古代ギリシャ、古代ローマ以来、民主制も共和制も堕落し、独裁者の登場、政治的無関心の拡大する危険は指摘されてきたので、そのセーフティネットとして陶片追放のような制度が必要だった。そのセーフティネットに当たるのが日本では憲法に他ならない。憲法は敗戦の産物であり、軍事独裁や人権侵害からの解放宣言だった。
人は徳を求めるより欲に走るので、社会は時とともに腐敗するし、権力は揺らぎ、紛争も避けられない。武器産業を潤わすために、また自らの権力維持のために戦争に前のめりになるような権力者よりも、法を遵守し、戦争を回避しようとする民衆の方がよほど賢く、分別がある。ちなみに日本の君主もまた、一貫して法の遵守と戦争の回避を宣言してきた。