ユーチューブに200本…部落地名さらす動画、削除求めオンライン署名
インターネット上で被差別部落の地名をさらす動画の削除を求め、部落出身者らが今月中旬、オンライン署名を呼びかける活動を始めた。これまで自治体や部落出身者らが繰り返し要請したが、削除されていないのが現状。署名は10万筆を目標に集め、動画投稿サイト「ユーチューブ」の運営会社に提出する。既に2万6千筆が集まったという。
取り組んでいるのは、部落出身者や支援者でつくる「ABDARC(アブダーク)」。被差別部落の地名リストをネットや書籍に掲載した男性を相手に、公開差し止めを求めた訴訟を支援する団体だ。訴訟は係争中だが、動画は審理の内容に含まれていない。
署名はユーチューブ側に対し、「被差別部落の所在地暴露」を投稿の禁止規定に明記するよう求める内容。被差別部落や部落出身者への差別を助長する動画についても、削除の対象とするよう訴えている。
アブダークによると、ユーチューブには訴訟で被告となった男性と、この男性をまねしたとみられる人が作成した動画が計200本以上確認されている。アブダークのメンバーで、山口県人権啓発センターの川口泰司事務局長は「同様の動画はネット上で増えており、さらされた地域に関わる人は泣き寝入りしている。そうした被害者や、差別的な動画を許さない市民の声をしっかり届けたい」と話す。署名のサイトはこちら。
(森亮輔)