18歳の頃にブログを始め、20代には年間に何冊も本を出版、30代の現在はさまざまなSNS発信をしている、はあちゅうさん。時代や自分を取り巻く環境が変わっても、常に自分の“暮らし”を切り取って、発信を続けています。
この秋には、AV男優・しみけんさんと4年間に渡る事実婚生活を解消、3歳の息子さんとのふたり暮らしがスタート。人生の大きな節目を迎えたはあちゅうさんは今、どんな暮らしの基盤を大切にしているのでしょうか。心の内に迫ります。
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大切にしたい自分の土台=暮らしの基盤は“仕事”
—今、一番大切な暮らしの基盤は何ですか?
「“自分の仕事”です。本当は“愛する息子”と言おうかと思いましたが、その息子との生活を守るには仕事が不可欠ですから。
それに親である私には、息子の将来に対して責任があります。シングルとなった今、今まで以上に仕事を頑張って稼いで、息子にさまざまな経験をさせてあげたい。
例えば、“教育移住”もそのひとつ。以前から、海外で子どもに教育を受けさせることに興味があるんです。私自身が子どもの頃に海外で暮らした経験があり、それが人生にプラスの影響を与えてくれたので、息子にもぜひ体験させてあげたいなと。
頭が柔らかい内に語学を身につけさせたり、多様な文化が溶け合っている環境を肌で感じさせたいですね」
—はあちゅうさんは学生の頃から現在に至るまで、ライフステージがいろいろと変わってきたと思いますが、その都度大切な基盤は変わってきましたか?
「私は常に、大切な基盤=目の前の暮らしです。ある意味、今も同じ。先ほど、仕事と答えましたが、仕事の先には息子との生活があり、それはまさに目の前の暮らしですから。
台本があるような企画コンテンツも、自分が見るのは好きですが、作るのは向いていないので、私は一貫して自分の暮らしの一部を切り出してコンテンツ化することにこだわり、発信しています。
SNSって現実と虚構が交錯していて、気をつけないとSNSに自分が飲まれてしまいますよね。私自身も、現実と虚構の境界線に悩んだ経験があるので、無理はせず、現実と地続きの発信を心がけています。」
自分をご機嫌にする術を知っておくと生きやすい
—人生は思いがけないことが起きるもの。そんなとき、心や暮らしがグラつくことがありますが、それを整える方法はありますか?
「私の場合はまず、手帳に文字にして書き留めることです。SNSのネタにするわけではなく、気持ちを落ち着かせる、満足させるためだけのもの。
ポエム風になってしまうと、読み返したときに恥ずかしくなってしまうので、『○○さんに○○○と言われた、嬉しかった』といった具合に、起こった出来事+感情を箇条書きで淡々と書くんです。同じ過ちを繰り返さないよう、失敗などのネガティブなことも書き留めています。
それから仕事柄、家の中での作業が多いので、心の風通しをよくするために意識的に外に出る機会も作っています。風や陽の光を感じると、『私の悩みはちっぽけだな』『あぁ、こんなときも世の中は動いているんだな』と感じることができますね。
食べることも、私の人生にとっては大事で、美味しいものを食べると気持ちが上を向きます。なので、お気に入りのお取り寄せをストックしておいて、気持ちの浮き沈みに備えています」
—ちなみに今年9月の事実婚解消のときは、いかがでしたか…?
「20代の頃は問題があると悩む期間が長かったですが、今は長期間ずっと悩むこと、そして深く落ち込むことも減った気が。夫と事実婚を解消した際も、ある一定期間を過ぎたら割り切れて、前向きになれていたように思います。
事実婚解消の理由はいろいろありますが、『私はこの人に愛されているんだろうか?』『お手伝いさんと何が違うのか?』などと疑問に思ったことは大きかったです。
この状態が長期間続いたら、私は心身共にボロボロになるだろうし、彼との関係性もぐちゃぐちゃになるだろうなとも思って。だから、事前に対策を講じる意味で、事実婚解消という選択をしました。
30代になって子どもを持ってから、悩むことで、時間を使うこと、モヤモヤした感情を長期間抱えて消耗することは避けたいと思うようになりました」
—今振り返ると、はあちゅうさんにとって、結婚や離婚はどんなものでしたか?
