「管理業務主任者試験の難易度はどれほどなのか?」
「合格率は何%ほどあるのか?」
「合格点は何点なのか」
「宅建とどちらが難しいのか?」
管理業務主任者試験の受験を検討されている方にとっては、非常に気になるところだと思います。
そこでこのコラムでは、管理業務主任者試験の難易度ランキング、合格率と合格点の推移、宅建との難易度比較などについて詳しく解説していきます。
令和3年度マンション管理士試験の合格率34.9%(全国平均の3.52倍)
令和3年度管理業務主任者試験の合格率51.8%(全国平均の2.67倍)
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目次
合格率からみる管理業務主任者試験の難易度ランキング
管理業務主任者試験と他資格の合格率(例年)を基にランキング化しました。
ランキング | 資格名 | 合格率 |
1位 | 社労士 | 6~7% |
2位 | マンション管理士 | 8~9% |
3位 | 土地家屋調査士 | 8~9% |
4位 | 行政書士 | 11~15% |
5位 | 宅建士 | 15~17% |
6位 | 管理業務主任者 | 20~23% |
管理業務主任者試験の合格率は20~23%程度で、他試験と比べると比較的合格率は高い傾向にあります。
同じ不動産系の人気資格である宅建士の合格率は15~17%、マンション管理士や土地家屋調査士は8~9%ですから、これらの資格と比較すると難易度は高くないと言えそうです。
ただし、宅建士は人気の資格だけに、十分な勉強をせずに記念受験する人や会社で強制されて仕方なく受験している人が一定数存在していると言われています。
これに対し、管理業務主任者はマンション管理士とのダブル受験や、宅建を合格した後に受験する人が少なくありません。
十分な勉強をした人が多く受験していることによって合格率が上がっている側面も見受けられます。
単純に合格率の差だけでは難易度を測れないので、油断しないよう注意しましょう。
管理業務主任者試験の合格率と受験者数の推移
補足として、管理業務主任者試験の合格率と受験者数の推移もご紹介致します。
令和3年度管理業務主任者試験の結果は、受験者数16,538人に対し、合格者数3,203人、合格率19.4%という結果でした。
合格者の平均年齢は42.8歳となり、内訳としましては、男性の平均年齢は42.8歳、女性の平均年齢は36.9歳となります。
また、最高年齢は82歳、最低年齢は17歳となり、幅広い年齢層が受験しております。
試験年度 | 受験者数 | 合格率 |
令和3年 | 16,538名 | 19.4% |
令和2年 | 15,667名 | 23.9% |
令和元年 | 15,591名 | 23.2% |
平成30年 | 16,249名 | 21.7% |
平成29年 | 16,950名 | 21.7% |
平成28年 | 16,952名 | 22.5% |
平成27年 | 17,021名 | 23.8% |
平成26年 | 17,444名 | 21.0% |
平成25年 | 18,852名 | 22.5% |
平成24年 | 19,460名 | 21.9% |
平成23年 | 20,625名 | 20.7% |
平成22年 | 20,620名 | 20.1% |
平成21年 | 21,113名 | 20.5% |
平成20年 | 20,215名 | 20.3% |
平成19年 | 20,194名 | 22.3% |
平成18年 | 20,830名 | 20.2% |
平成17年 | 22,576名 | 22.2% |
平成16年 | 24,104名 | 19.2% |
平成15年 | 27,017名 | 20.9% |
平成14年 | 35,287名 | 29.4% |
平成13年 | 57,719名 | 58.5% |
管理業務主任者試験は平成13年からスタートしました。
管理業務主任者試験の合格率は、直近10年は20%台前半で大きな変動はなく推移しています。
令和3年度の管理業務主任者試験の受験者数は16,538人で合格率は19.4%という結果です。
令和2年の試験結果と令和3年の試験結果を比べると申込者数は15,667人と871人ほど増えていますが、合格率は23.9%と4.5%ほど落ちています。
受験者数に関しては、開始時の平成13年は5万人以上が受験しましたが、その後の受験者数は2万人程度で推移。
年々減少傾向にあり、令和元年以降は1.5万人程度となっています。
ちなみに、不動産系資格として人気な宅建の受験者数は、毎年20万人程度です。
管理業務主任者試験の合格点の推移
令和3年度管理業務主任者試験の合格基準点は35点(50点満点中)でした。
試験年度 | 合格点(合計50点満点) |
令和3年 | 35点 |
令和2年 | 37点 |
令和元年 | 34点 |
平成30年 | 33点 |
平成29年 | 36点 |
平成28年 | 35点 |
平成27年 | 34点 |
平成26年 | 35点 |
平成25年 | 32点 |
平成24年 | 37点 |
平成23年 | 35点 |
平成22年 | 36点 |
平成21年 | 34点 |
平成20年 | 34点 |
平成19年 | 33点 |
平成18年 | 33点 |
平成17年 | 36点 |
平成16年 | 37点 |
平成15年 | 35点 |
平成14年 | 33点 |
平成13年 | 38点 |
管理業務主任者試験の合格点は相対評価で合格が決まる試験のため、毎年合格基準点は一定ではありません。
過去の実績では50点満点中、32点から38点と多少のバラつきがありますが、約7割正解できれば合格ラインと考えていいでしょう。
男女別の合格点の推移
男女別でみると、令和3年の合格率は男性が19.4%、女性が19.4%と同じ合格率になります。
