務経験や海外出張など、本当に様々な業務を経験させていただいており、大変ありがたく思っています。
その中でたくさんの良い思い出がありますが、やはり法改正に携わる経験は、霞ヶ関ならではの仕事なので、非常にやりがいがあります。政策が法律という形になり、実際に社会で使われるルールになっていくまでには、たくさんの目に見えない仕事があることを知ることができたのは貴重な経験だと思っています。
Q3 これから取り組みたいお仕事はどんなことですか?
世界には様々な国がありますが、全て何らかの形で出入国在留管理を行っています。それぞれの国にそれぞれの地理的条件や歴史や文化があるため、その国に合った制度というのはその国ごとに違うと思います。その意味で、出入国在留管理行政はまさに主権国家としての「国の形」に関わる行政であり、その制度設計は数十年後の国の形のグランドデザインを描く仕事だと思います。
出入国在留管理庁は、外国人受入れ環境整備のための総合調整機能を担うこととされており、この大役を果たすためには、日本国内のみならず世界の情勢を常にキャッチし、広い視野を持ち続けることが必要不可欠だと思います。今後も高いアンテナを常に張り、広い視野で日本に合った制度はどのようなものなのかを考えていけるよう、様々な経験を積んでいきたいと思っています。
Q4 キャリアをめざす受験生へ熱いメッセージをお願いします。
現代社会の課題を全てたちどころに解決し、全国民が100%納得して賛成する政策は、おそらくないと思います。政策や制度を良くするには、日々必死に考え、少しずつでも、着実に一歩一歩進んでいくことこそが重要です。霞ヶ関で仕事をしていれば、時には苦しいこともありますが、それでも決して諦めないことで何かを達成し、「私は社会のためにこれをやれた」という実感が持てることは、国家公務員の大きな魅力ではないでしょうか。
出入国在留管理庁は、2019年に庁として発足したばかりの役所です。出入国在留管理庁に期待される役割は、今後ますます多く、新しくなっていくことが予想されますが、出入国在留管理庁が一丸となってこれに挑戦し、その力を発揮していくためには、柔軟な発想や、広い視野、そして何より強いチャレンジ精神を持った仲間が必要です。皆さんもぜひ、出入国在留管理庁で日本の将来のための仕事に挑戦してみませんか。