Windows Media Player 12 をカスタマイズ

みなさん、こんにちは。

以前、WMP 12 をミニモードにする記事を書きましたが、今回は Windows Media Player (WMP) 本体の話題です。
WMP の情報は過去20年間、多くのサイトで紹介されているため新鮮さに欠けますが、定期的にこういう話題を提供していくことに価値があるのかなと感じています。

若い方であれば、こんな使い方ができるのかと新たな発見があるかもですし、ある程度の年齢の方になると、かつて使った機能は今も有効なのかと再確認できるのではないでしょうか。

恒例のデスクトップ画像ですが、今回は Media Player を比較用に並べたものとしました。
左上から順に Media Player Classic Black Edition (MPC-BE)、 Media Player Classic Home Cinema (MPC-HC)、Media Player Classic (MPC)、左下が Windows Media Player 12 (WMP) となっています。
この中にうちのデバイスで使っているプレイヤーがあるよ、と思ってらっしゃる方は結構多いでしょう。
20200227Desktop.bmp
MPC-BE のデフォルトカラーが黒なので、クラシックな外観にならないと勘違いなさってる方がいらっしゃるかもですが、そんなことはありません。このようにクラシックなカラーリングにできます。
WMPのスキンはMPCシリーズがクラシックな外観なので、これに合わせるように Classic としています。
MPCシリーズの画面に収まっている WMPの画像は 本家 WMPのスキンファイルから画像を抽出し、それぞれのプログラムフォルダに配置、適用しています。

ちょっと待て、うちのWMPにそんなスキンはないぞ、と思ってらっしゃる方、その説明は後程……。

続いて2枚目。
20200227Desktop2.bmp
1枚目の画像が MPC シリーズを横に並べたので、今度は縦に並べてみました。
画面の大きさなど、デザインのバランスは MPC-HC が取れているように感じますが、みなさんの好みはいかがでしょうか?

さらに3枚目。
WMPskinselect.bmp
WMP 12 のスキンセレクター画面です。
Windows 10 に搭載されているスキンは削除できない Corporate のほか、Revert しかありませんが、私のPCでは結構な数のスキンになっています。
これらは主に歴代 WMP のインストールプログラムから集めたものです。
このほか、サードパーティ製のものや自作スキンがネットで公開・頒布されていますが、集めだしたらきりがないです。

なお、 WMP のスキンの多くは The Skins Factory が手掛けており、 The Skins Factory のサイト( https://www.theskinsfactory.com/wmpdesign ) で数々のスキンのプレビュー画像を見ることができるうえ、スキンがダウンロード可能となっていますので、興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。

WMPのバージョン別入手可能スキン
これまでに集めたスキンのインストールプログラムなどを書き留めておきます。

バージョン 6.4 以前 なし
バージョン 7.0 Classic(※1)、Headspace、Miniplayer、Optik、Roundlet、Rusty、Toothy(※5)の7個
バージョン 8.0 Atomic、Bluesky、Canvas、Classic(※1)、Compact(※2)、goo、Headspace、heart、iconic、Miniplayer、Optik、pyrite、Radio、Roundret、Rusty、Splat、Toothy(※5)、Windows Classic、Windows XP の19個
バージョン 9.0 9SeliesDefault(※3)、9SeliesDefault_(※3)、Compact(※2)、Revert(※3) の4個
バージョン 10.0 9SeliesD(※3)、Compact(※2)、QuiclSi、Revert(※4) の4個
バージョン 11.0 Revert(※4) の1個

Windows Media Bonus Pack for Windows XP powertoys、Sentinel、Stars、TDK(※5)の4個

※1 バージョン7.0は背景が WMPのバージョン6.4のアイコンデザインのもの、バージョン8.0は背景が Windows XP でマイナーチェンジした Windows ロゴとなっている。
 記事冒頭の画像にある WMP のクラシックスキンはこのバージョン 7.0 のものを使用している。
※2 バージョン8.0はスキンのメインボタンが再生▶、バージョン9.0、10.0は一時停止▮▮となっている。
※3 名前の後ろにアンダーバーのないもの、並びにバージョン10の 9SeliesD はXPのLunaのイメージカラーでXP専用の WMPを、アンダーバーのあるものはWindows クラシックを意識したシルバーで Windows Me 、Windows 2000 向けに用意されたWMPのイメージを再現できる。
※4 バージョン11まではスキン左上に Windows ロゴとWindows Media Player とタイトル表記があるが、Windows 10に搭載されるバージョン 12 ではこれらがない。また、バージョン12 のスキン左右上部の角がラウンド処理の透過色を示すピンクになっているのに対し、バージョン11以前は綺麗にラウンド処理されている。
※5 https://web.archive.org/web/20160609092016/http://windows.microsoft.com/en-us/windows/windows-media-player-skins#t1=all でダウンロードできる。

