実際の仕事をもとに、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズのチームワーク力の源泉を解き明かしていきます。
今回紹介するのは、テレビとデジタルの広告を統合管理し、効率的な広告運用を支援する
「Tele-Digi AaaSチーム」。まだ成長過程にある、新しいビジネスに挑むこのチームの中に
「もしも自分がいたら」なんて、ぜひ自分が働く姿を想像しながら読んでみてください。
Tele-Digi AaaSチーム
中井 勝大 | 博報堂 | アカウント戦略局 | 2006年新卒入社 |
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佐々井 美嘉 | 博報堂DYメディアパートナーズ | 統合アカウントプロデュース局 | 2011年キャリア入社(2009年入社扱い) |
福田 春奈 | 博報堂DYメディアパートナーズ | 統合アカウントプロデュース局 | 2019年キャリア入社(2014年入社扱い) |
「Tele-Digi AaaS」で、広告効果をよりクリアに
佐々井「まず、AaaS(Advertising as a Service)というのは、博報堂DYグループが持つさまざまなツールやデータをカスタマイズして、クライアントのみなさまのメディアやマーケティングにおける課題を解決し、事業成長に貢献する構想のことです。『Tele-Digi AaaS』は、その中の一つのソリューション。テレビとデジタルを統合的に管理し、広告のプラニングから評価までを1つの指標にもとづいて行えるサービスです。広告の要といえるテレビとデジタルのなかで、“何が一番効果的だったか”を検証することで、クライアントの広告配信を最適化できるようになります。例えば、テレビCMが各局でどのくらいユーザーに届いたかを把握し、ちょっと効果が弱いときは追加でTwitterでの広告出稿を試してはどうか、といった提案ができるんです」
福田「『Tele-Digi AaaS』を利用すると、広告配信データやマーケティングデータ、ユーザーの行動データを一元化できます。『あるお客さんは、どの広告に触れてからサイトに来訪したのか。テレビなのか動画共有サービスなのか』といった、カスタマージャーニー(対象者の動きを時系列で見える化したもの)が浮かび上がってくるので、『次はどんな風にお客さんとの接点をつくろうか』と考えて広告を出稿できるようになるんです」
中井「デジタル関連のデータはほぼリアルタイムでユーザーのアクションが見えますが、テレビ広告は効果検証が難しかった。新商品のテレビCMを流して売れ行きが順調でも、『本当にCMを見て買ってくれたの? 他の要因のおかげじゃないの?
売れてるとはいえ、想像よりリーチが少なかった可能性はない?』みたいに疑いだすと、はっきり答えが見えない部分がありましたね」
福田「すでにデジタルマーケティングに注力しているクライアントからは、『他のマーケティングも、デジタルのように効果を把握して改善したい』といった声をいただいて。そのニーズに応えられるのが、『Tele-Digi AaaS』になります」
データに映る生活者の人生を、
クライアントとともに豊かにしたい
クライアントの予算を踏まえたうえで、商材の認知拡大に向けたプラニングを主に担当する佐々井と福田。そして、各部門のデータ、デジタルと名のつく業務を横断的にサポートしている中井。「Tele-Digi AaaSチーム」として3人が担当した案件が、あるダイレクト系保険サービスの最適化だった。
中井「社内に点在するデータを見える化し、見えたデータから分析したことを言語化し、プランをつくり直して実行する『見える化・言える化・直せる化』の3段階でマーケティングを最適化したいという、クライアントのニーズをもとに進めた事例でしたね」
福田「『Tele-Digi AaaS』のツールを活用してデータを一元化し、使える状態にしました。クライアントの現場のご尽力もあってなんとか統合でき、自分なりに成長を感じられた仕事として記憶に残っています」
中井「チームの苦労自慢みたいにはしたくないですが、特に主担当だった福田さんの頑張りには目を見張りました。『見える化』って実は難しいんですよ。データ集めも大変ですし、誰もが一覧できる形に組み立てるのも簡単じゃない」
佐々井「福ちゃんはほんとに頑張ってくれました。見える化のおかげで、分析結果を言語化でき、改善まで踏み込めるようになった。クライアント内でも、先進事例として高く評価されているそうです」
