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【MLB】鈴木誠也「僕を分かってもらえなかった」 故障や不振よりも…苦悩した“メジャーの壁”

Full-Count / 2022年11月28日 10時8分

カブス・鈴木誠也【写真:Getty Images】

■「僕がどういう人間かを分かってもらえていかなかった」

 カブス・鈴木誠也外野手にとって最もキツかった“メジャー1年目の壁”は、故障でも技術の問題でもなかった。鈴木は27日、MLBジャパンが沖縄セルラースタジアム那覇で開催した草野球の全国大会「MLBドリームカップ2022」にスペシャルゲストとして参加。報道陣の前で、一筋縄ではいかなかったシーズンを振り返った。

 111試合出場14本塁打46打点、打率.262。MLB労使交渉の不調に伴うロックアウトの影響で、カブスとの5年契約が3月18日にずれ込み、満足な春季キャンプを送ることができなかった。4月には週間MVPを獲得したこともあったが、5月には二盗の際に左手薬指を痛め故障者リスト入りするなど、様々な落とし穴が待ち構えていた。

 鈴木はこう語る。「この1年は環境に慣れることで精いっぱいでした。チームメートをはじめ、アメリカ人との関係性をつくることが難しかった。野球より、そっちの方で悩むことが多かった。食事もそう。頭が技術の方に回っていませんでした」

 文化、習慣の違いは馬鹿にできない。米国人から見ると、日本の選手の練習量が理解不能なほど長いと思われることも多いようだ。鈴木は「練習時間がすごく短くて、何をしていいのか分かりませんてした。1人で長くやっていると、(いろいろ)言われますし……。結局、僕のやり方や、僕がどういう人間かを分かってもらえていなかった。そこからしっかりつくることが大切だと、改めて思いました」と吐露した。


「MLBドリームカップ2022」にスペシャルゲストとして参加したカブス・鈴木誠也【写真:宮脇広久】

■来季から導入のシフト禁止は歓迎「ヒット性の当たりを捕られると一番調子が狂います」

 そんな苦難の経験を無駄にはできない。「環境にはある程度慣れました。来年は野球に集中できる。しっかり、いろいろ考えてやっていきたいです」と思いを新たにしているところだ。

 MLBは来年、画期的なルール変更を行う。ピッチクロック(投球時間制限)、一、二塁間を野手3人で守るような極端なシフトの禁止(二塁ベースを境に2人ずつに分かれなくてはならない)などである。鈴木は「投球間隔が短くなるかもしれませんが、僕はもともと、あまり打席を外さない方なので大丈夫です。試合が早く終わればいいです。長いと、しんどいので」と意に介さない。

 シフトの禁止については「センターラインが広くなるのはありがたい。僕も今年、センター前だと思った打球を何度か捕られましたから」と大歓迎だ。「打者はヒット性の当たりを捕られると、一番調子が狂います。(これまでのメジャーのシフトは)極端過ぎますよ。特長のある打者が多い中で、ヒットゾーンを消されてしまうので、そりゃ3割打者が少なくなるのも無理はないって思います」と説明。極端なシフトを敷かれるなら、逆をついて、空いているスペースに打てばいいのではないかとも思ってしまうが、「ボールが来るのは一瞬ですよ? そう簡単に狙って打てるものではありません」と苦笑するのだった。

 来季こそ本領発揮を期すが、開幕前の3月には第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)もある。鈴木は出場の可否について、「もちろん出たい気持ちはありますが、球団の意向も尊重しなければならない。結構悩んでいます。なるべく早く、年内には答えを出したい」と語るにとどめた。注意深く周囲の人たちの気持ちを汲みながら、最良の道を探っている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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