Windows Media Bonus Pack for Windows XP
Windows Media Bonus Pack for Windows XP は2001年に無償配布されたプログラムで、現在でもネットで検索すれば入手可能です。
このボーナスパックには PowerToys の wawrap.exe と mpxptray.exe が含まれています。
wawrap.exe は WinAMP のスキンを WMP 用スキンに変換するスキンコンバーター、mpxptray.exe は WMP のミニモードより小さい、通知領域に表示されるコントローラーです。これは2020年現在、これまで世に出た WMP 操作パネルの中で最小です。
WMPminiapp2.bmp
左の画像はスキンコンバーターを開いた状態です。さらに言語バーと通知領域のネットワークアイコンに挟まれる位置に WMP の操作パネルを示すアイコンが表示されています。
右の画像は小さい WMP の操作パネルを右クリックした状態です。メニューにある Hide Media Player の項目をチェックすると画面上から WMPが消えますが、音楽などは引き続き再生されます。
なお、本来ミニモードが用意されていなかった WMP 12 のミニモードとこのトレイコントロールは非常に相性がいいので、併用すると使い勝手が向上します。トレイコントロールから Hide Media Player を選択すると、タスクバー上の WMP が消え、ミニモードとコントローラーだけが残るので見た目がすっきりします。
WMPminiapp3.bmp
またオプションメニューには Run Tray Control at Startup (このトレイコントロールをスタートアップ登録する) が用意されていますので、必要な方は登録しておくと利便性が向上します。
私としては mpxptray.exe のコンパクトさが気に入ってます。
本来はWMPが起動していない状態で、このトレイコントロールからWMPを起動させることができるようですが、WMP 12 は起動してくれません。WMP 9 時代のプログラムなので仕方ありませんが、それ以外のコントロールはきちんと動作しますので非常に便利です。

なお、Windows XP の時代は Fun Pack と呼ばれる無料配布プログラムがいくつか存在し、その中にもWMPのスキンが含まれていたりします。
これらを2020年現在、集めるのは簡単ではないかもしれませんので、当記事では割愛します。

マイクロソフトの Web で無償配布されていたスキン
前述のリンク先はかつてマイクロソフトの Web で無償配布されていたページのアーカイブですが、ここでは今もスキンをダウンロードできます。このページにある Kenwood のスキンが私のおすすめです。
名前でわかるように、このスキンはカーオーディオの KENWOOD のもので、カーナビ仕様です。
ダウンロードしたことのある方ならご存じでしょうから、画像はアップしません。このスキンを知らない人はぜひダウンロードしてスキンを適用していただくと、そのすごさがわかるかと。なんとナビゲーションパネルを模したディスプレイ部分とコンポのコントロール部分が分離するんです。

スキンの抽出から適用までの手順
過去のバージョンのインストールプログラムからスキンを抽出
この方法は至って簡単で、しかも誰でも安全に行うことができます。
WMPの過去のバージョンのインストールプログラム(.exe)を用意したなら WinRARなどの解凍ソフトで解凍し、作成されたフォルダにある .wmz 拡張子ファイルを WMP のインストールフォルダにある Skins フォルダにコピーするだけです。
このようにすればプログラムをインストールせずに必要なファイルだけを抽出できます。
もし手持ちの解凍ソフトで解凍できない場合は、インストールプログラムの拡張子.exe を .cab または zip に変更すれば解凍できます。
この手法はいろんな場面で使えるので、覚えておいて損はないですね。

