人生万事塞翁が馬

青少年更生寮の「ホザナハウス」を訪問した話

こんばんは。

2月18日(月)こちらのホザナハウスを訪問させてもらいました。

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ホザナハウス http://hozana.jimdo.com/

その名の通り、青少年の更生施設で、帰る場所のない非行少年をあずかって、社会復帰できるように教育し、支援するための場所です。

そこの担当牧師をしていらっしゃるのが、
森 康彦さん。わたしの急なご連絡にも優しく、親身に対応してくれた素敵な方です。

実は元ヤクザで銀座でぶいぶい言わせていたんだとか・・・。(笑)

そんな森さんに今の職業ににるまでの経緯と熱い想い、現状などを語っていただきました。

先ほど申しましたが、森さんはヤクザで、覚せい剤も散々経験していたのだそう。しかし、教会と出会い、回心し、クリスチャンヤクザとして活躍し、その後ヤクザ界の兄貴の借金を一気に背負うことになり、その後破門。それから、関西にて、神学の道に進んだのだそう。

今のホザナハウスの原型ができたのが数年程前で、最初は3LDKのマンションからスタートしたのだそうです。それがどんどん知り合いの口コミで入居者が7人にまで増えてしまい、去年の3月から今のホザナハウスに至った。

しかし、そのような保護施設に対する地域住民の反発は激しく、なかなか理解をしてもらえないいのが現状。森さんはいつだって抵抗していたのだが、今度は矛先が家主さんのところへ向かい、やむなく立ち去ることを決意しました。

しかし、ひるむこともなく森さんは今度は農園を作りたいなって考えているんだと笑ってらっしゃいました。
いやー、お強いです。

そんな森さんにいくつか質問をなげかけました。

・どんな少年が住んでいるのか?
 覚せい剤、窃盗、虞犯少年が多いのだとか・・・。あとは、人格障害や、アスペルガー症候群を抱えている子も以前は住んでいたとおっしゃっていました。

虞犯少年…前科があってもなくても、施設の規則が守れないので、犯罪を犯すのではないかと疑われている少年のことです。

アスペルガー症候群…わたしの言葉では御幣がありそうなので、リンクをおかりします。http://www2u.biglobe.ne.jp/~pengin-c/autism-as.htm

このお話で衝撃を受けたのが、親が子どもの障害のためにノイローゼになってしまうという事実でした。


少年A 18歳は軽いアスペルガーを抱えていたのだが、ある日持ち主のない放置自転車を乗った際運悪く警察に捕まってしまい、親が呼び出しを受けた。しかし、普通であれ親が迎えに来て、一喝されてめでたしとなるところだが、少年Aの両親は電話口で「好きにしてやってください。」と言うなり電話を切ったのだった。

交番で身柄を拘束していても仕方がないということで、少年院に送るかという話まで出たらしいが、
その話を誰かが森さんに持ちかけたときに、森さんが預かることを決意。後に森さんは両親に話を聞いたところ、その二人は息子の障害に直面して精神が病んでしまったので関わりたくないと切られてしまったのだ。

息子は心配だが、このままだと自分たちの方がおかしくなってしまうのだと。

またもうひとつのケースは
少年Sの 15歳の話なのですが、彼の場合は虞犯であった。施設の決まりが守れないものなので、森さんのもとに引き取ってくれないかと関係者から持ちかけられた。

彼は、窃盗?をしたのちに施設に預けられたのだが、ホームシックになり、夜中に施設を飛び出して、タクシーに乗って家まで帰ったのですが、家の前まで来ても親が出てくれない、結果無賃乗車で警察に連れていかれたのだ。

彼は、幼い頃より虐待を受けていて、供依存障害を抱えており、さらに脱法ハーブの影響か、乖離障害をも抱えていた。だからあるとき突然「ここはどこ?あなた誰?」の世界になるのだ。
これは、自分ではどうにもできないのだろうなと思い、森さんは彼を入院させることを決意。

このように、親の育て方が悪いとは一概には言い難いケースが多数あります。
それもそのはず、親といえど人間ですし、障害に関しては素人なのです。どうしてよいのかわからないのが当たり前です。

その上この手の発達障害は外見で判断することが困難で、発見が遅れることがほとんど。中には発達障害を抱えていることを気付かずに一生を過ごす人もいますし、それと気づかない親は知らぬ間に子供を虐待しているといったケースもよくある話なのだそうです。

深刻な話ですが、世間ではまだまだ偏見が激しくこういった福祉に関するものは数少なく、面倒を見るところが限られています。さらに、加害者支援という名の下では寄付金も集めることに限界があります。

非行に走る前に適切な教育ができる環境が整っていればなあと思います。

その中でも自立している人はいます。

・どのように指導しているのですか?

森さん自身も覚せい剤に手を染めていた経験があり、覚せい剤から足を洗えたのは自分の親分に対する忠誠心と出世欲だったとおっしゃっていました。

当時の自分の幸せは親分に心から信頼されているということに尽きたそうです。

そこで、ここで過ごす少年たちにも、自分の幸せを求めろと指導しているのです。その中で大切な人ができたり、自分の中であるミッションが生まれたりした方は自立して、社会復帰しているのです。

少年たちに必要なのは、自分が必要とされている自尊心だと思います。
帰りに一人の入居者の方とお話したのですが、とっても笑顔が似合う人だなーという印象が強かったです。どうしてこの人がとも思いました。

もう一人とも少し言葉を交わしたのですが、素直そうで素敵な方でしたし、なんかもうちょっと関わってみたいなーって思いました。

レッテルだけで判断するのはナンセンスです。
誰でもミスはするものです。反省するチャンスを与えるようなシステムがあれば理想ですね。

結論薄いですが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。