スペシャルウィークの実家は、正しくは彼女ら夫妻の家は、隣家がキロ単位で離れている事さえ珍しくもない立地にある。
無論厳しさはあるものの、それ故に自然の恵みを存分に享受することの出来る場所であり、故にこそ母から受け継いだ土地で、彼女は生計を立てている。
けれど、いかにそこが誇りに思える土地であったとしても。厳然たる事実として、娯楽の少ない田舎である事は間違いがなく、とりわけタイトなスケジュールで肉体労働をこなしているとあれば、その捌け口は身近なところへと向かう。
そもそもが夫婦であって、子供を望んでさえいるのだから。誰に憚られる事もなく営みを繰り返した結果、夫妻は待望の第一子を授かることになる。
それは同時に、安定した時期になるまでの娯楽を彼女から奪い去る事と同義であったのだが。
「体調も大丈夫ですし、ちょっとくらいなら……うぅ、あなたのおちんちんだってしばらくしてないせいでイライラしてるじゃないですか！」

元より鍛えたアスリートであった事もあり、驚くほどに彼女の体調はいい。
むしろできない事も相まって欲は亢進するばかりで、人によるとはわかってはいても出来ないストレスの方が嵩む。
夫の手で優しく愛撫されたとしても、どうしても期待するその先は来ないし、何より目の前でそり返る夫のものをどうにもならないのがもどかしい。
とはいえ、赤子に負担を与えるわけにもいかず、協議の結果二人が選んだのは、口淫による代替手段であった。
これを純朴と言うべきかは議論の余地を残すものの、彼女にとって性交とは交尾に他ならず、同時に初めての女として、妻として彼女に溺れた元トレーナー側もそれ以外を考えた事などなかった。
むしろ忌避すべき、異常な行為。そんな薄っぺらな価値観すらも唾棄してしまうほどに、今の彼女は飢えていた。

「こ、これ……食べちゃっていいん、ですよね……？」
風呂場で相互に洗い合う事はあっても、それはあくまで下準備。
ぺたりと座り込んだ姿勢で顔に乗せられる逸物の重みに、ごくりと唾を飲み下す。
匂い立つ男臭さは、決して不快なものではありえない。むしろ慣れ親しんで安心する匂いに安心して、おずおずと舌を伸ばす。
「んっ……ふぁ……」
びくり、と跳ね上がる逸物が反動で顔に叩きつけられる。
それがどうにも楽しく感じる自分があったとしても、これではどれだけ時間がかかるかもわからないから。そっと伸ばした両手が夫の竿を緩く固定して、あらためて舌を伸ばす。
ちろ、ちろ。ぺろ、ぺろ。まるで仔猫のように拙い動きであっても、学生の頃から更に美しく女として育った若い妻の視覚的作用もあって、それだけで十分に快楽は高まっていく。
ぴくぴくと、何度か手の中で暴れるうちに。鈴口からは、堪えきれないとばかりに我慢汁が溢れ出す。
「あ……えへへ。これ、気持ちいい時に出るやつ……ですよね？」

自分の奉仕が、夫を悦ばせるものであった。自身の快感に直接は繋がらずともその幸福が、彼女の胸を満たしていく。
同時に疼く下腹に、離した片手を忍ばせつつ、動かし続ける舌が夫のそれを口に運ぶ。
少ししょっぱくて、粘ついていて――
「変な味、ですね……でも……んっ♡」
とても美味しいとはいえないものなのに、それを味わいながら自慰に浸る背徳感は、あっという間に彼女の理性を蕩けさせてしまう。
くちゃくちゃ、ぐちゅり。水音は次第に大きくなって、いつしか浮き上がった彼女の尻尾が、跳ね始める。
未だ鈴口を舐めている、ただそれだけであるのに。そんな妻の痴態は、長らく処理に困っていた夫が射精に至るには十分すぎるものであった。
「ふぇ……？きゃぅ！？」
夫が一言謝るの同時に唐突に吐き出される精液は、当然の事ながら量も多く勢いも強い。
咄嗟に目こそ瞑ったものの、酷く粘性の高いそれは流星をも一層濃く黄濁した色に染めながら、彼女の顔中を穢していった。