過去のバージョンの WMPのインストールプログラムのうち、入手難易度が最も高いのは Windows Media Player for Windows XP 、通称バージョン8のプログラムです。名前でわかるように、このバージョンはWindows XP 用なのですが、32ビットの Windows XP の初期バージョン、SP1にしか搭載されていないものです。しかも他のバージョンで入手できないスキンが多く含まれています。
この記事をご覧になって今から入手なさろうとする方、ぜひとも頑張って見つけてください。
普通にブラウザで検索するだけでは探し出せないかもしれません。意外な場所で見つかりますよ。
なお、バージョン8以外のインストールプログラムはネットで検索すればすぐに見つかるのでご安心を。


ダウンロード時の注意点
※ ダウンロードしたスキンを適用する際に注意したいのは、ダウンロードしたスキンを直接、WMP のインストールフォルダに保存しないこと。
そのまま保存したスキンを WMP のスキンセレクター画面で選択しようとすると、スキンが適用されないケースがあります。
さらに、スキンのプレビューで表示が崩れたり、適用された場合は正しいスキン画像が表示されないなど、バグが生じるケースもあります。
原因は不明ですが、およそ考えられるケースとしてスキンが制作された環境と異なる環境でスキンが適用されるため、.wmz 内のファイルに用いられた文字コードセットなどの違いによって発生する不具合ではないかと推察されます。

ダウンロードしたスキンの適用エラー回避策
1.ダウンロードフォルダ上でダウンロードした .wmz フォルダをダブルクリックし、WMP にスキンを適用させる。
この時、WMP のダイアログが起動し、
 スキンファイル [SkinName].wmz を [DownloadFolderName] からダウンロードします。
 このファイルは、スクリプトを含んでいるか、ライブラリ内の情報にアクセスする可能性があります。
 このファイルをコンピューターにダウンロードして開きますか?

のメッセージが表示されるので、はい(Y) を選択する。
ここでいいえ(N)を選択すると、スキンが適用されないので注意。

2.1.で選択したスキンがWMPのスキンモードできちんと適用されているか確認し、次の手順に進む。

C:\Users\[UserName]\AppData\Roaming\Microsoft\Media Player\Skinsに作られるフォルダを開き、1.で適用したスキンが保存されているのを確認する。
このスキンを WMP のインストールフォルダに移動。コピーすると WMP のスキンセレクター画面で同一スキンが2つ表示されるため、移動を推奨。
この時、現在適用されているスキンはフォルダー移動できないので、あらかじめ WMP で Corporate など、このフォルダに保存されていない別のスキンを適用する。

3.スキンの移動が終わったなら、再度 WMP のスキンセレクター画面でダウンロードしたスキンを選択し、適用されるか確認する。


上記作業でスキンが適用されないケースが発生した場合
ダウンロードしてきたスキンの拡張子を .wmz から .zip に変更して解凍ソフトで解凍。
解凍したフォルダーを .zip に圧縮し、拡張子を .wmz に変更したなら 1.の手順に進んでみるといいでしょう。

かつて、WMP のスキンにセキュリティー問題があったことから、対策が進んだ現在でも出所不明の怪しいスキンは使わないに越したことはありません。出所がはっきりしている安全なスキンのみを使うようにしましょう。

そろそろまとめ
WMP は重い、できることが少ないなどと思われているようですが、2020年時点のハードウェア環境で WMPが重い感じるようであれば相当マシンスペックが低いと言わざるを得ません。今時のマシンでなら重さを気にする場面はないに等しいです。

まずは WMP の設定において、バックグラウンド処理される設定がオンになっているか確認し、不要な設定はオフにするといいでしょう。
ここで言うまでもありませんが、オプション画面で不要な設定をオフにし、さらにデバイス内の同期をオフにしない場合、WMP のバックグラウンド処理に伴いメモリ消費量が増大しますので、ご注意ください。

その重さゆえに WMP の使用が敬遠されていた顕著な時期は Windows 98、2000、Me、そしてXP が現役だったバージョン 7~11 の頃ですが、当時と今では Windows のシステム要件がまるで違います。
32ビットのXPの動作環境は2001年のデビュー時において物理メモリ 128 MB、SP3で 512 MB以上が推奨、CPUも最低300MHz 以上、600MHz 以上推奨という、今では考えられないほど低いものでした。

私も Windows XP の現役当時、WMP を起動しながらオンラインゲームをプレイするなど、PCに負荷のかかる運用は避けていました。
そのため、いかに動作が軽くて機能が豊富、かつ使い勝手と見た目のよいメディアプレイヤーを見つけては試したものです。

