切りつけ被害の宮台真司さん、「暗がりで男が誰かわからない」
東京都八王子市の都立大南大沢キャンパスで29日夕に同大学教授で社会学者の宮台真司さん(63)が男に首などを切りつけられた事件で、宮台さんが「男が誰かわからない」と警視庁に説明していることが、捜査関係者への取材でわかった。同庁は殺人未遂容疑で逃げた男の行方を追っている。
捜査関係者によると、事件は29日午後4時15分ごろ、同キャンパスの路上で発生。宮台さんは男に首や後頭部、脇と膝などを複数回切りつけられたほか、身を守ろうとした際に両腕にも多数の傷ができるなどの重傷を負った。宮台さんは警視庁に対し、この男について「暗がりで誰かわからない」と話したという。
男は身長180センチ前後、黒のジャンパー、ズボン姿で、事件後に北方向に駆け足で向かう姿が近くの防犯カメラに映っていた。現場に凶器は残されておらず、刃物を持ったまま逃走したとみられるという。
同大学大学院に通う女性(24)は当日午後5時ごろ研究室にいたところ、「不審者がいるので外に出ないように」との学内放送を聞いた。その後に友人からスマートフォンを通じてニュースサイトのリンクとともに安否を気遣うメッセージが届き、事件に気付いたという。取材に「驚いた。怖いことが起きたんだなと思った」と話した。
事件を受け、都立大は29日午後5時50分ごろ、構内アナウンスで学生に集団帰宅を呼びかけ、職員が誘導して帰宅させたという。30日は通常通り授業を行う予定だが、事件が起きた南大沢キャンパスでは、構内の複数箇所に職員を配置し、警戒を強化するという。