「結婚と離婚は紙一重だと感じています。結婚って、良いときと悪いときが交互にやってきて、どのタイミングで離婚してもおかしくない結婚や夫婦は、世の中にたくさん存在するんだろうなと、気づきがありました。
妻、夫という役割を持ち、さらに子どもがいれば、世間からは母親という見方もされるわけですよね。
最終的には円満解消でしたが、過去には激しく夫婦喧嘩をしたことも。その後は喧嘩を避けたいがために私が彼の顔色を見たり、彼の機嫌が良いときにあの話を切り出そうなどと気を遣ったり…、自分の気持ちに蓋をし、家族を維持する努力に注力するようになっていました。
それは日本特有なのか、女性がどうしても男性に下手に出なくてはいけないという風潮、さらには自分が育ってきた家庭環境の影響が相まっていたように思います。
そんなある日、『私は対等でいたいと思って事実婚を選んだのに、なんでこうなるの?』とハッとして。
ちなみに結婚を、後悔したり、失敗したとは考えていません。実際に一度経験してみないと、ずっと憧れを持ち続けてしまっていたと思うので、現実を知ることができて良かったなと(笑)」
回り回ってやってくる“幸せ”があると気づいた
—シングルとなった今、恋愛に対してはどう思われていますか?
「恋愛をしたら毎日がパッと色付く感じがして楽しそうですし、憧れの気持ちはあります。シングルで恋愛や再婚に前向きな人にも、パワーがあるなと、羨ましく感じます。
でも、私自身は時間があれば息子と遊びたいですし、そもそも仕事にパワーを注いでいるので、なかなかチャンスも意欲もないのが現実。
恋愛や結婚は自分の力でコントロールできない部分がありますが、仕事は頑張ったら頑張っただけ、結果が出ますし、裏切りません。フリーランスの私は特にそう。だから、今は恋愛よりも仕事に重きを置いているのは確かですね」
—最近、ハマっていることはありますか?
「ショート動画を作ることですね。今年の6月からインスタやTikTokで1日に1~2本のショート動画を作成し、投稿しています。
こちらもわざわざ企画を立てて撮影をするのではなく、自分の生活の中で撮れた動画を生かすスタイル。
撮影しておいた写真や動画を“パッチワーク”のように縫い合わせていく編集作業を経て、流行りの曲をBGMにつけて…、完成すると達成感を感じられて、すごく嬉しいんです!
私は読書が大好きで、出産前は1日に1~2冊は読んでいました。でも、今は私自身が読書から遠のいているため、自分からの発信も文字よりも映像のほうがしっくりきています。
そして、育児で時間がないママ世代に本を買って読んでもらうのは、とてもハードルが高いですが、いつも見ているSNSの中で、30~40秒のショート動画を見てもらうのは敷居も低い。多くのママたちと、SNSを通してつながることができて、嬉しく感じています」
—仕事に育児、さらにはハマりごとも持ちつつ、充実した毎日を送られている印象です。ご自身では今、何をしているときが一番幸せですか?
「一番幸せなのは息子との時間です。20代は未来に向かってさまざまなことに挑戦し、“成長”や“達成”という言葉が自分にとってのキーワードでした。でも、30代の今は少しペースを落として“今”を大切にしている感覚があります。
今は、流れ着いた場所が自分の居場所だという、どこか吹っ切れた気持ちがあります。
子育てで、自分の時間が減ったことへの葛藤はありますが、大人として社会への責任を意識する機会が増えたり、息子の存在が自分を強くしてくれる感覚を得て、幸せを感じる瞬間が以前より増えた気がします。
これからも、些細な変化を楽しみながら、足元の生活を大事にしていきたいです」
はあちゅう●ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部卒業後、電通、トレンダーズを経てフリーに。2018年7月に事実婚を発表し、2019年9月に第一子を出産。2022年9月に事実婚を解消。「週末野心手帳」などのプロデュースの他、著書多数。Twitter @ha_chu インスタグラム @ha_chu
撮影/MEGURO.8 ヘアメイク/山下光理 取材・文/濱田恵理
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