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ひとり親の今と未来をよくする

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ひとり親の今と未来をよくする

私たちはシングルマザーの心と体のセルフケアを応援するために「シングルマザーのセルフケア」というオンライン講座を無料で提供しています。シングルマザーが心身を整え、自身が持っている力を発揮できるよう、エンパワーする活動をしています。

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シングルマザーの心と体のセルフケアとエンパワメント

活動報告

なにをやっているのか

子育ての責任を一手に担うシングルマザーが、自分の身体や心をケアする時間を持ち、シングルマザー同士が地域を超えて交流することで、互いを励まし合えるような機会を提供しています。

1)シングルマザーのセルフケア講座
大切なことだとわかっていても、どうしてもあとまわしになってしまうのが自分自身のケア。ストレッチで全身を丁寧に動かす60分のオンライン講座では、参加者同士の対話の時間もあり、体だけでなく気持ちもラクになります。

2)人生を豊かにする学びの講座
感情の扱い方、対人関係、思春期の子どもとの向き合い方、マネーリテラシーなどひとり親が自分らしく生きていくための知恵を身につける講座。シングルマザーの深い悩みを解決するためのアクションをとるきっかけと伴走を提供しています。

3)啓発キャンペーン
ひとり親への偏見や差別をなくし、生き方の多様性、家族のあり方の多様性を祝福するキャンペーンを年に2回実施しています。キャンペーンは、そのつどシングルマザーの有志のボランティアでチームを結成し、企画を進めていきます。参加することがOJTにもなり、シングルマザーのエンパワメントにもなっています。

なぜやるのか

ひとり親家庭の世帯数の増加
21世期の私たちの暮らしは、一人ひとりの自分らしさが尊重され、多様な生き方、多様な家族のあり方が認知され、差別や偏見のない社会へと変容しようとしています。私たちが暮らす日本においても、離婚率の増加にともない、母子家庭や父子家庭といったひとり親家庭が増えています。物理的な制約を抱えながら、子育ての責任を一手に担う重責は、ひとり親の肩に重くのしかかり、体力的にも精神的にも疲弊しやすい状況にあります。また、社会的にマイノリティである彼/彼女らは、偏見にさらされ、心ない言葉をかけられることも少なくありません。こうしたひとり親への支援や理解は、まだまだ足りているとは言えません。

シングルマザーの心身の健康の大切さ
ひとり親の大きな割合を占めるのは女性、シングルマザーです。*(1) 女性であることによって社会的な立場が弱くなりやすく、貧困のリスクも高まります。ひとり親への支援は、公から民間まで、さまざまなものがありますが、「精神的・身体的ケア」は本人の自己責任となっています。ひとり親が自分の時間をもつことは贅沢だと罪悪感を抱き、自身を追い詰めてしまっているケースも多く見受けられます。 子育て中の大人が前向きさを保つには、適切な休息や心身のセルフケアが必要ですが、その必要性を理解しても、この困窮した状態において、自身でその機会を作る余裕はありません。日頃、自分の時間をもつ余裕のないシングルマザーが少しでも自分の身体をケアする時間を持ち、シングルマザー同士が地域を超えてオンラインで交流できることは、身体的な健康と、精神的な安定をもたらします。そのインパクトは子どもに直接影響が及びます。

多様な家族のあり方、多様な生き方が尊重される時代へ
どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心身の健康と、人とのつながりが土台となります。こうした機会をシングルマザーが持てるような支援をおこない、一人でも多くのシングルマザーが健康に暮らし、自分の力を発揮し、その子どもも健やかに育つように、という願いを込めて、活動しています。

どんな効果があるのか?

2020年の春「シングルマザーのセルフケア講座」というストレッチと対話による60分のオンライン講座を始めました。「元気と笑顔を取り戻した」「子どもに優しくなれた」そんなポジティブな声をたくさんいただき、全国32都道府県からのべ1775人が参加しました。

観察された主な効果は以下の通りです。
1)身体的な効果
講座に参加することで定期的に体を動かす習慣がつく
2)精神への効果
体を動かし、安心感のある場で人と話せると、と気持ちが明るく前向きになる
3)安心感と励まし合い
シングルマザー同士で安心して交流でき、お互いに励ましあえる
*普段はひとり親であることを隠して生活しているいる人も多い
4)社会的孤立の防止
家族や職場以外の他人と話すことでリフレッシュできる
5)尊厳の回復
自分自身をケアする時間を持つことで、自分を大切にする気持ちが育まれる
6)子どもへの効果
母親の心身の状態が良くなると、子どもに余裕を持って接することができる
7)就労機会の可能性の向上
オンラインツールに親しむ機会となり、就労機会の可能性が広がる

どうやっているのか

シングルマザーのためのセルフケア講座を14か月続けてきて、見えてきたことがありました。

身体がほぐれる、誰かと話せてホッとする、というのはシングルマザーの健康に多大なるプラスの効果がありますが、実はその効果は持続的ではなく、あくまでも「今が良くなる」という性質を持っています。

そして「今が良くなる」ための機会を提供するだけでは、本当の支援にはならないということに気づいたのです。

ストレッチだけでは癒すことができない、深い悩みに向き合うための知識や技術が必要なこと。シングルマザーの「未来」が良くなるためには、「セルフケア」を土台として「学ぶ機会」が必要だということがわかってきました。

そこで、2021の後半は、シングルマザーの深い悩みに向き合うための講座を企画して実施してきました。
テーマは
1)感情
2)人間関係
3)お金
の3つです。

こうした講座に参加したことをきっかけに、参加者の皆さんにとって、お金のことだけでなく、生活のさまざまなこと(住まい、健康、人間関係、仕事、などなど)がポジティブに変化していく様子を、短期間で目の当たりにしました。現実を直視せずに、未来に対する漠然とした不安を持っていると、やみくもに「節約しなきゃ」と、気持ちも殺伐としてきます。しかし、このような講座で、専門家に伴走してもらいながら、仲間と励まし合っていけると、今まで目を背けてきたお金のことにも向き合える。そんな手応えを感じました。

シングルマザーズシスターフッドの支援のあり方としては
1)今が良くなる(セルフケア)
2)未来が良くなる(学び)
3)社会が良くなる(貢献)
この3つを循環させていく形をとっています。

ひとことメッセージ

私たちの支援のあり方は、困難な状態にあるひとを「守り・助ける」ものではありません。困難な状態にあったとしても、その人には力があると信じて、その力を発揮できるように後押しするような支援です。ですから、セルフケアの機会や学びの機会を通じて、力を取り戻したあと、その力を発揮できるような「貢献」の機会も作っています。

Mother's Dayキャンペーンや寄付月間キャンペーンなどの啓発とファンドレイジングのキャンペーンはシングルマザー当事者からスタッフを募って短期のチームを結成して運営しています。「講座を通して力を得た、その力を発揮して貢献したい」「まだこのような機会に出会えていないシングルマザーにも届けたい」「安価で参加できる仕組みを維持することに貢献したい」という真摯な思いから、手をあげてくれます。支援される側にとどまるのではなく、自分も支援したり貢献したりできる存在になれるのだというパラダイムシフトは、大きなエンパワメントになります。

どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心身の健康と、人とのつながりが土台となります。そのつながりの中で、さらに、自信をつけ、自分の人生のハンドルを自分で握っていけるよう、サポートしていきます。

このような「未来を切り拓く支援」が個人や社会に生み出すポジティブなインパクトを見てみたい!という方、ぜひご支援いただければ幸いです。