ハイカライブ&サントラ秘話
――『オクト』のサントラ『オクトチューン』が発売されますが、聴きどころはどこでしょうか。
峰岸 楽曲と言えるものは、ほぼ網羅しています。“入り切るかどうか……なんとか入った!”くらいの詰め込み具合です。加えて、CDアルバムとしての聴きばえのために、曲順を再構成していたりもするので、ゲーム中とはまた違った流れを楽しんでいただけたらと思います。
――初回限定盤にはハイカライブの映像が入ったBlu-rayも付きますね。
峰岸 スイスでのライブも合わせると今年(2018年)もう3回ハイカライブをやっているのですが、Blu-rayに収録される最初の回をやる前は、じつは少し心配だったんです。というのは、前作のシオカラーズのシオカライブをとても評価していただいていたので、「テンタクルズ、大丈夫かな? 皆さんに受け入れていただけるかな?」という、まさに親心で(笑)。蓋を開けてみれば、彼女たちにはそんなプレッシャーなんかなく、彼女たちらしく輝いてくれたなあと思います。
――大盛況のライブでしたね。ライブの秘話などはありますか?
峰岸 『ウルトラ・カラーパルス』は、ゲーム内のフェス中にハイカラスクエアで流れている曲ですが、「もしシオカライブのように、人間界でのテンタクルズのライブができるなら1曲目に使いたいな」とイメージしながら作った曲なんです。最初の「ディ〜ディ♪」とシンセの和音がずり上がるような部分で会場が「ワーー!」と盛り上がってくれたらいいなと。
――実際、その通りに盛り上がりましたね!
峰岸 でも、そんな考えにとらわれてゲームのBGMを作っちゃダメだよな、とも思って(笑)。“邪念”だから優先してはいけないと。
野上 峰岸はちょくちょく「邪念が入ってしまう」と言っていましたね(笑)。
峰岸 でも、どうしても心の片隅にはありつつ、最優先しなければそんな想いもいいかなと思って制作していきました。結果として幸いなことにライブもできて、それを1曲目に使えて、自分が夢見ていたことを実現できて。ありがたいことだなと思います。
野上 オーディエンスの反応を期待してイントロを作るというのも、フェス会場のイカたちを盛り上げるというシチュエーションと合っているので、結果的にはゲームBGMとしても状況にぴったり合った内容になっていたと思います(笑)。
峰岸 もうひとつよかったなと思うことが……前作のシオカライブのときに大山さん(大山徹也氏。シオカライブに引き続き、ハイカライブでもライブアレンジを担当)が、『シオカラ節』に焦らすようなイントロを入れてくれたんです。「ディディッ・ディッ・ディッ・ディ♪」という部分ですね。それがすごくステキだったので、大山さんにお願いして『2』で『濃口シオカラ節』のイントロとしてゲームに採用させていただきました。そして、今度はハイカライブで『濃口シオカラ節』をさらにアレンジをしていただいて。『スプラトゥーン』らしい、ゲームとライブとの響き合いのようなものが生まれたなと思いました。
――先日、大山さんにハイカライブのお話をお聞きしたときにも(大山徹也氏へのインタビュー記事は近日アップ予定!)、同じようにアレンジに対するアレンジといったやり取りができておもしろかったとお話をしていました。観客の反応も、シオカラーズにはアイドルのライブのような盛り上がりで、テンタクルズにはアーティストのライブのような反応になっていたように感じました。
峰岸 住み分けが伝わったのだったら、うれしいです。
野上 ヒメはもともとライブパフォーマーというイメージだったんです。でも、ゲームの中ではなかなかそれが伝わってない部分もあったんですが、ライブでそれが発揮されてよかったと思います。
――振り付けも闘会議と超会議で少し変わっていたりしましたよね。
井上 振り付けは4人とも、めろちんさん(ニコニコ動画などの踊り手として活躍。振り付けやDJなども手掛け、シオカラーズ、テンタクルズの振り付けも担当している)に演じていただいて、それぞれ個別に撮るんですが、場所が入れ替わるシーンや会話しているようなシーンも、最後に合わせるとバッチリになっていて、毎回感動するんですよ(笑)。
――それはすごいですね!
野上 シオカライブのときはふたり分だったんですけど、ハイカライブは4人分なので、かなりたいへんだったとは思うんですけど。
井上 脳内でシンクロさせているのか、あれは踊り手さんならではなのかなと思いましたね。
――そのほかの情報もお聞かせください。今後発売されるテンタクルズやタコのamiiboでできることを教えていただけますか?
野上 これまでのamiiboと同じようにプレイヤーのサポーターになってくれて、いっしょに写真が撮れるのと、バトルを繰り返していくとオリジナルギアがもらえます。加えて、テンタクルズのamiiboの場合は、イカラジオが少し変化します。
佐藤 イカラジオの曲が増えるわけではないのですが、新しい機能として、見た目のスタイルを変えられるようになります。いわゆるスキンですね。イイダっぽいスタイルやヒメっぽいスタイルになって、操作音も変わりますので、ぜひ一度体験してもらえればと思います。
野上 あと、フェスのときに写真撮影をすると、いつもテンタクルズが踊っているステージの上も選択できるようになるので、ぜひたくさん写真を撮ってもらえればと思います。
佐藤 ヒメとイイダは最初の衣装に加えて、『オクト』の衣装である私服でも撮影できます。
野上 もらえるギアも私服をアレンジしたものなので、ペアルックのような写真も撮れますね。ぜひ遊んでみてください。
――そういえば、『オクト』をクリアーするとハイカラスクエアでのテンタクルズの反応が少し変わりますよね?
