同じ職種同士の対談を通して、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズのカルチャーをお届けします。
今回、登場するのはストラテジックプラニング職の二人。
「粒ぞろいよりも、粒ちがい」、「共創する文化」を持つ我々の会社で働く自分を
ぜひ想像しながら読んでください。
ストラテジックプラナー
水上 裕貴 | 博報堂 | マーケティング局 | 2016年新卒入社 |
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吉岡 千滉 | 博報堂 | CMP(Customer Marketing Platform)推進局 | 2017年新卒入社 |
先輩と後輩が、刺激を与え合う
広告に留まらず、事業から企業経営まで、それぞれの課題を解決へと導くための道筋をたてる、ストラテジックプラニング職。2017年、吉岡が配属された部署(通称「ナンバーマーケ:担当別マーケティング部署」)のひとつ上の先輩が、水上だった。一緒に仕事をしたのは一度きりで、現在は部署も違うが、「飲みながらいくらでも話せる仲間の一人」と語る。その関係性が育まれた背景には、博報堂の社風があった。
吉岡「水上さんと一緒にいた部署には毎年新人が入ってくるので、上下関係がしっかりしているっていうか、学校みたいな雰囲気で。上下の仲が良いのが特徴だと思います。同じストラテジックプラニング職でも、違う部署だと、みんなで遊びに行ったりとかはないみたいなので」
水上「コロナ前は、毎年なんだかんだ、バーベキューとかしてたよね」
吉岡「中目黒の銭湯に行ったり」
水上「金曜の夜に6人くらいでそのまま飲みに行ったね」
現在は、それぞれに異なる領域で仕事に向き合っている。
水上「売上が上がらない、ブランドのイメージを刷新したい、組織のことで困っているといったクライアントの悩みを、数字やロジックを使って解決することを提案しています。広告のコミュニケーションの仕事をたくさんやっているわけではなくて、ビジネスに関する頭を使うことは何でもやる仕事だと思っています」
吉岡「水上さんと同じ部署の頃は、広告や他の手段で、クライアントのブランド課題を解決していました。今の部署は、海外の領域というのがひとつの特徴。海外拠点メンバーだけでは補いきれない部分を、後方支援という形でサポートしています。例えば、クリエイティブは強いけれどECは弱いという状況に対して、デジタルやデータを使ったマーケティングの企画や実装をおこなう仕事です。」
水上「新しい領域だよね」
吉岡「『デジタルマーケティングを実装できる体制をつくりましょう』といった仕組みそのものを導入するところにいます」
水上「仕組みを導入した後、そのデータを分析してどう運用するかといった、考察や解釈をすることが多いのがこっちの仕事。吉岡が上流で、僕らは下流。扱うデータ領域が、今は違ってますね」
チームが乗りたいと思う“船”をつくることが仕事
ストラテジックプラナーとして、仕事をする際に意識していることは、吉岡が「違和感を大事にすること」、水上が「いくつもの人格を飼うこと」だという。
吉岡「自分の中の“違和感”みたいなものは大事にしています。違和感を言うだけだとただのボヤキで意味をなさないので、その違和感を言語化して情報や戦略という形にすることを意識しています」
水上「めっちゃわかる」
吉岡「違和感が自分の中でフワッとしているだけのときは、もちろん誰にも言わないんですけど。自分の中で模索して、仮説が見えてきたなっていうときに、一緒にやっている先輩に『これってこういうことだと思うんですけど』と話してみると、その“壁打ち”によって、自分が言いたかったことや考えが見えてくることはあります」
水上「吉岡は先輩の使い方がうまいよね。『よくわかんないんです』じゃこちらも答えようがないけれど、ある程度考えてから『ここまでわかったんですけど、ここからがわかりません』と投げてくる」
吉岡「確かに、そこは気をつけているかもしれません」
