- エアビーアンドビーのジョー・ゲビアは、現在バックヤードにタイニーホームを建てるスタートアップ、サマラの共同創業者である。
- サマラのスタジオと1ベッドルームのADU(付属住宅ユニット)は、設置費用を含め29万ドルからとなっている。
- ADUはここ数年、アメリカ全土で増加の一途をたどっている。
エアビーアンドビー(Airbnb)の共同創業者ジョー・ゲビア(Joe Gebbia)は、短期賃貸業に別れを告げ、バックヤードに設置するタイニーホームの仕事を始めた。今、付属住宅ユニット(Accessory Diving Unit:ADU)市場は継続的なブームの兆しが表れている
ゲビアは現在、サマラ(Samara)というタイニーホームのスタートアップの共同創業者となり、敷地内に置けるようなスタジオや1ベッドルームを工場で生産し、顧客の自宅の庭に設置する計画を立てている
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、サマラは2016年にエアビーアンドビーの社内デザインスタジオとしてスタートし、2022年に独立したという
Source: Airbnb, The Wall Street Journal
しかし、このスタートアップは、シリコンバレーが誇る企業、エアビーアンドビーとの関係を断ったわけではない
逆にエアビーがバックについていると言っていいだろう
もう一人の共同創業者マイク・マクナマラ(Mike McNamara)を含め、サマラの創業時の社員は全員エアビーアンドビーで働いていた
カリフォルニア州ベイエリアにあるこの新企業は、斬新なアイデアを売りにしているわけではない
ここ数年、ADUは不動産市場に波風を立たせている
「タイニーホーム」とも呼ばれる戸建のADUは、敷地内に部屋を増やして不動産の価値を高めると同時に、独立したゲストルームやオフィス、ジムなどとして利用することもできる
この小さなユニットを賃貸すれば(多くの場合、従来の住宅よりも手頃な価格で)、オーナーは安定した収入を得ることができる
西海岸では自宅のバックヤードにこの人気の小さなユニットを建てる人が増えている
Source: The Atlantic
さらに、新しい地方条例の助けもあって、この傾向は今や東海岸でも同様に加速している
Source: The New York Times
より多くの州や都市がADUを推進するようになれば、この小さくても強力な家は、The Atlanticが郊外での潜在的「住宅革命」と呼ぶ現象に拍車をかけるかもしれない
Source: The Atlantic
数年前からいくつかのタイニーホームのメーカーでは数カ月待ちの状態が続いている
Source: Insider
そして今、サマラはとどまる勢いを知らないADUのトレンドに乗ろうとしている
サマラはバックヤードに建てるタイニーホームとしてだけでなく、安らぎの場所、オフィス、レンタル物件、ゲストルームとして利用できると述べている
Source: Samara
29万ドル(約4044万円)のスタジオと33万ドル(約4600万円)の1ベッドルームの2モデルが用意されている(いずれも工事費込みの価格)
この家はソーラーパネルで電力をまかなう
家の中は、都会の小さなアパートのようなイメージだ
そこには、窓の並ぶ壁、開放的な間取り、現代的な設備がある
430平方フィート(約49平方メートル)のモデルには、ガスコンロと食器洗い機のあるキッチン、洗濯機と乾燥機を備えたフルバスルーム、そしてリビングルームにはベッドを置くのに十分なスペースがある
一方、より広い550平方フィート(約51平方メートル)のモデルには、スタジオと同様の設備に、デスクとドレッサーを置くことができるベッドルームが一部屋追加されている
注文後も何年も待たされることはない。サマラの製品は、製造工程を工夫することで、発注から7カ月で納品することを実現している
鉄骨製のこのタイニーホームはサマラの工場で作られ、トラックで家のバックヤードに届けられる
Source: Samara
購入者の負担を軽減するため、バックヤードの基礎の準備、許認可手続き、クレーンを使用する家の設置などもサマラが担当するという
今のところ、サマラのタイニーホームは、ADUに特に好意的なカリフォルニア州でだけ手に入る予定だ
Source: California Department of Housing and Community Development
だが小型住宅市場は急速に成長しているため、近いうちに近所の家のバックヤードにサマラなどの小型住宅が設置されても不思議ではない
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)