二次会の幹事がスキすぎて仕事にしてしまったeruです

友達

ねぇ、ちょっと二次会の幹事やってくんない?

友人のそんな軽い言葉から始まった、僕の第二の人生。

散々好きな事をして生きてきた自負はあったものの、まだ「起業」という未知の領域には足を踏み入れた事がなかった。

そしてこの時まだ僕は、自分が「結婚式二次会の幹事代行業で起業する」とは微塵も思っていない。

新郎側の友人、僕を含め3名。
新婦側の友人、美女が3名

「二次会は出逢いの場だ」

なんて誰が言ったのだろうか。
二次会よりも、幹事の方が圧倒的に濃い関係性を作れる。

美人を前にテンションも上がり、幹事同士の打ち合わせはとにかく楽しい時間だった。

  • 二次会でどんな事をするか
  • 余興はどうするか
  • 歓談中の音楽はどうするか
  • 新郎新婦の入場ではどんな音楽を流すか

実際に幹事をやってみるとわかるが、あまりにもやるべき事が多すぎる。

温泉につかりながら一杯やっているかのごとく、美人を目の前にした幸せな打ち合わせが終わると…


真夜中まで家中のCDを漁りコンポにブチ込んで二次会中の音楽を選曲する

という修行のような日常が待っている。

と、思っていたのだが…

実際は「寝るのも忘れるぐらい楽しい」という想像とは真逆の世界が待っていた。

もともと音楽が好きだった僕は、毎晩取り憑かれたようにCDを聴き漁る。

当時の僕

うん。なんだかこの曲はちょっと違う気がする~。

と、独り言をいいながら。

そして迎えた二次会当日は、なんとも言えない緊張感と高揚感が僕を支配した。

毎晩寝る間も惜しんで想像していた空間を今「自分が創っている事」に僕は、文字通り夢中だった。

無事に大成功を収めたその二次会は、僕の人生を大きく変えることになる。

幹事グループの繋がりは残ったものの、「夢中」を失った僕は心にぽっかり穴が開いたようだった。

そしていつしか「これ、仕事にしたら楽しんじゃね?」と思うようになり、プロの業者さんに弟子入りして2年ほど修行を積んだ。

満を持して独立するが、世間はそんなに甘くない。
起業1年目の年収は50万。月収ではなく年収だ。

この時点で家族を持っていた僕は、あまりにも厳しい現実に打ちひしがれる毎日だった。

  • 毎日必死に営業まわり
  • 毎日朝4時からポスティング
  • 毎日夜中までブログを書く

何をしてもまったく仕事が入らないのだ。

さらに追い打ちをかけるかのように、妻との関係も悪くなっていった。

お昼ごはんを食べるお金もなく、財布に入っているのは常に数千円。
セブンイレブンのトリプルカリカリチーズで飢えを凌ぐ日々だった。

神様なんていないんだ

そう痛感した瞬間だった。

それでも僕は決めていた事がある。

「パリッとスーツを着て成功している自分を常に演じる」

それだけは守っていた。

そんな時、転機が訪れる。

自分が書いたブログから二次会の問い合わせが入ったのだ。

「自分の二次会を見てもらえれば、きっとそこから仕事が増える!」

そう思っていた僕は、その二次会に全身全霊を注いだ。

これが、人生を変える二次会だった。

新郎新婦のお二人には、こっちが恥ずかしくなる程感謝していただき、ゲストの皆様にも

ゲストA

今まで参加した二次会で一番楽しかったわよ。オーホホホホ♪

と帰りに声をかけていただき、そして会場のオーナーさんにも

オーナー

うむ。色んな業者さん見てきたけど、君の所がダントツトップのクオリティだ。

と言って頂き、またたくまに仕事が増えた。

いつしか支店を出すまでに成長し、事務所も借りて社員も雇った。

有頂天だった僕は、どんどん営業エリアを広げて各地に進出して行った。

ところが...

またしてもこの世の厳しさを痛感することになる。

無鉄砲に事業を拡大しすぎて、ずっと大事にしていた「人と人との繋がり」をおろそかにしてしまう。

その結果、売上は激減。

各地から撤退を余儀なくされた。

それだけではない。
むしろ事業存続の危機ですらあった。

まったく売上が見込めないまま、事務所の家賃やスタッフの人件費だけがひたすらに消えていく。

さらに僕は、事業拡大のために借金までしてしまっていた。

当時の僕

終わった。

さすがにそう思った。

車で移動中、何度泣いたことか。

起業という道を捨て、会社員に戻る事も考えた。
でも、どうしてもこの仕事を諦めきれなかった。

「みんなごめん。
この会社は潰れます。」

頭から火を吹くんじゃないかと思うぐらい、考えに考えて出した答えは「解散」だった。

そして僕はひとりで、再起を選択する。

何をどうすれば仕事が入るかを経験した僕は、ありとあやゆるものを捨て

最短ルートで仕事を取ること」

にだけ注力した。

その結果、結婚式場7社と提携するまでに成長した。

他にも過去の新郎新婦様からの紹介や、カフェやレストランのオーナーさんからの紹介。

今まで自分が大切にしてきた「人と人との繋がり」が、やっと報われた気がした。

このままいけば借金も早々に返せる!