水上「僕は、自分の中にいろんな人格や視点を飼おうと思っていて。クライアントの目線、博報堂の社員としての自分、一生活者としての自分はもちろん、その商品のターゲットに近い人間が友人にいたら、その友人の人格を借りて問題点を見る。僕は正解の7割ぐらいは時間をかけずにつくることにしていて、残りの3割に、自分なりのいろんな角度から見たエッセンスや、みなさんからいただいたアドバイスを乗せて、“おどろき”をつくる。その3割のためにいろんな視点が役立ちます」
吉岡「以前、新しい商品のローンチ時のコミュニケーションを考えてほしいというコンペ案件があって。自分なりにタタキみたいなものをつくっていったら、チームのみんながそこに乗っかってくれたんです。コピーもステートメントもブラッシュアップされていって『これで負けたらしょうがないな』と思えるくらい納得するものが出来て、結果的に競合にも勝ちました。ストラテジックプラナーの仕事は、チームのみんなが乗っかる船をつくるようなものだと思っています。船の推進力をみんなで出していけば、自分でも予想しなかったアウトプットができて、すごいところまでたどり着ける気がします」
水上「いい話だね」
吉岡「ただ、きれいな船じゃなくて、みんなが乗ってみたいと思う船をつくらないとダメですよね。この人のアイデアに乗っかってみたくなるような」
水上「魅力的な意匠が必要だけど、意匠が多すぎると沈むから難しい」
吉岡「そこがストラテジックプラニング職の妙ですよね」
みんなの発見を積み重ねて、理解を深めていく
吉岡「水上さんは初速がすごいですよね。私はたぶん、スロースターターなので、案件を渡されたら一旦持ち帰って、一人で悶々としてから、『こういうことだと思うんですけど』と出す。でも水上さんは初回の打ち合わせからめっちゃしゃべる(笑)」
水上「しゃべんないと、わからないじゃん! でも、最初の1年間はまったくしゃべれなかったなあと。最近は、『こうですかね?』『ああですかね?』という仮説を出すために、意識してしゃべるようにしてます。学生の頃を振り返るともっとしゃべっていたし、もっとアイデアを出していたなと思ったので、答えにたどりつくためには、しゃべることが自分としては最短ルートだし強みなのかなと思って」
吉岡「きっかけがあったんですか?」
水上「2年目の5月くらいに、悶々と悩んでしまって本当に抜け出せなくなって、これはまずいということで、上司が長時間対話をしてくれました。そこで『水上の強みはスピードだ』と言ってくれたので、そこからそれを武器にしています。うちの会社は採用されたときも思ったけど、すごく見守ってくれるし、見抜いてくれる。『人を大事にする』って言っているだけじゃないんだなとあらためて思いましたね。吉岡は一定のテンションであるということが、すごくいいよね。しなやかなメンタリティで、しっかりとクオリティを出す。懐が広い人なんだと思います」
タイプ的には正反対の二人だが、一緒に働きたい人のイメージには共通したものがある。
吉岡「不確定な状況や、やったことのないこと、初めて出会うタイプの人に対していったん向き合って、それを楽しめる後輩は、一緒に仕事をしたいかなと思います」
水上「知的好奇心が旺盛な人ね。サウナでいえば、『流行っているからやってみる』だけじゃなくて、『なんで流行っているのか』という仕組みを理解しようと、理論を学んだりするような。あと、意外かもしれないけど地道に本を読むとか、理性的なインプットもきちんとする人。なによりもまずは自分の考えをもっていて、それを主張することは大事だなと思います。『こういうことをやりたい』『みんなをそれに巻き込みたい』という発信力というか」
吉岡「昔、『ストラテジックプラナーっぽい飲み会とは?』みたいな話をしたことがあって。それは、お互いの意見をぶつけ合ったり、誰かの面白いネタを聞いたりとかではなくて、みんなのアイデアや視点、解釈を積み重ねることを楽しむんですよね。だから『なぜ人はそんなに行ったことのない喫茶店にも懐かしさや安心感を覚えるのか?』みたいなテーマでめっちゃ盛り上がる(笑)」
水上「最初は『全然わかんねえなあ』ってなるんだけど、誰かの発言がヒントになって、『だったらこういうことかも?』みたいな発言をして。みんなの発見を積み重ねて、一緒に理解度を深めていく」
吉岡「そういうやりとりが好きな人は、ストラテジックプラニング職に向いているんじゃないかなと思います」
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