宇宙開発は現代における探検だ　ここから始まる新たなキャリア

大学時代は探検部に所属していました。知的好奇心と飽くなき探求心で未知に挑戦することを探検とするならば、宇宙開発はまさに現代における探検ではないか、と考えJAXAを目指しました。

しかし、新卒で入社したのはIT企業です。そこでシステムエンジニアとして依頼企業のITインフラ構築に邁進しました。JAXAのエントリーシートには「あなたの能力をどのように活かせるか」という項目があり、中途半端なことは書けないと強く感じ、胸を張って「これができます」と言えるまで、JAXAへの挑戦はしばし寝かせようと決意したためです。

システム提案・構築・運用とITインフラのライフサイクルの知識と経験を身につけた5年後、自分だけのスキルを携え、改めてJAXAへの転職に挑みました。

JAXAに入社後、有人宇宙技術部門に配属され、法務とセキュリティ関連の業務を担当しました。有人宇宙技術部門は、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」の運用・開発、日本人宇宙飛行士の訓練・健康管理等を推進する部門です。

前職の技術系とは異なる事務系の仕事。右も左も分からず、割り当てられた目の前の業務をこなすだけで精いっぱいの日々でした。戸惑いの中スタートしたものの、法学部出身であることや、前職の知識も踏まえて、次第に経験を活かしながら仕事ができるようになりました。徐々に俯瞰的なものの見方もできるようになり、このやり方がベストなのか、もっと良いやり方があるのではないかとも考えられるように。ふとした時には、自らの一挙手一投足が宇宙開発の一端を担っているのだとワクワクし、転職して良かったと実感しました。