直近3年での推移を見ると、女性の方が少し合格率が低い傾向になりますが、男性と比べて大きく差はありません。
男性合格者 | 女性合格者 | 男性合格率 | 女性合格率 | |
2021年(令和3年) | 2,462人 | 741人 | 19.4% | 19.4% |
2020年(令和2年) | 2,945人 | 794人 | 24.3% | 22.4% |
2019年(令和元年) | 2,902人 | 715人 | 23.8% | 21.0% |
2018年(平成30年) | 2,837人 | 694人 | 22.2% | 20.1% |
2017年(平成29年) | 2,881人 | 798人 | 21.5% | 22.5% |
勉強時間からみる管理業務主任者の難易度ランキング
ランキング | 資格名 | 合格に必要とされる勉強時間 |
1位 | 社労士 | 約1,000時間 |
2位 | 土地家屋調査士 | 約1,000時間 |
3位 | 行政書士 | 約600~1,000時間 |
4位 | マンション管理士 | 約500時間 |
5位 | 管理業務主任者 | 約300時間 |
6位 | 宅建士 | 約300~400時間 |
続いて、合格のために必要な勉強時間から、各資格の難易度を見ていきましょう。
難関資格である社労士、土地家屋調査士、行政書士は約1000時間、同じ不動産関係の資格であるマンション管理士は約500時間、宅建士は約400時間の勉強時間が目安だと言われています。
これに対して、管理業務主任者の必要勉強時間は約300時間だとされているため、それほどの難関ではないことがわかります。
ただ、約300時間というのは、1日2時間の勉強を欠かさずしたとして150日、約5か月かかるわけですから、けっして楽な勉強量ではありません。
また、自分に不向きなテキストを使用することや、重要度の低い部分に時間をかけ過ぎるなど、勉強のやり方を間違えてしまった場合には300時間では足りなくなることもあります。
標準的に約300時間の勉強時間を要する管理業務主任者試験は、誰でも簡単に合格できる資格とは言えません。
一方で、資格講座などを上手に利用することで約300時間をかけずに合格ラインにもっていくことも可能ですから、自分に合った勉強方法を見つけることが大切になります。
【動画で解説】管理業務主任者試験の難易度と合格率について
管理業務主任者の難易度を大学の偏差値で例えると?
管理業務主任者の難易度を大学の偏差値に例えると、下記表となります。
管理業務主任者試験は偏差値55~56とされているので、比較的手が届きやすい資格だと言えそうです。
大学で例えると、日東駒専と同じくらいの難易度であると言えます。
また、不動産関連資格である「マンション管理士」より難易度は低く、「宅建」と同等の難易度ということがわかります。
大学 | 偏差値 | 試験 |
東京大学・京都大学 | 68~ | 司法試験・予備試験 |
慶應大学・早稲田大学上智大学 | 65~67 | 不動産鑑定士・司法書士・弁理士 |
明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学 | 60~64 | 土地家屋調査士・中小企業診断士・社労士・行政書士・技術士二次試験・通関士・マンション管理士・ケアマネジャー |
日本大学・東洋大学駒澤大学・専修大学 | 55~56 | 技術士一次試験・宅建・測量士・管理業務主任者・社会福祉士・インテリアコーディネーター |
不動産関連資格と比較した管理業務主任者の難易度
宅建と比較した難易度
人気の不動産資格である宅建士は、不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際の重要事項の説明をすることや、契約書類への記名・押印が許可される国家資格です。
管理業務者試験とは、民法や建築基準法、区分所有法などの法令関係で多くの出題範囲が共通しています。
民法の問題などでは、管理業務主任者と比べて宅建の方が深い内容を問うものが多く、難しい問題が出題される傾向に。
また、合格率や必要な勉強時間から見ても、宅建の方が難しい傾向が見て取れます。
しかし、管理業務主任者の試験範囲はマンションの会計や設備関係なども含まれており、かなり広い範囲に渡っています。
試験範囲の広さを考えると、管理業務主任者試験の方が難しく感じる人も少なくないのではないでしょうか。
関連コラム:宅建と管理業務主任者の難易度の違いとダブルライセンスの魅力を解説
マンション管理士と比較した難易度
同じマンションに関連する資格であることから、科目による出題の比重は違いますが、マンション管理士試験の出題範囲は宅建よりもさらに管理業務主任者に近くなります。
マンション管理士試験では、民法や区分所有法、設備関連などではかなり深い知識を求められるものや、問題文をよく読まないと間違える引っ掛け問題が少なくありません。
個々の問題の難易度はマンション管理士の方が高いと言えます。
ただし、標準管理委託契約書など、一部の項目については管理業務主任者試験の方が難しい問題も出題されるので注意が必要です。
まとめ
管理業務主任者試験の難易度は、宅建やマンション管理士に比べて高くはないと言われていますが、合格率の差ほどの違いはありません。
誰でも簡単に合格できる資格ではありませんので、効率的に合格を勝ち取るためには、自分に合った勉強法を見つけることが重要です。
※アガルートではプロが用意したカリキュラムがあり、受講生の合格率は51.8%となり、全国平均の2.67倍となります。
計画的に正しく勉強すれば十分に合格できる資格ですので、是非とも挑戦してみてはいかがでしょうか。
令和3年度マンション管理士試験の合格率34.9%(全国平均の3.52倍)
令和3年度管理業務主任者試験の合格率51.8%(全国平均の2.67倍)
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