JRAニュース
地方競馬主催者
全国公営競馬主催者協議会
日本中央競馬会
地方競馬全国協会
中央競馬と地方競馬の本格的な交流が始まった1995年から拡大したダート交流重賞競走は、1997年に全国的な統一格付基準が導入されたことにより、以降はダートグレード競走と名称を変え、これまで日本のダート競走の発展に大きく貢献してきました。
一方で、ダート競走の中心的役割を担うべき地方競馬においては、全日本規模の統一された競走体系の構築が実現できておらず、芝競走と比較してもダート競走は競馬関係者や国際的な評価の面で後れをとっている状況です。
そこで、芝とダートを両輪とする日本競馬の発展を目指し、地方競馬が主体となってダート競走の体系整備を行うことといたしました。先般発表した3歳ダート三冠競走の創設や、今回発表するさきたま杯のJpnⅠ昇格等の全日本的なダート競走体系の整備により、高い能力を持った馬が様々な適性に応じて活躍できる場を提供し、魅力ある競走を実施することで、ダートグレード競走の質と価値を高めてまいります。
中央競馬・地方競馬の所属の枠を超えた3歳ダートチャンピオンを決定する全日本的な競走体系の構築という観点から、羽田盃(JpnⅠ・大井1,800メートル)および東京ダービー(JpnⅠ・大井2,000メートル)を新たにダートグレード競走として実施いたします。
また、ジャパンダートダービー(JpnⅠ・大井2,000メートル)はジャパンダートクラシックへ改称し、10月上旬に時期を変更して実施することとし、同競走の優勝馬にはJBCクラシックの優先出走権を付与します。
なお、前述3競走を「3歳ダート三冠競走」と位置付け、賞金額を大幅に増額し、併せて三冠ボーナスを設定いたします。
現状の3歳ダート路線では1月から4月までダートグレード競走の空白期間となっていることから、ブルーバードカップ(JpnⅢ・船橋1,800メートル)をはじめとする複数のダートグレード競走を新設し、3歳ダート三冠競走に向けた体系を整備いたします。
そのうち3歳ダート三冠競走の前哨戦として、羽田盃の前哨戦に雲取賞(JpnⅢ・大井1,800メートル)、京浜盃(JpnⅡ・大井1,700メートル)を位置付け、新たにダートグレード競走として実施いたします。
また、東京ダービーの前哨戦にユニコーンステークス(GⅢ)を位置付け、実施時期等を変更して実施いたします。
さらに、ジャパンダートクラシックの前哨戦に不来方賞(JpnⅡ・盛岡2,000メートル)を位置付け、新たにダートグレード競走として実施いたします。
なお、三冠競走における出走馬の選定については、各競走の前哨戦で上位となった馬が優先的に出走できる選定方法を予定しております。
3歳ダート短距離路線においては、中央競馬・地方競馬ともに目標となる競走が不足していることから、兵庫チャンピオンシップの競走距離を1,870メートルから1,400メートルへと変更し、3歳春季短距離路線の頂点競走として位置付けます。
併せて、古馬の層が厚い短距離路線における3歳馬の賞金獲得機会拡大の観点から、北海道スプリントカップ(JpnⅢ・門別1,200メートル)の出走資格および時期を変更して実施いたします。
また、2歳ダート短距離路線においては、出走馬の質の向上を図る観点から、エーデルワイス賞(JpnⅢ・門別1,200メートル)の時期を変更して実施いたします。
頂点として位置付けられる兵庫チャンピオンシップに向けた、各主催者・各ブロックにおける短距離競走の体系整備の観点から、2歳秋および3歳春において高額賞金の重賞級認定競走(ネクストスター)を新設いたします。なお、同競走については、ダート適性馬の地方競馬への早期入厩を促進する観点から、地方デビュー馬のみ出走可能といたします。
また、3歳春の重賞級認定4競走(ネクストスター)の優勝馬には兵庫チャンピオンシップへの優先出走権を付与いたします。
既存ダートグレード競走については、カテゴリーごとの頂点競走を明確化し、頂点競走に向けた競走体系等の整備を実施します。
古馬短距離路線においては、下半期にJBCスプリント(JpnⅠ)が設定されている一方で、上半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、新たな上半期の頂点競走として、さきたま杯(JpnⅡ・浦和1,400メートル)をJpnⅠへ昇格して実施いたします。併せて、これに伴う競走体系の整備として、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更いたします。
古馬中距離路線においては、11月から1月までGⅠ/JpnⅠ競走が連続して設定されていることを踏まえ、ローテーションの整備および出走馬の質の向上を図る観点から、川崎記念(JpnⅠ・川崎2,100メートル)の時期を変更して実施いたします。併せて、これに伴う競走体系の整備として、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更いたします。
古馬牝馬路線においては、下半期にJBCレディスクラシック(JpnⅠ)が設定されている一方で、上半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、エンプレス杯(JpnⅡ・川崎2,100メートル)の実施時期を変更し、併せて負担重量をグレード別定から定量へ変更のうえ、新たな上半期の頂点競走として設定いたします。
また、各地区から頂点競走へ向かう競走体系を構築する観点から、TCK女王盃(JpnⅢ・大井1,800メートル)の実施場を園田競馬場へ変更するとともに、兵庫女王盃(JpnⅢ・1,870メートル)へ改称して実施いたします。併せて、一部ダートグレード競走の実施時期等を変更いたします。
3歳牝馬路線においては、上半期に関東オークス(JpnⅡ)が設定されている一方で、下半期には目標となる競走が設定されていない現状を踏まえ、マリーンカップ(JpnⅢ・船橋1,800メートル)の出走資格および実施時期等を変更し、新たな下半期の頂点競走として設定いたします。また、同競走の優勝馬にはJBCレディスクラシックの優先出走権を付与いたします。
地方競馬のダートグレード競走は、これまでの競走成績を見ても、中央馬優勢の状況が続いており、地方競馬から中央馬と対等に戦える有力馬、とりわけ地方生え抜きの有力馬を十分にダートグレード競走へ送り込めていないという課題があります。
そこで中央・地方の有力馬同士が互角に対戦するダートグレード競走の実現を目指し、馬資源の充実に向けた取組を強化するとともに、ダートグレード競走の魅力向上に向けた施策に取り組みます。
地方競馬のダートグレード競走は、国内向けの格付表記として東京大賞典を除く全ての競走で「Jpn」を使用しており、国際的に認められた共通の格付けで管理されるべきパートⅠ国の競走として、足並みが揃っていない状況です。
また、国際競走となっていない競走については、ブラックタイプ競走(セリ名簿に競走の格と馬名が太字で記載できる競走)の中でも評価の低いLR(制限付きリステッド競走)に分類されております。
このような状況に鑑み、日本のダート競馬の国際的な評価を高めるべく、地方競馬では2028年から段階的に「Jpn」表記の使用を取り止め、全てのダートグレード競走を国際競走とすることを目指します。より高い国際格付けの取得に向けた賞金額の設定やレースレーティングの達成、海外出走馬の受け入れ体制の整備など、国際化へ向けた具体的な取組を地方競馬一丸となって進めてまいります。
2歳馬競走:2023年から開始
3歳馬・古馬競走:2024年から開始