UNICORN 100
最新版の概観
2022年7月版のリストと比較して新たに新たに1社がリストに加わりました。今回のリストでは順位の変動がほとんどありませんでしたが、その中で軍用自律型ドローン等の防衛テクノロジー企業として知られるAnduril、今回新たにリストに加わったサイバーセキュリティ保険のCoalitionは、企業評価額を高める形で資金調達を完了し、リストの順位を上げました。
リスト圏外を含む米国ユニコーン企業全体では、2022年7-9月期の上場件数が1件(SPAC(*2)を通じた上場)、買収(M&A)されたケースが2件ありました。また、米国ユニコーン企業の総数は2022年6月時点と比較して12社増加しました。(以上、Pitchbook Data, Inc.のデータを元にHiJoJo Partnersまとめ)
足元の非上場スタートアップ市場は、2022年に入ってからの市場環境の変化に伴う資金調達環境の悪化等を背景に、スタートアップ企業による上場時期の見直しに関する報道が散見される反面、スタートアップ企業と投資家とのパワーバランスは 2021 年までの状況とは逆の投資家優位の傾向にあります。9月15日にデザインツール大手のAdobe社が米ユニコーン企業のFigma社に対して約200億USドル(日本円で約2.9兆円:1ドル=145円換算)での買収合意(買収完了は 2023 年を予定)を表明するなど、大手企業による米国ユニコーン企業の買収が 2022年4-6月期以降堅調なことも、このような背景が一つの要因となっていると想定されます。
リスト
単位:10億USドル
表示する評価額は、各社の直近の資本調達、株式取引時の取引価格等から算出されたものであり、同一の算出基準日における評価額ではありません。
用語集
ユニコーン企業
企業評価額が10億USドルを超えているが上場はまだしていない急成長スタートアップ企業の総称。
直接上場
米国で承認されている従来のIPOと異なった新規株式発行による資金調達を伴わない上場方式のこと。
音楽配信のSpotifyや民泊仲介大手のAirbnb、料理宅配大手のDoorDash、暗号資産交換業のCoinbaseなども直接上場で上場を果たしている。
SPAC
特定の事業を持たず、非上場企業の買収・合併を目的に設立されるペーパーカンパニー(特別買収目的会社:Special Purpose Acquisition Company)のこと。
SPACは、上場によって買収資金を調達し、買収成立後にSPACと買収した企業とが合併することで、買収した非上場企業は事実上の上場企業となる。
米国では、SPACを通じた非上場企業の上場が、多様化する上場手法の一つとして注目され、急増している。
HiJoJo Partnersについて
海外の有力スタートアップ投資家や起業家のインナーサークルにアクセス可能な独自ネットワークや、豊富なスタートアップ投資経験に裏付けられた調査能力を背景に、ユニコーン企業を中心とした国内外の非上場企業に投資するファンドを多数組成・販売・運用する金融スタートアップ企業。
個人投資家向けの「HiJoJoユニコーンファンド」と、対面販売のファンドをそれぞれ販売している。