「派手な髪色もOK」で従業員にどんな変化が? ユニーが50年ぶりルール緩和で経験したことドンキに続く(1/2 ページ)

» 2022年12月07日 06時30分 公開
[濱川太一ITmedia]

 従業員の髪色は黒か栗色――。そんな服装ルールを設立以来50年ぶりに見直した企業がある。東海地方を中心にスーパー「アピタ」や「ピアゴ」を展開するユニーは、11月から社内ルールを緩和し、従業員の髪色の規定をなくした。「利用者に不快感を与えないか」という懸念を乗り越え、見直しを決断できたのは、なぜなのか。

ユニーは11月から従業員の髪色の規定をなくした(ユニー提供、以下同)

 「『身だしなみも時代に変化対応していくべき』だと考え、従業員1人ひとりの個性を出せるようにと社内で意見がまとまりました」(担当者)

 同社は1971年創業。現在、東海をはじめ関東・北陸・近畿エリアに134店舗を展開する。2019年にディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の傘下に入った。

 ルール緩和の背景には、親会社の動きがあった。PPIHは今年3月、髪色やネイルの色を自由化すると発表(関連記事)。一方で、グループ内でユニーだけは「客層が異なる」としてルール緩和の対象外となっていた。

「利用者に不快感を与えないか」

 その後、ユニー社員から「髪の色は自由にならないのか」と意見が挙がり、改めて検討に入った。最も重視したのは「利用者に不快感を与えないか」という点だったという。

 「そこで、あるルールを設けました」と担当者は話す。

 それは「派手な髪色に染める場合は、お客さまに見られていること、店舗の印象につながりやすいことをより意識し、店舗で一番元気なあいさつと好印象な接客を心がける」というものだ。

「髪の色は自由にならないのか」と社員から意見が挙がり検討を進めた

 「髪色の自由化を先行して実施したドン・キホーテの取り組みからも、従業員の接客が好印象であれば、髪色が自由でもお客さまに与える不快感は軽減されるのでは、という手応えがありました」(担当者)

 さらに、髪色の自由化は、多様性を受けいれる企業文化を推進することになり、「新しい価値観を持った多種多様な人材の採用にもつながる」と考えたという。

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