そう思っていた矢先、また僕の首をへし折るヤツが現れた。

新型コロナウイルスだ。

ヤツの影響でブライダル業界はほぼ壊滅。

同業者で潰れたところも多々あった。

幸いにも僕は、過去の失敗を活かし固定費を極限まで減らしていたので、前のように潰れる事は回避できた。

ただ、「潰れない」のと「食べていける」はまったく相反する。

僕はさらに固定費を減らし、なんとか次の打開策を模索した。

事業というものは、利益がなければサービスを提供できない
理由は簡単で、会社が潰れてしまうからだ。

夫婦関係も同じで、お金がなければ潰れてしまう。

新婦A

私たちには愛があれば大丈夫!

なんてのは幻想だ。
愛もお金の上に成り立つことを僕は知っている。

幸せな空間で仕事をしている自分が、離婚の危機だった。

オンライン二次会やフォトウェディング、もちろんブライダルとは関係のないビジネスにも手を出した。
ある程度稼げはするものの、やはり自分の好きな事でなければ身が入らない。

あーでもないこーでもないと必死に次の手段を探していると、あるワードが飛び込んできた。

メタバースだ。

仮想空間、仮想現実、言い方は様々だが要はインターネット上に創られたバーチャル空間のことだ。

最初はいまいち仕組みを理解できなかったが

誰か

サマーウォーズのOZみたいなもんだ

という、どこかの誰かが言ったその言葉に、首がもげる程納得したのを覚えている。

早速、メタバース内のアバター、つまりは自分が操作するキャラクターを作りメタバースのいろんな空間に遊びに行ってみた。

「これだ」と思った。

この空間なら、自分の思い描く理想の二次会ができる!

そう思い、メタバースの可能性に掛けてみることにした。

2日で事業の構想を練り、光のような速さでドメインを取得し、あっという間に20記事ほどのブログを書き上げた。

同時に音響システムも構築し、ほんの数週間で準備が整ってしまった。

今までの自分の事業と大きく違うのは、収益モデルだ。

リアル世界での二次会幹事代行は

二次会にかかるすべての費用をゲスト会費でまかない、不足分のみ新郎新婦にご請求する

というもの。

だがこのメタバースでの二次会は

ウチのサイトに広告を出したい企業や個人からお金を頂戴し、新郎新婦には1円も請求しない

という収益モデルにした。

特に真新しいこともないごく一般の収益モデルだが、ブライダル業界ではおそらく初だろう。

新郎新婦様からお金をもらう事を捨て
企業や個人からお金をもらう事にした

簡単に言うと、そんな感じになる。

  • 新郎新婦は無料で二次会が開催できて
  • 企業は狙ったターゲットに広告が打て
  • 僕にもちゃんと利益が残る三方良し。

ただ、メタバースでの二次会をスタンダードにしていくつもりはない

あくまでも「結婚式に心残りのある新婦様を笑顔にする」のが目的だ。

2019年の新型コロナウイルスの登場依頼、数々の涙を目にしてきた。

新婦B

「もう、結婚式は諦めます…」

新婦C

「もう、どうすればいいかわかりません…」

誰のせいでもないこの状況に、怒りをぶつける場所すらない新婦様を見て何もできない自分に、正直苛立っていた。

「いや大丈夫ですって!
やりましょうよ!!」

なんて無責任なこと、口が裂けても言えなかった。

でも正直「辛い思いをしている新婦様を救いたい」なんて大それた事を言うつもりはない。

それより「これなら笑顔になれるかもよ」という、あくまでも選択肢のひとつとして考えて欲しいと思っている。

本当なら「一生に一度の最高な日」になるはずだった結婚式。

それが、違う意味で一生忘れられない日になってしまうのは、あまりにも痛々しい。

そんな僕の想いをカタチにしたのが、この「花嫁のシンギュラリティ」だ。

シンギュラリティとは「人工知能により人類の生活に大きな変化が起こる概念」のことを言う。

結婚式に心残りを抱いたままの花嫁さんにとって「花嫁のシンギュラリティ」が大きな変化になれば。
そんな想いを込めて、ありえないほど真剣に立ち上げた。

一人でも多く、花嫁さんの笑顔に逢える事を心から願って、自己紹介の幕を降ろそうと思う。

 

と、まぁ簡単に言うと僕は「二次会がスキすぎる二次会バカ」だと思ってもらったら間違いないかなと。
もし、万が一こんな僕に質問などあれば下のコメント欄に書き込んでみてください。

「イチから自分のチカラを試してみたい」という想いもあり、身バレせずに進めていく関係で実業の事に関してはお答えできない事もあるかもしれませんが、可能な限りお返事させていただきます。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

eru