「ひゃ、ちょ、ちょっと待ってくださ……！わぷ……すごい匂い……こんな、濃いの……勿体無いじゃないですかっ！」
優れた雄の精には、相応の値が付くもの。その価値判断基準にあって、夫の精というのは彼女にとって値千金の、文字通り垂涎ものであった。
子をなす事ができずとも、捨てる事などできるわけもなく。手渡されようとしていたティッシュを尻目に、顔中のそれを指で拾い集める。
幸い、摘めるほどの濃さと粘りがあったから。震える精液が、彼女の口に運ばれていった。
「は、むっ……ちゅぷ、ぐぢっ……じゅぐぐっ……ぇろ、にぢゅ……♡」
初めて口にするそれを、何度も口の中で転がして。唾液と混ぜて噛み潰して、口蓋に舌で押し広げて匂いを堪能して。減るたびに摘み直した新鮮な精を加えて、味利きを繰り返すスペシャルウィーク。
やがて彼女の顔が髪を残して綺麗になる頃に、静かに喉がなった。
「んっ……こく、ん……ぷぁ♡知りません、でした……精液がこんなに美味しくて、幸せになるなんて……♡」

ご馳走様、と告げる声はすっかり出来上がっていた。
行く先は違い本懐は果たせずとも、夫のものを受け入れ、同時に夫を悦ばせる。それを同時に満たす行為は、驚くほどの充足を彼女に齎した。
けれども、同時に彼女は自他共に認める食いしん坊であり、抑圧されていた欲も到底一度で発散できるものではない。
「もっと……もっと、けっぱれますよね……♡」
一度や二度の交尾で収まることのない夫だとわかっているから、彼女は再び吐精したばかりにして既に力を取り戻している逸物に顔を近づける。
先程までより深く、長く。それでも不慣れ故に張り出したカリ首まで、亀頭までで精一杯ではあったものの愛おしげに咥え込む。そして、そのまま。不器用に顔ごと上下に動かし始めた。
「んっ、んぶっ……！んっ、んんっ！！」
時折鼻先を掠める陰毛がくすぐったい。そんな事を思う余裕すらなく、ただひたすらに口の中を満たす肉棒に夢中になって奉仕する。
同じように鈴口を、今度は裏筋を、次はカリ裏に沿ってぐるりと、かと思えばまた鈴口に戻って何度も突くように撫で回す。技巧よりも好奇心と愛欲に満たされた動きであっても、逸物はしっかりと反応を返してくれていた。

「あ、ふふっ……元気ですねぇ、旦那さまっ♡」
芝居がかった口調で嬉しそうに微笑んで、しかし止まらぬ動きに。時折喋る為に震える口蓋が伝えてくる振動も相まって、再び絶頂へと至る寸前の状態に持っていかれる。
ふと、そこで二人の視線がぶつかり合って――笑顔の彼女が、精一杯の大口で、一際深く咥え込んだ。
根元までは未だ半ばとはいえ、彼女の体内温を感じない範囲の方が狭くなってしまえば我慢のしようなどない。
「ふぉのまま、らひちゃっへくらさい…か♡」
妻にしがみつかれるまま、今度の吐精は全てが直接中に注ぎ込まれた。
「んっ、ふんぅ゛……ぎゅっ♡ご、ぎゅっ……ん、くぅっ……こくっ……♡」
びく、びく。喉奥を叩かれ、吐き出される度に、生理的な苦しさに眉根を寄せながら、喜びがそれを上回る。
音を立てながら最後の一滴までも飲み干してから、彼女はゆっくりと口を離した。
「っ、こ……くんっ♡はあぁ……ごちそう、さまでしたぁ♡」
うっとりと満足げな女の顔は、これ以上にない蕩けたものだった。

「それから？んー……クセに、なっちゃったんです♡今じゃあ飲ませてもらうだけでおやつに何をこっそり食べたかだって判っちゃいますし、毎朝毎晩飲ませてもらってるんです♡
それに、ほら……生だと、出来ないでしょ？だからね……メンコに射精してもらった分、勿体無いから♡」
もう随分と大きくなったお腹を抱えて。同じようなかつての旧友との赤裸々な語らいに、夜は更けて――

スペは既に妊娠してる状態から始まるという確信があった

出勤前にありがたい……

スペは自分から誘うタイプ

食いしん坊の子は大体フェブラリー好き

初手妊娠はルール違反でしょ…勝てねぇ…