定員150人と類のない大規模な病児保育施設だった「東海キッズケア」(横浜市港南区)が閉鎖した。年間1億円の赤字で、継続した運営が厳しいと判断したため。横浜市に助成を要望していたものの、かなわなかった。
岡田 栄一 氏
私たちが運営してきた病児保育施設、「東海キッズケア」が2019年12月で営業を終了しました。赤字経営が続き、横浜市に対して運営費の助成を求めていましたが、受けられる見込みがなかったためです。施設を頼りにしていた利用者には申し訳なく思います。
東海キッズケアは17年7月に開業しました。岡田眼科と同じビルに所在し、私の妻が社長を務める東海メガネ・コンタクトが横浜市港南区に開業した医療モール内の2階と4階のスペースで運営していました。計17室、定員150人という全国でも例のない大規模な病児保育施設で、利用希望者を断ったことは一度もありませんでした。
私が東海キッズケアを開業した理由は、少子化が進む中で社会貢献をしたいとの思いがあったためです。
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2件のコメント
しんこ
当初は、とあるのでその後値上げをされたのかもしれませんが、人件費だけでも、1/10以下(1対1)で提供した結果の利用者数なのであれば、健全な需要供給ではなく利用者数が多くなるのは当然なのではないでしょうか(横浜市のHPを見ましたが、受入数を
限定した上での市の施設でも2000円で倍額以上です)。その条件のまま自治体に押し付けようというのは初めから計画が破綻していたのでは?という気がします。当てにして転居したご家庭も自己責任ではありますが、結果的には不誠実な対応になってしまったのではないでしょうか。...続きを読むともら
病児の受け入れを断らない施設を作るという目的もさることながら、敢えて当初の利用料を下げて実際の需要を計るという行政ができないことにチャレンジしていることも素晴らしい。こういうことが民間ならではの発想といえるでしょう。これは役所の現場がやり
たくても納税者や議員、組織上部から横やりが入って決して実現しないと想像できます。...続きを読む当初のこうした試みによって需要が想定でき、かけられる費用、課すべき適切な利用料が算定できて事業が軌道に乗るわけですから、行政としてはこのような試みを支援してもらいたかったとは思います。
おそらく横浜市は極小規模施設を多数作って病児保育の需要に応えることを目的として施設を展開していて、このような大規模施設が適切に稼働すると自らの施設計画とバッティングするため敢えて財政的な援助はせずに、潰れるように仕向けたのだと思いますが、残波ですね。
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