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旧統一教会から身内を“脱会”させた経験者が語る難しさ「引き離して説得する必要が」

社会・政治 投稿日:2022.07.23 17:37FLASH編集部

旧統一教会から身内を“脱会”させた経験者が語る難しさ「引き離して説得する必要が」

【写真あり】山上容疑者は中学時代“こてつ”や“こてっちゃん”と呼ばれていた山上容疑者は中学時代バスケ部に所属。ポジションはフォワードで、シュートがうまかったという

 

 安倍晋三元首相を銃撃し、逮捕された山上徹也容疑者の母親が、検察の聞き取りに対し「旧統一教会に迷惑をかけて申し訳ない」という趣旨の話をしていると7月22日、NHKが報じた。

 

 事件は、容疑者の母親が「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」に入信し、多額の寄付をするなどして家庭が崩壊、容疑者が教会への恨みを募らせた末に、起こしたものとみられている。

 

 

 息子がこれだけの事件を起こしたにもかかわらず、旧統一教会への信仰を揺るがせない母親。なぜ、この母親を脱会させることはできなかったのだろうか――。

 

 旧統一教会から身内を脱会させた経験を持つ、ITジャーナリストの星暁雄氏に聞いた。

 

「なぜ容疑者の母親は、教団から抜け出せなかったのか。真剣にのめりこんだ信者を脱会させるには、ある程度の期間、教団から引き離したうえで説得しないと無理です。山上家の場合、それができなかったからです。

 

 私が経験した旧統一協会からの脱会工作では、身柄を確保して、つまり閉じ込めて、2週間程度の期間にわたり説得し、マインドコントロールを解除していきました。他人を閉じ込めるわけにはいきませんから、これは身内、親族がおこなう必要があります。

 

 ただし、身内による説得だけでは、脱会は無理です。当方の場合は、脱会カウンセラーとして有名だった日本基督教団の牧師に助けてもらいました。元新体操選手の山崎浩子氏の脱会工作にも立ち会った方です。

 

 ただ、強制的な身柄の拘束はトラブルになりやすく、最近では、平和的に説得して自分の意思で、話し合いに持ち込むことが望ましいとされています。

 

 山上容疑者の母親の場合、夫は自殺しており不在、父親(山上容疑者の祖父)は高齢でした。

 

 山上容疑者のものとされるTwitterには《70を超えてバブル崩壊に苦しむ祖父は母に怒り狂った、いや絶望したと言う方が正しい。包丁を持ち出したのその時だ》とあります。あるいは、このタイミングで脱会工作を実施していれば、脱会できた可能性はあったかもしれません。祖父が中心となって、母親の身柄を確保して脱会カウンセラーの助力も仰いで説得していれば、あるいは……。

 

 ただ、この時点で家庭はすでに崩壊状態だったようで、そうした積極策に出る発想やエネルギーが出なかったのかもしれません。

 

 また、この時点で未成年だった子供(山上容疑者やその兄妹)が、母親の脱会工作を実施するのは無理があります」

 

 山上容疑者は1980年生まれ。父親は1984年に自殺し、母親が入信したのは1991年ごろとされている。母親はその直後に5000万円を献金し、1999年ごろまでに1億円を献金している。2002年には母親が破産宣告を受けるが、その後も献金は続いたという。

 

 旧統一教会は、7月17日に出した声明文で「当法人信者はかつて、拉致監禁・脱会強要という違法な人権侵害の被害に遭って来ました」と、脱会工作を人権侵害だと主張している。

 

 信仰の自由は守られなければならないが、信仰をやめる自由もまた、保障されなければならない。

 

( SmartFLASH )

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