おととし7月の豪雨で大きな被害を受けた球磨村神瀬地区で先日、復興まつりがあり、住民が親睦を深めました。
神瀬地区で今、前に進み始めた防災・減災の取り組みとあわせてお伝えします。

【神瀬地区で暮らす 岩崎ちふみさん】
「少しずつ、もともとあった住民同士の集まり、そして自分たちでする祭りというのがまた戻ってきたかなという感じがしてうれしくなった」

おととし7月の豪雨で近くを流れる球磨川や支流が氾濫し多くの住宅が浸水被害を受けた球磨村の神瀬地区です。

被災した家屋の多くが解体され閑散とした集落で11月12日、住民手作りの復興まつりが開かれました。

【主催した川口誠司さん】
「災害後は閑散として人もいなく、こんなに帰ってきていただいて本当にうれしい」

会場では、地区の婦人部通称『神瀬マダム』による炊き出しやバーベキューが振る舞われたほか、特設のステージでは郷土芸能などが披露されました。

おととしの豪雨を受け宅地のかさ上げが計画されている神瀬地区。
国は来年2月に着工し、再来年3月の完了を目指すことを10月、初めて示しました。
【神瀬地区で暮らす 岩崎ちふみさん】
「いつまで待てばいいのかという思いがある中で、こうやって祭りをしてみんなに会って少しでも気持ちが和らげばいいのかな」

【川口誠司さん】
「皆さんが祭りを見て、少しでも帰ってきていただけるように頑張っていこうかなと」

災害後、集落を離れた人や仮住まい中の人も参加。住民同士が親睦を深めていました。

こうした中、神瀬地区では今、防災・減災の取り組みも前に進み始めています。

【熊本県立大学・緑の流域治水研究室 佐藤琢磨学術研究員】
「アレクサ!球磨川のカメラを見せて」

こちらは球磨川に設置されたカメラの映像です。
緑の流域治水による球磨川流域の復興と持続可能な社会づくりを目指す熊本県立大学などでつくるグループが取り付けました。

今年5月から神瀬地区の住民と話し合いを重ね、近くを流れる球磨川と支流の川内川の合わせて8カ所にカメラを設置。
その映像はスマートフォンで見ることができます。

大雨の際に避難の判断材料に使ってもらい、早めの避難につなげる狙いです。

【熊本県立大学・緑の流域治水研究室 佐藤 琢磨学術研究員】
「スマホを使うのが苦手な方もいるので、今、新しい取り組みとしてLINEでも見られるような仕組みを作っています」

祭り当日、会場では研究に携わる大学生たちがカメラの映像をLINEで見る方法を住民などに説明していました。

【ボランティア】
「とても分かりやすくて便利。行政のはどこを探していいか分からないというところがあるので」

【熊本県立大学・緑の流域治水研究室 佐藤琢磨学術研究員】
「これを機会にカメラの存在を知ってもらって自分たちで安心安全を確認できるということをチェックしてもらえれば」