環境が激変したのは Windows Vista , 7 の登場によるマシンスペックの高性能化。とりわけ Windows XP のサポートが終了し、Windows 7 に乗り換えた人が多い 2011年以降、Windows の動作が重いという話がだいぶ減ったように思います。
これはちょうど WMP のデザインコンセプトのもと、より軽い動作を実現すべく開発された Media Player Classic (MPC) の開発が停滞しだした時期と一致します。

今時、Windows 10 を動作させるなら 32ビットは業務用のロースペックマシンでもメモリ4GB、64ビットの個人用なら最低でも8GB以上積んでるケースが多いでしょうから、きちんと設定したうえで WMPを起動した場合、動作が重く感じる場面は想定しにくいです。
そもそもこのようなことをする環境は 64ビット版 Windows を個人所有のPCで起動するケースがほとんどでしょうから、メモリがひっ迫する状況にはならないと思われます。
ましてや高価なグラフィックボードを積んでオンラインゲームを楽しんでる、マシンスペックを求めるコアな層であればなおのことです。

もしハイスペックなマシンを使っているにも関わらず WMP の動作が重いという方は、率直なところ Windows の使い方に問題があるとしか思えません。
ブラウザーでタブを数十個開き、オンラインゲームをプレイするなどといった、かなりハードな使い方をしているのではないでしょうか。

2020年2月末現在、当記事冒頭で紹介した メディアプレイヤー のうち Media Player Classic のプロジェクトは大本の MPC が終了、派生プロジェクトの MPC-HC も事実上の終了。
唯一残っている MPC-BE の開発プロジェクトもかつてのような賑わいが感じられない状況となっています。

そもそも本家である WMP 自体がバージョン10あたりから大きく変わっていない時点で、この分野で開発できることはおおよそ出尽くした感があると言えます。

また WMP のクラシックスタイルをベースに開発された MPC も本家 WMP のようなスキンによるビジュアルのカスタマイズ要素が少ないこともあって、今後大きな変化を期待できそうにありません。
PC の性能にかかわらず動作の軽い MPC を使うのもありですが、動作環境が整っている状況ならば、カスタマイズ性の高い WMP を使わないのはもったいないと考えます。
この機会にぜひ、WMP を自分の使いやすいスキンにしたうえで、きっちり設定して使ってみてはいかがでしょうか。
デスクトップの雰囲気ががらっと変わりますよ!

今日のおまけ。
WMP8-Redux
WMP-8 Redux.bmp
Windows XP の初期バージョンに搭載された WMP8 にしか見えませんが、WMP8-Redux という、れっきとした WMP 12で機能するスキンです。このスキンを適用すれば面倒なくかつての WMP のスタイルを取り戻すことができます。

これにかつて無償配布された Windows XP Winter Fun Pack に含まれていた 視覚エフェクトを適用してプレイしている画像が次のとおり。
WMP8skin.bmp
冬を感じさせる視覚エフェクトなので、演奏曲も冬をテーマにしたものとしています(かなり懐かしい…)

ダウンロード先
https://www.deviantart.com/rydsei/art/Windows-Media-Player-8-Redux-V2-0-793871393
2020年2月現在において、WMP 7~9 までの外見を取り戻したい人のために、動画サイトで WMP 8 を Window 10 にインストールする手順が公開されています。
この方法の概要は WMP 8 のファイルバーションを WMP 12 より新しいバージョンにした、いわば裏技的なインストール方法ですが、この時代に古いバージョンにするメリットは皆無。強いて言えば見た目と操作性だけです。セキュリティの問題が残る以上、こういうインストール方法は当ブログでは推奨しません。

WMP11Toolbar
WMP11Toolbar.bmp
こちらはミニモードが好きな方にはたまらないスキンではないでしょうか。
ディスプレイ上でミニモードと夢の競演(!?)が可能です。
さらにミニモード同様、タスクバー上に移動しても最前面に表示されるので、デスクトップ上の好きな場所に移動できるミニモードと言えます。
※ 2020年3月上旬のWindows 更新プログラムをインストール後、タスクバー背面に表示されるようになりました。残念!
こちらに興味のある方はぜひネットで探してみてください。では!

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