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賠償金を払わない「論破王」ひろゆき氏の法の抜け道を使ったトンデモな理屈

Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【8】

清義明 ルポライター

「責任を取らないと法律違反者のままです」

 最後にもうひとりの被害者の声を紹介しよう。私が話を聞くことができた2ちゃんねる被害者で唯一名前を出すことを許してくれた有道出人氏である。

 「(裁判で)正式に名誉毀損(きそん)があったと判決されました。よって、もちろん損害賠償で支払うことは法的な義務があります。西村氏はきちんと責任を取らないと法律違反者のままです。法制度も当局も、彼をなんとかしないといけない。我が国が本当に法治国家であるのかと心配します」

 まったく同意見である。

 有道出人氏はアメリカ出身の人権活動家である。2001年に、小樽市の浴場が外国人の入湯を禁止していることが人種差別にあたるとして、運営元と小樽市を提訴した。このことが、2ちゃんねるで話題になり、様々な嫌がらせや誹謗中傷が書き込まれた。アメリカ出身であるということを俎上(そじょう)にあげた差別書き込みも多数あった。

 これに対して、有道氏はこの書き込みを削除するように2ちゃんねるに要請したが、西村氏はこれに応えることはなかった。そのため西村氏もあわせて提訴。西村氏は敗訴する。

 だが、もちろん、いまだに損害賠償は履行されていない。そして、テレビやYoutubeで西村氏は、今日も「正論」やらを唱えている。そればかりか、地方自治体のプロジェクトメンバーに名前を連ね、今度は金融庁の広報の仕事も引き受けているらしい。頼むほうもどうかと思うが、素知らぬ顔で引き受けるほうにも口がふさがらない。

拡大金融庁が公開した西村博之(ひろゆき)氏と金融庁幹部の対談動画=ユーチューブから

米公聴会が西村氏に求めた「証言」

 前回とりあげた乙武氏の参院選立候補のキックオフイベントに戻ろう。

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筆者

清義明

清義明(せい・よしあき) ルポライター

1967年生まれ。株式会社オン・ザ・コーナー代表取締役CEO。著書『サッカーと愛国』(イースト・プレス)でミズノスポーツライター賞優秀賞、サッカー本大賞優秀作品受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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