介護福祉士国家試験には受験資格があり、受験資格に該当していないと試験を受けられません。
ただ該当事項が複雑なため、受験資格を確認しても自分が試験を受けられるかぱっと見て判断するのは難しいです。
今回は介護福祉士国家試験の受験資格について細かく解説していきます。
介護福祉士国家試験の概要についてはこちらの記事を参考にしてください。
関連コラム:介護福祉士国家試験の試験内容・情報をわかりやすくまとめて紹介!
目次
介護福祉士の受験資格
介護福祉士の受験資格は主に4パターンあり、図では下記のように分けられます。
ただこれだけだとわかりにくいですよね。
そのため今回は4つのルートを
- 実務経験の必要性
- 養成施設や福祉系高校で学ぶ必要性
の2つの分類に分けて解説していきます。
各ルートの特徴についても説明するので、確認してみましょう。
実務経験の必要性
1つ目が実務経験の必要性です。
実務経験が必要な人は未経験で介護の仕事をはじめた人と、EPAで日本で介護の仕事に従事している外国人の人が対象になります。
実務経験が必要になる理由としては、適切な介護技術を身につけていないとみなされるからです。
そのため、どちらも受験資格を得るには実務経験を3年以上経験する必要があります。
1.実務経験ルートの場合
実務経験ルートの人は、実務経験とはべつに実務者研修か介護職員基礎研修及び喀痰吸引等研修を受ける必要があります。
実務者研修は優れた介護サービスを提供するため創設された研修で、現在は介護福祉士国家試験を受けるには必須になりました。
研修では基本的な介護の仕方だけでなく、喀痰吸引や経管栄養の基礎知識も学ぶことができます。
2.介護職員基礎研修は廃止
介護職員基礎研修は廃止されている制度のため、現在は受講できません。
しかし過去にこの研修を受講していると実務者研修を受講する際に、研修の免除を受けられます。
具体的には介護職員基礎研修受講者は、医療的ケア50時間と医療的ケアの演習だけ受講すれば研修を修了できます。
短期間で受講を終えることができて費用の節約にもなるので、過去に受講した人は確認しましょう。
2.養成施設や福祉系高校で学ぶ必要性
2つ目が養成施設や福祉系高校で学ぶ必要性です。
1.養成施設ルートの場合
養成施設とは厚生労働大臣に認められたもので、主に以下の4つに分けられます。
- 介護福祉士養成施設
- 福祉系大学等
- 社会福祉士養成施設
- 保育士養成施設
養成施設は種類としては、大学、短大、専門学校に分けられます。
養成施設に入るメリットとしては、専門知識をもった講師から指導を受けることができるため適切な介護技術を身につけられることです。
2.経過措置
養成施設卒業者には経過措置があり、2017〜2021年に卒業した人は5年間は介護福祉士資格を取得した者と見なされます。
ただし、継続して資格を有効にするためには、以下の条件のどちらかを満たす必要があるので注意しましょう。
- 卒業して5年以内に介護福祉士国家試験の筆記試験に合格する
- 卒業後5年間介護業務に従事する
2022年以降の養成施設卒業生に関しては、経過措置はなく介護福祉士になるには筆記試験に合格する必要があります。
3.福祉系高校ルート
福祉系高校は、福祉系高校及び福祉系特例高学校が対象になります。
資格を取得するには卒業後に試験を受験し、合格することが必要です。
また、入学した年によって資格取得の条件が異なります。
平成21年以降に入学された人は、卒業後に筆記試験を受け合格すれば資格を取得可能です。
しかし平成20年度以前に入学した人は、筆記試験だけでなく実技試験も受験する必要があるので注意しましょう。
どちらのルートも学校で介護の専門知識を学ぶため、実務経験が必要なく基本的に筆記試験に合格すれば資格を取得できます。
また例外的に福祉系高校ルートの福祉系特例高に平成21年以降入学した人は、9ヶ月の実務が必要です。
介護福祉士国家試験の申込みの際に必要な書類が受験資格によって変わる
介護福祉士の筆記試験を受験する際には、受験資格によって提出しなくてはいけない書類が変わってきます。
期限までに証明書ができずに受験資格が確認できない場合には試験が無効になってしまいます。
申込方法や必要書類について詳しく解説しているので不安な方はこちらの申込み・スケジュールを確認しておきましょう。
関連コラム:第34回(令和3年・2021年度)介護福祉士国家試験の申し込み方法・スケジュール完全ガイド
自分がどれにあてはまるかわからないときは
ここまで介護福祉士国家試験の受験資格について説明してきました。
しかし、中にはまだ自分がどれにあてはまるか分からない人もいると思います。
その場合は、試験の実施主体である社会福祉振興・試験センターの「受験資格を確認する」から確認しましょう。