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“違う”と思うことは“違う”といえる。クライアントとのあるべき距離感を大切にしたい “違う”と思うことは“違う”といえる。クライアントとのあるべき距離感を大切にしたい

実際の仕事をもとに、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズのチームワーク力の源泉を解き明かしていきます。

今回紹介するのは、サントリーチーム。新商品開発からブランド戦略まで、クライアントとワンチームになって取り組むこのチームの中に「もしも自分がいたら」なんて、ぜひ自分が働く姿を想像しながら読んでみてください。

Team サントリー

北崎 里佳 博報堂 ビジネスデザイン局 2014年新卒入社
小林 恭平 博報堂 ビジネスデザイン局 2016年新卒入社

客観的であることが自分たちの強み

限られたビール市場のなかでシェアをのばしていきたいクライアントに対して、自分たちはどんなソリューションを提示することができるのか。好かれるのではなく信用される、良き相談役であるために、サントリーチームの北崎と小林はビジネスプロデュースのあり方を追求し続ける。

北崎「サントリーチームのなかでも、ビジネスプロデュースという立場で私が担当しているのは『ザ・プレミアム・モルツ』。基本的に毎週、サントリーさんと定例の打ち合わせをさせていただくんですけど、クライアント社内の答申資料も一緒にディスカッションさせていただくなどパートナーとして巻き込んでいただいていて、クライアントのビジネスを大きくしていくにはどうするか、日々悩み模索しています。ブランド戦略からCM制作のアウトプットまでずっと並走し続けている感じだけど、恭平くんは?」

小林「僕がサントリーさんと一緒にやらせていただいているのは新商品開発なんですが、里佳さんと全く同じ状況で、『新商品ができました。こういうコンセプトで、ここが売りです。じゃあこれでCMつくってください』って感じにはならないですよね。どんなコンセプトにするのかから入って、デザインをどうするか、からどこで売るかまで。戦略の部分から入って、どういう戦い方をしていくのか、全体的な関わり方をさせていただいています」

北崎「クライアントとの関わり方はいろいろあるけど、サントリーさんの場合、ワンチームで一緒に仕事をやらせていただいている感じがより強いですね」

小林「たしかにサントリーチームに関していえば、一般的にイメージするビジネスプロデュースよりも深い仕事ができると思っています」

北崎「だからこそ、“それは違うと思います”ってことを当たり前に言えるような関係性は大切にしたい。クライアントあっての博報堂ではありますし、サントリーさんとしての熱い思いがあるのはわかってはいますが、その点に関しては客観的な立場でいられるように。博報堂は人が資産というか、人こそが“お金をお支払いいただく対象”になる会社なので、サントリーさんに何をお返ししたら私に対価を支払いたいと思っていただけるのか。それを常に考えながら、そのうえで一歩先のことを一緒に考えられる、良き相談役でいられればと思っています」

小林「Win-Winになるようにしたいですよね。サントリーさんがやりたいと思う施策を100パーセント実行に移すことは営業の裁量次第でできることはありますが、それが本当に生活者やブランドにとっていいことなのか。『クライアントの話をすべて丸のみにして戻ってくるな』って、2年目ぐらいのときにアートディレクターから言われたんですよ。『そうすればクライアントには好かれるかもしれないけど、信用されるのと好かれるのは違うよ』って。当時は言われて半泣きになりましたけど、今はその通りだと思っています。うちの会社でいう“正解より別解”みたいなことを常に提示していくのが、ビジネスをプロデュースするときのポイントになるんじゃないかって」

北崎「ビールの知識でいったら、サントリーさんと比べて、私たちはどうしたって劣っています。だからこそ、ビールの事例にこだわらない発想も大切だと思っています」

小林「生活者発想が僕らの強みなので、そこは常に忘れないようにしたいです。クライアントを含めてワンチームだと考えていますが、それとは違った視点をもっておきたいですよね」

いつものムダ話こそが
チームの関係性を高めている

北崎「サントリーさんの場合、戦略のところから一緒に仕事をさせていただいていますが、大きなブランドならではの苦労はあります。ブランドとお客さまの接点は、CMやデジタルコミュニケーションだけでなく、店頭POPまで幅広くありますが、この施策はいまのブランド戦略にあっているんだろうか? と思うこともあって。非常に幅広い人がかかわってくるので、ブランドとしての統一したメッセージを出していくのは難しい。そういう小さなことから大きなことまで日々悩んではいますが、戦わなければいけないなと思っています」

小林「僕は仕事をするうえで困ったことが起こったら、すぐ周りに頼っちゃいますけどね。『これどうしたらいいですか』とか『助けてください』って。割とすぐSOSを出すことで乗り越えるっていうのもありですよね。そのためのチームですから。その点は開き直っています。もちろん自分の仕事は自分で責任をもってやらなきゃいけないんですけど、逆にひとりで抱え込んで、周りに迷惑がかかっちゃう事例もたくさん見てきたので。というか、僕が新人のときそういうことをしてしまって、誰にとっても良いことがないって実感しています」

北崎「いざってときのために、みんなとコミュニケーションができる関係値をつくって、頼れる人の引き出しをもつことは大切だと思う。私と恭平くんも普段から、コンビニのあのスイーツがおいしいだとか、キャッキャしながらムダ話をしているけど、それがあるから仕事の情報交換もスムーズになっている気がします。うちはチーム自体が日ごろからすごいフラットだから、いいよね」

小林「よく動物園みたいだって言われる」

北崎「みんな、いい意味で個性が強い(笑)」

小林「チームのクリエイティブディレクターでも、人によって同じ話し方をしても納得してもらえないとか。大変なこともありますが、営業としての仕事のかかわり方という意味ではすごい刺激的というか、やりがいはありますよ」

Nextをつくりにいくのが私たちの仕事

北崎「チームでいえば、やっぱり上司の仕事を見ていると、クライアントとの関係性づくりは学ぶところが多いです。単なる御用聞きになるんじゃなく、こちらからも意見を言えるような、踏み込みの一歩の大事さについては思うところがありますね」

小林「実際、上の人が下をちゃんと見ていてくれている感じがすごくある。その点はフラットじゃなくピラミッド的っていうか、チーム感があります。上が下に任せる文化もすごいけど、任せたことをちゃんと後ろで見てくれているのが心強い」

北崎「私も人事部から今の部署にきた直後、本当に大変だったけれど、働きやすいようにすぐに動いてくれる上司がいたので、今では私も困っていそうな後輩がいたときには、声をかけてサポートする意識は強くもっています」

小林「それを含めて一緒に働きたいと思うのは、やっぱり前向きな人。実際に仕事をしてみると、学生のときには思いつかないような困難というか、『これ、どうすんの?』みたいなことが平気で起こるので。そういうこともある意味楽しめるというか、『キター!』みたいな感じでとらえられるほうが、たぶん、働いていてもお互い楽しそうな気がします」

北崎「私も前に進もうとする力って、すごい大事だと思う。クライアントの希望に応えられそうになくても、『できません』と返すんじゃなくて、じゃあ自分はどうしてさしあげられるのか、まったく別の視点を用いて『別解』を出そうと力を尽くす。私たちの仕事はそのためにあるような気がします。『じゃあ、こうしましょう』とか、Nextをちゃんとつくりにいく気持ちをもてる人と一緒に仕事ができたらうれしいですよね」

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