野上 あれは、いっしょに戦った8号に対するリアクションですね。ほかのタコやイカには見せない、自分だけへのリアクションだと思ってもらえれば。ですので、イカの姿になると、以前の反応に戻ります。
――そういうことだったんですね! あと、2018年9月からNintendo Switch Onlineが有料サービスになりますが、『スプラトゥーン2』の場合どこまでが有料の範囲になるのでしょうか?
野上 インターネットを介して遊ぶ部分が有料となります。バトルやサーモンラン、プライベートマッチ、イカリング2でのデータ確認も有料の範囲です。
佐藤 ヒーローモードやイカッチャの中でのローカルプレイに関しては無料のままでも遊んでいただけます。あとはソフトの更新データやギアの配信は無料で対応しています。ただ、インターネットを介したプレイが『スプラトゥーン』の主体なので、ぜひ会員になっていただきたいと思います。
――なるほど。そういえば、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にインクリングの参戦が決定しましたが、監修などはされているのでしょうか?
野上 こちらから、こういう要素がありますという提示だけして、どう使っていただくかはチョイスしてもらっています。
佐藤 ゲームのおもしろさに関する部分はすべてお任せですね。
井上 見た目は似ているんですが、動きなどは完全にお任せなので、違った魅力があるなと感じています。
野上 『スマブラ』らしいというか、あのゲームスピードに合わせた動きが必要ですからね。
――最後の切り札がメガホンレーザーで懐かしく感じました。
野上 基本的には前作がベースになっています。ガールとボーイも前作のイメージで作ってもらっています。
――では最後に、読者の皆さんへひと言お願いします。
佐藤 『オクト』の発売と1周年ということで、区切りのように見えますが、私の中では区切りにはなっていなくて、これからもアップデートが続きます。幸いなことに、たくさんの方にプレイしてもらっていまして、その期待に負けないように開発を進めていくので、よろしくお願いします。
天野 『2』ではサーモンランを担当していて、それから『オクト』を一気に仕上げることになったんですが、僕の役割はひと息ついたところです。しばらくサーモンランの変化が控えめになってしまったので、もう少しだけサーモンランも何かできればと思います。もうちょっとお待ちください。
井上 告知になってしまうのですが、タワーレコードさんとのコラボがありまして、そこで『オクト』に至るまでの企画段階からの歴史が追えるようになっているので足を運んでもらえればと思います。前作から3年ほどでまだまだ歴史は浅いんですが、浅いなりに濃い軌跡を見ていただけるかなと。絵や裏話がたくさん展示してありますので、ぜひご覧ください。
峰岸 前作から『2』と、これまで支えてくださった皆さんにはありがたい気持ちでいっぱいで、もっともっと楽しんでいただきたいです。同時に、まだ未体験の方にも「なんだかおもしろそうだな」と興味を持っていただけるような取り組みをしていきたいという心持ちです。
野上 E3でも発表しましたが、7月以降もアップデートを継続しますので、僕らとしてはまだまだ終わっていないという感じです。つぎのフェスの告知も始まっていたりしますので、お客さんに「まだこんな手があるか」と驚いていただけるように、これからもがんばっていきたいと思っています。E3の世界大会でも、各地域の選手の皆さんと話をさせていただいて、世界中の人たちがゲームでつながるのってすばらしいなと感じました。JAMSTECさんやサンリオさんなどの、コラボでご協力していただいた方々にも、「『スプラトゥーン2』といっしょにやってよかったな」とこれからも思ってもらえるようにこれからもがんばりたいと思います。第4回スプラトゥーン甲子園もありますしね!
――こちらこそよろしくお願いします! もうすぐ開幕しますので楽しみにしています。今日はありがとうございました!
『スプラトゥーン』のインタビューは、聞けば聞くほど、濃い内容が語られ、その話をさらに掘り下げると、もっと深い話が出てきて、驚かされる。今回も『オクト』に込められた想いに驚かされるばかりだ。じつは、そんな『スプラトゥーン』に関するインタビューは、これだけでは終わらない。今回の記事を皮切りに、サウンドスタッフへのメールインタビュー、そして、ハイカライブなどのアレンジを手掛けた大山徹也氏へのインタビューと、『スプラトゥーン2』1周年を記念した、今回を含めた3日連続インタビュー掲載となっているのだ。もっともボリュームがあるものは今回の記事だが、ほかの記事も驚くようなこだわりがたっぷりと明らかになるので、お楽しみに! また、以前のインタビューを読んでいない方は、下の記事もぜひ読んでいただきたい!
[2018年7月23日12時10分追記]
サウンドスタッフへのメールインタビュー、
ハイカライブのアレンジに関する大山徹也氏のインタビューを公開しました!