Hermès | エルメス・イン・ザ・メイキング展

受け継がれるエルメスのクラフトマンシップ

HERMÈS IN THE MAKING
「エルメス・イン・ザ・メイキング」展

会期
2022年11月22日(火) - 11月27日(日)
10:00 – 18:00

会場
京都市京セラ美術館 南回廊1階
京都市左京区岡崎円勝寺町 124

入場無料 オンライン予約制

イベントは終了いたしました。

#HermesInTheMaking
#エルメスインザメイキング

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      エルメスのオブジェは、長く大切に使い込まれ、親から子へ、子から孫へ、ときに手入れや修理をしながら、世代を超えて受け継がれるものとして作られています。その誕生の舞台裏、メゾンの職人たちが支えるものづくりの世界へとご案内いたします。

      エルメスの各メチエ(製造部門)を代表する職人が、愛用の道具をバッグに詰め込みやってきました。彼らの比類なき技術や工夫、お気に入りの素材、アトリエで繰り返されるしぐさ、培われたノウハウをそっとお目にかけましょう。

      彼らの手しごとのそこかしこに、エルメスのこだわりをご覧ください。
      それは、時代を経て今、メゾンにとってより重要な意味を持つこと、サヴォワールフェール(職人技)を守り継承していくことに響き合うものです。
      サヴォワールフェールは歴史や地域と結びついた専門性であり、質の高さ、耐久性、イノベーションの追求であり、私たちを取り巻く環境に敬意を払うこと。

      本展は4つのテーマから構成され、職人技を目の当たりにしていただくことに加え、ワークショップ、体験型のアニメー
      ション、ショートフィルムの上映など、さまざまな角度からエルメスのものづくりをご覧いただけます。
      知りたかったことや心惹かれるテーマ――好奇心の赴くままに会場を巡りお楽しみください。

      A Culture of Traditional Craftsmanship

      クラフトマンシップの伝統と文化

      1837年の創業以来、職人たちはアトリエに受け継がれるノウハウを守り育んできました。先達の尊い遺産であるノウハウは、今もなお、成長と進化を続ける職人技の宝庫として息づいています。

      メゾンの原点である、馬具づくりで培われた皮革製造の技術。そこから、織物やプリント、クリスタルや磁器、時計やジュエリーの製造など、ものづくりの世界を豊かに広げながら、エルメスは常に職人とともに歩んできました。

      CRAFTING A SADDLE ― 鞍作り
      鞍作りは、エルメスのものづくりの原点です。
      サドルステッチは、エルメスを象徴する職人技。1本の糸の両端に通した2本の針を交差させ、ひと針ひと針、縫い進めていく技法です。しっかりと縫い合わされたエルメスの皮革製品は、非常に丈夫で何世代にもわたって使うことができます。万が一、糸が擦り切れようとも、縫い目がほどけてしまうことはありません。

      SEPARATING THE COLOURS ― 色の分解
      シルクスクリーンの製版 - エルメスのカレの精密なデザインは、シルクスクリーン製版職人の卓越した技によって再現されます。アーティストによるオリジナルのデザイン画は、デジタル化され、製版職人が手作業で写し取り、カレの図案を色ごとに細分化したデジタルファイルが作成されます。これらの情報をもとに、プリント用のフレームが色の数だけ作成されるのです。1枚のカレにプリントを施すためには、通常、25〜30枚のフレームを要します。特に細やかなデザインともなると、その数は実に48枚にものぼることがあります。

      PRINTING THE SILK ― シルクのプリント
      エルメスのカレは、「リヨン式」と呼ばれるシルクスクリーンプリントによって作られます。カラーイメージボードに従って、色彩のスペシャリストたちがスカーフを構成する色を作成します。エルメスの色のライブラリーは実に75,000色以上。配色が決まると、1色につき1枚ずつフレームを使って、長い台に張られた白いシルクツイルに色をのせていきます。乾燥、蒸気での色留め、洗浄の工程を経て、手作業での縁かがりが施され、カレが完成します。

      High-QUality Materials

      すばらしき素材

      カオリン、石、麦藁、シルク、角……鉱物、植物、動物由来を問わず、これらの特別な素材は、エルメスの職
      人たちの手によって唯一無二の製品へと生まれ変わります。