福田「ありがとうございます。ただ、クライアントの課題は多様で、ニーズもどんどん進化します。『これは上手くいった!』という1つの枠組みができても、別のクライアント課題にそのまま活用できることはなくて……いつも手探りです(苦笑)」
中井「AaaSは新しいサービスなので、導入ハードルは高いですよね。ただ、より鮮明なカスタマージャーニーに触れられて、『生活者発想』の提案ができるのは、メディアプラニング職である二人の強みだと思いますよ」
佐々井「そうですね。ある宅配サービスの認知拡大を目指したときの話なのですが、クライアントの事前調査では『ターゲットの半数は男性』と想定されていたんです。しかし、サイト来訪者のジャーニーを丁寧に追っていくと、メインターゲットは出産前や育児中の30、40代女性だという知見が高い確度で得られたことがあります。データを通してお客さんの人生の一部に触れ、マーケティングを最適化する。その結果、クライアントによろこばれるのはもちろん、顔は見えませんが、広告をきっかけに求める商品に出会った人がよろこんでくれていたらいいなと思いました」
福田「カスタマージャーニーを見つめると、思わぬ気づきがあります。例えば、動画共有サービスの広告からサイト来訪した人より、テレビを見てから動画の広告を経由してサイト来訪している人の方が、商品をよく買っているといった事実が見えてきます。ゆくゆくは、テレビとデジタルの横断だけでなく、天気や花粉の飛散状況といったデータまでネットにつなぎ、分析したいですね。浮かび上がったカスタマージャーニーを検証し、『クライアントにとっての『理想のお客さん』がたどるゴールデンルート』を突き止めたい。そんなことを考えています」
中井「クライアントが理想とするお客さんが『新商品をたくさん買ってくれる方』なら、WEBサイトやリアル店舗への来訪を促すプランを立てる必要があります。AaaSをさらに拡張できれば、『リアル店舗への来店』という身体的な行動まで含めたカスタマージャーニーを追いかけられるようになり、効果的な来店促進ができるはずです」
マイナスを補い合って、壁を破って未来をつくる
「Tele-Digi AaaSチーム」がカバーする業務領域は広く、AaaSも社員一人ひとりの経験値をもとに拡張中。変化の激しい環境で、クライアントの事業成長を目指すためにもチームワークは欠かせない。
佐々井「AaaSについては、バルセロナのサグラダ・ファミリアをイメージすることがあります。誰もが教会だと知っていても、最近まで完成形が見えていた人はいなかった。AaaSも広告のソリューションなのは間違いありませんが、ツールは増え続けたり変化したりで、最終形態は誰もわからない。クライアントの役に立つために改良が続けられ、まさに発展途上です。そんな手探り状態のなか、クライアントの期待になんとか応えられているのは、チームメンバーが得意なことで互いの不得意を補い合っているから。例えば、福ちゃんはオリエン資料の細かい部分まで把握して、私が提案に迷うときも、クライアントの立場に立った問いかけをしてくれて感謝しています」
中井「二人と仕事をしていて素直にすごいなと思うのが、クライアントのニーズに応えようと部門を超えて動き、責任もって巻き込んでいるところ。他部署の協力を得て、提案をよくしたいという一心で動ける熱意が素晴らしい。二人のように“情熱・探究心・継続力”、この3つがあればどこでも活躍できます。プラス、パッと明るくて人に好かれる雰囲気が加わると最強ですよね。なんか褒め合う会みたいになったな(笑)」
福田「仕事してきてよかった……(笑)。お二人はいつも温かく見守ってくださって、助けられています。AaaSに関わるチームは新しいことに挑戦する使命を負っていて、お二人は『私はこれしかできないから』とか、『こういう職種だから』と自分の可能性を閉ざさず挑戦されていて尊敬しています。私は、根底にパッションをもっている人とチームになりたい。大変なことや悔しいこともあるなかで、次こそ見返したい、勝ちたい、そんな熱い気持ちを原動力に働ける人と一緒に仕事したいです」
佐々井「ほんとそうだね。大きなことを言えば、AaaSチームの仕事は、クライアントの未来とともに、博報堂DYグループの未来をつくる仕事。これからも、AaaSの拡張をリードするくらい自分たちの知見や武器を育てながら、信念を持って、楽しんで働きたいです」
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