      エルメスは、地球への負荷をできるだけ抑え、資源の多様性の維持に貢献しようとしています。そのため、素材の原産地や調達方法に関して、エルメスの倫理観と高い基準を共有できるサプライヤーとの長期的な信頼関係を築いてきました。

      アトリエでは素材を余すところなく使い、慎重に作業を行っています。端材や未使用の素材は新たなクリエーションに用いられます。例えば、petit h(プティ アッシュ)のアトリエでは、このような素材をユニークで驚きのあるオブジェに変身させるのです。

      PAINTING ON PORCELAIN ― 磁器の絵付け
      磁器の絵付けは、テーブルウェアにデザインや模様を描く技術です。磁器絵付け職人は、さまざまな筆と顔料を使い分けながらデザインに命を吹き込みます。平均800℃にもなる窯で何度も焼くことで、初めて顔料が色彩となって鮮やかに現れます。

      SETTING GEMSTONES ― 宝石の石留め
      石セッティング留めとは、宝石をジュエリー本体にしっかりと固定する技術を指します。石留職人は双眼用の拡大鏡を使いながら、緻密な作業を行います。

      The Talent of our REGIONS

      モノづくりの地に宿る力

      過去30年にわたり、エルメスは、リヨンの絹織物、オート=ヴィエンヌ地方の手袋、リムーザンの磁器など、
      長い歴史の中で、ものづくりのノウハウが培われてきた地域に生産拠点やアトリエを設立し、
      フランス全土に職人のネットワークを築いてきました。

      MAKING GLOVES ― 手袋作り
      シンプルな美しさを湛える手袋は、その見た目とは裏腹に、22もの工程を経て生み出されます。リムーザン地方の中心、サン=ジュニアンにあるエルメスの手袋のアトリエは、フランスの無形文化財企業(EPV)に認定されています。これは、特定の地域で長きにわたり卓抜した手工業・技術を根付かせている企業に与えられるものです。この地域では、中世より手袋作りの伝統が受け継がれています。

      WORKING THE LEATHER ― 皮革製品づくり
      《ケリー》バッグは、40点あまりのレザーパーツから生み出されます。皮革職人は、木製のパンス(クランプ)で挟んでレザーを固定すると、素早く精確な指づかいでサドルステッチを施しパーツ同士をつなぎ合わせていきます。蜜蝋でコーティングされた麻糸の両端に通した2本の針を交差させて縫う技法は、アトリエで長い時間をかけて習得されるもの。マニュアルを読めばすぐにできるもではありません。

      Time, our Ally

      「時」はエルメスの友

      オブジェのクリエーションは時代を反映していますが、簡略化・効率化とは一切無縁です。私たちのオブジェは長く愛用され、手入れや修理を受けながら、世代を超えて受け継がれるように作られています。

      エルメスにおいて「時」は大切な友として尊ばれています。
      エルメスの職人たちは決して近道をしません。職人技は、何年もの修業期間を経て習得されます。

      KEEPING IN STEP WITH TIME ― 「時」とともに歩む
      複雑機構を搭載するモデルは、何百ものコンポーネントから構成されます。
      「時」はエルメスの味方であり、エルメスの時計職人にとって多くの恵みをもたらしてくれる遊び場のようなもの。職人たちは、待ちわびる時、引き延ばされる時、あるいは時を止める概念をも内包する、ユニークな複雑機構を生み出していきます。

      REPAIRING OBJECTS ― オブジェの修理
      お客さまの大切なオブジェを細心の注意を払ってお預かりし、磨き直しといったお手入れから、経年劣化したパーツの修理や修復まで、それぞれのご要望にお応えすべくオブジェに向き合い、新しい命を吹き込みます。

      エルメスのクラフトマンシップを異なる視点から見る

      • HUMAN ODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―

        真摯にものづくりと向かい合うクリエーターが、クラフトマンシップに出逢う旅に出る、ドキュメンタリーフィルムシリーズ「HUMAN ODYSSEY」。
      • 世界を巡る足跡

        ドキュメンタリーを制作したフレデリック・ラフォンはこのコレクションを通じて、エルメスならではの持続可能な開発への取り組み方をヒューマニズムの視点から綴っています。